リング (ホラー)
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『リング』は鈴木光司によるミステリーホラー小説、およびそれを原作とした映画、ドラマ。『リング』シリーズの第一作。1993年に出版。1995年にテレビドラマ化。1998年に東宝配給で映画化され、2002年にアメリカのドリームワークスによりリメイクされた。
目次 |
[編集] 概要
本作は日本のホラーに一大センセーションを巻き起こした作品で、本書「リング」、続編「らせん」、完結編「ループ」及び関連エピソードによる短編集「バースデイ」と4冊のシリーズになっている(通称「リングシリーズ)。4作で累計800万部の売り上げ(『なぜ勉強するのか?』2006年刊行時)を誇る、近時の日本小説界の大ベストセラー。「リング」はハードカバー刊行時はさほどの話題とならなかったが、単行本化されてからジワジワと話題を呼んで部数を伸ばし、1995年のテレビ単発ドラマ化に至り、やがて1998年の映画化によってジャパニーズホラーブームの火付け役となった。
本作の高い評価の理由には「ビデオテープ(VHS)という身近な題材」「ホラーだが怖がらせるだけではなく、ストーリーも緻密に構成されている」「ラストのどんでん返し」という点が上げられる。ラストの元ネタは日本でも昔から都市伝説となっている「不幸の手紙」がベースとなっており、若者の関心を引きやすかった。
続編「らせん」以降はホラー色が減退してサイエンスフィクションの要素が前面に立ち、完結編「ループ」に至っては仮想現実世界と現実世界を舞台に、生命の誕生と創造に至る壮大なSFへと変化するため、巻を経る毎にジャンルが大胆に飛躍するシリーズでもあり、純粋に「恐怖小説」を望んだ読者にとっては、本書「リング」以外は賛否両論のようである。
映画「リング」の配給収入は10億円、「リング2」は21億円であった。また、映画版で描かれた『TV画面から現れる「貞子の恐怖」』については様々なメディアで扱われ、パロディーなども多く作られた。映画版の主役である、『リング』の松嶋菜々子、『リング2』の中谷美紀、『リング0』の仲間由紀恵はそれぞれ2代目、4代目、5代目きれいなおねえさん(松下電器工業CMキャラクター)である。
作中の登場人物である伊熊平八郎・山村志津子は、明治時代に起こった千里眼事件の関係者(学者・福来友吉、超能力者・御船千鶴子)がそのモデルとなっている。又、その千里眼能力者の中に高橋貞子という女性が実在していた事も、その関連を想起させるものがある(しかし、鈴木光司は御船千鶴子等のことを知らず小説の完成後に存在を知った)[要出典]。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
「そのビデオを見ると、一週間後に死ぬ」
自分の姪を含む高校生の友人グループが怪死した事件を調査する雑誌記者・浅川和行は、1週間前に4人が伊豆の貸別荘に泊まっていたことを突き止める。別荘を訪れた浅川は、そこで奇怪な内容が映ったビデオデープを発見するが、そのビデオは「これを見たお前は7日目のこの時間に死ぬ」という、死の宣告で締めくくられた。 浅川は、かつて因縁のあった論理学が専門の大学哲学科講師・高山竜司に相談、高山もビデオを見てこれが単なる悪戯ではないことを悟り、二人は死が訪れる前にその謎を突き止めるため奔走するが、そのさなか、浅川の妻・静と娘の陽子までもがビデオを見てしまい、呪いにかかってしまった。
やがてそのビデオは、千里眼を持っていた「山村志津子」という女性と、志津子の信奉者であり心理学者である伊熊平八郎との間に出来た娘である「山村貞子」の怨念により「念写」されたものであることが判明する。しかし貞子は既に死亡しており、現在は例の伊豆の貸別荘の床下にある古井戸の底に眠っていることを突き止めた。
「山村貞子の遺体を井戸から引き上げて供養すれば呪いは解ける」・・・そう考えた二人は井戸に潜り、貞子の亡骸を探しだした。直後に浅川はビデオを見てから1週間の期限を迎えたが死に至らず、呪いを免れることに成功したかに見えた。
