筑前勝田駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
筑前勝田駅(ちくぜんかつたえき)は、福岡県糟屋郡宇美町にあった日本国有鉄道勝田線の駅(廃駅)である。勝田線の廃線とともに1985年3月31日限りで営業を終えた。
目次 |
[編集] 駅構造
廃止当時、単式ホーム1面1線を持つ地上駅となっていた。木造駅舎があり、1984年2月1日国鉄ダイヤ改正のときまで同線に客車列車が残されていたこともあって、機回し線もあった。
宮脇俊三著作の「時刻表2万キロ」で、作者がこの駅を訪れたときは、駅名標が志免駅で使用されていたものを裏返し再利用したものになっているなど、赤字ローカル線の勝田線には投資をしないといった姿勢が浮き彫りにされている状況であったと言われる。
[編集] 駅周辺
粕屋炭山の炭鉱があったが、石炭産業の斜陽化もあって閉山となり、廃線前には道路の下にたたずむ住宅地の中にある駅となった。この住宅地は廃止前には一部造成されており、福岡中心部からの距離、通勤時間帯は慢性的な渋滞を抱えている県道68号、空港通等の道路事情を鑑みれば、設備の近代化は必要であったが列車本数さえ確保すれば福岡近郊路線として通勤通学に少なからず需要が開発できたはずである。ここにも特定地方交通線の廃止基準に固執し、旅客需要の薄い炭坑路線は炭坑が閉山して貨物が消滅したら寿命の終わりという思考に凝り固まっていた、当時の国鉄の先見性の無さと余裕の無さを窺い知ることができる。
廃駅後、周辺は遊歩道として整備された。当時からある西日本鉄道のバス停はそのまま使用されており、かつて駅が存在していたことを物語るかのように、一段低いところに設けられていた当時の線路(現在の遊歩道)に下りる階段には当時の枕木が流用されている。
現在は駅構内であった場所に、九州・東北に拠点を構えるスーパーマーケットのトライアル宇美店が存在している。
[編集] 歴史
[編集] 隣の駅
- 日本国有鉄道
- 勝田線
- 宇美駅 - 筑前勝田駅