ところが、東京へ戻った高山は、彼がビデオを見てからちょうど1週間目の定刻に謎の死を遂げてしまう。高山に対する貞子の呪いは、まだ解けていなかったのだ。では何故、自分は死ななかったのだろうか…。その理由に気づいた浅川は、妻の静と娘の陽子を助けるため、ある人物に過酷な相談を持ちかける・・
[編集] ドラマスペシャル
- リング 事故か!変死か!4つの命を奪う少女の怨念
- 1995年8月11日フジテレビ系金曜エンターテイメントの枠で放映された2時間スペシャルドラマ。本編約90分。
- 「リング」最初の映像作品。オチなどごく一部分を除けばほぼ原作に忠実な映像化作品。主人公浅川役の高橋克典と高山役の原田芳雄の好演により、ホラーに加えて謎解きサスペンスの雰囲気が強い作品となった。
- 山村貞子は後年の映画版で描かれた『長髪を振り乱して井戸から這い出し、クネクネ動きながら襲いかかる異形の化け物』という印象が非常に強いが、本作では原作どおりに「半陰陽者だが美しい少女」として描かれ、悲劇的な運命故に世を呪うようになった薄幸の女性という経緯も再現されている。貞子を演じた三浦綺音は裸体を惜しげもなく披露し、「美しい殺人幽霊」を体当たりで演じた。また、呪いのビデオの内容も原作の描写をほぼ忠実に再現している。
- ビデオは、放映時にカットされたシーンを復元し、「リング完全版」のタイトルで発売された。
[編集] スタッフ
- 監督 : 瀧川治水
- 脚本:飯田譲治・祖師谷大蔵
[編集] キャスト
[編集] 日本映画
[編集] リング
1998年1月31日公開。中田秀夫が監督で映画化。続編「らせん」と同時進行で製作され、デュアル・ホラームービーと名うった同時上映が行われた。原作の物語を刈り込んで出来る限りシンプルな展開としている。原作からの最大の変更点は主人公浅川和行が女性に変更されており、高山とは元夫婦という設定になっていることで、ドラマチックな人間関係が演出されている。また高山は物体などから思念を感じ取ることが出来る超能力者という設定になっていて、現実的な手法で呪いのビデオの解析を進める原作と違い、超能力を駆使してビデオの内容を明らかにしていくなどのアレンジが加えられた。
一方、山村貞子は原作に描かれた「薄幸の美女」ではなく、井戸から這い出し、テレビ画面を抜け現実化して襲ってくるといった化け物的な演出で描かれ、「得体の知れない呪いを相手にしている」という原作の漠とした怖さと比べて貞子そのものの恐怖に集中した、「モンスター映画」としての要素が強くなっている。井戸から這い出したり、長髪を振り乱し、目を剥いてクネクネとした奇怪な動きをする貞子の描写はこの映画版オリジナルのものだが、あまりのインパクトの強さ故、アメリカでリメイクされた「ザ・リング」は、原作ではなくこの中田秀夫の映画版をリメイクしたものになったり、様々なパロディ作品を生むなど影響は大きかった。
主題歌の「feels like "HEAVEN"」(歌:H II H)は、バラエティ番組でも何度も使われている。
[編集] スタッフ
- 監督 : 中田秀夫
- プロデューサー : 河井真也 / 一瀬隆重 / 仙頭武則
- 原作 : 鈴木光司
- 脚本 : 高橋洋
- 撮影 : 林淳一郎
- 音楽 : 川井憲次
[編集] キャスト
- 浅川玲子:松嶋菜々子
- 高山竜司:真田広之
- 高野舞:中谷美紀
- 山村貞子:白井ちひろ(少女期)、伊野尾理枝(成人期)
- 山村敬:沼田曜一
- 山村志津子:雅子
- 伊熊平八郎:伴大介
- 浅川浩一:村松克己
- 浅川陽一:大高力也
- 大石智子:竹内結子
- 大石良美:しみず霧子
- 倉橋雅美:佐藤仁美
[編集] リング2
1999年1月23日公開。『映画版リングの後日談』を描いた映画オリジナルの続編。外伝や原作の空白を埋めるエピソードといった内容ではなく、「リング」の正統な続編である『らせん(原作版・映画版含めて)』とは別の展開を辿るパラレルワールド的な作品となっている(従って『らせん』以降の作品とは内容が噛み合わない)。
監督は前作と同じ中田秀夫。科学サスペンス色が強くなった『らせん』とは違い、ストレートに映画版『リング』のイメージを踏襲して展開する『貞子の怨念の恐怖』のパート2に仕上がっていて、オカルト映画にこだわった作りとなった。当初脚本は一般公募で募集したが、決定されず、結果的に脚本家の高橋洋が書き下ろした。同時上映は『死国』。
出演陣には映画版『リング』のメインキャストから中谷美紀が続投した他、第1作の主演だった松嶋菜々子と真田広之が同役で登場している。3人は映画版『らせん』にも同役で登場しており、「もうひとつの展開」というパラレルワールド趣向が強調される形となった。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 高野舞:中谷美紀
- 沢口香苗:深田恭子
- 浅川玲子:松嶋菜々子(特別出演)
- 高山竜司:真田広之(特別出演)
- 山村貞子:土田芽吹(少女期)、伊野尾理枝(成人期)
- 山村敬:沼田曜一
- 山村志津子:雅子
- 山村和枝:梶三和子
- 伊熊平八郎:伴大介
- 浅川浩一:村松克己
- 浅川陽一:大高力也
- 倉橋雅美:佐藤仁美
- 角倉刑事:諏訪太朗
- 鵜飼:長曽我部蓉子
- 佐久間:芹沢礼多
[編集] 連続ドラマ
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- リング~最終章~
『リング 2』公開に合わせ1999年1月7日~3月25日にフジテレビ系で放映。全12話。平均視聴率19.9%。連続ドラマになったぶん、物語のボリュームアップが図られており、1話で1日分を描くという図式で製作されている。呪いのビデオのタイムリミットも放映話数に合わせて「見たら13日目に死ぬ」と改訂された一方、呪いを解く方法も「まだ見たことのない者2名にビデオを見せる」とされており、劇中では「この計算だと、1年で人類の4分の1が見て死ぬことになる」と説明され、人類滅亡を示した危機的なアレンジとなった。
物語後半では『らせん』の要素が加わってオリジナルの結末を描き、以降の原作への派生はない、独立した物語となっている(但し、フジテレビが翌年に製作した連続ドラマ版『らせん』とは接続)。
[編集] スタッフ
- 演出 : 福本義人 / 西谷弘 / 松田秀知
- 企画 : 清水賢治 / 長部聡介
- プロデューサー : 高橋萬彦
- 原作 : 鈴木光司
- 脚本 : 蒔田光治 / 高山直也
- 音楽 : 渡辺俊幸
- 制作 : フジテレビ、共同テレビ
- 主題歌「STARS」(歌:オリジナル・ラヴ)
[編集] キャスト
- 浅川和行:柳葉敏郎
- 高山竜司:長瀬智也
- 宮下理恵子:黒木瞳
- 吉野明子:京野ことみ
- 長尾城太郎教授:山本圭
- 高野舞:矢田亜希子
- 浅川陽一:深川雄太
- 河村健:加藤隆之
- 柏田刑事:渡辺哲
- 山村志津子/山村貞子:木村多江
- 伊熊平八郎:上杉祥三
- 伊熊夫人:佐々木すみ江
- 大石智子:岡本綾
- 八木久美子:鈴木砂羽
- 金田教授:小日向文世
- 阿部:池内万作
- 森山修平:河原崎建三
- 松崎ナオ:松崎ナオ
- 八木マネージャー:高杢禎彦
[編集] サブタイトル
- 封印は今解かれた
- ビデオに殺される
- 誰かが見ている…
- 沈黙のウイルス
- 蘇った死者
- 新たなる超能力者
- 今夜貞子が現れる
- 呪いを解くと誰かが死ぬ
- 仕組まれた記憶
- 貞子復活
- 高山竜司、死す
- 呪いは解けていなかった。13日目、新たな死者が世界を滅ぼす
前番組: |
次番組: |
[編集] アメリカ映画
[編集] ザ・リング
ザ・リングを参照。
[編集] ザ・リング2
ザ・リング2を参照。
[編集] ゲーム
- リング∞
[編集] 漫画
[編集] 関連イベント
[編集] 関連作品
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