駅名標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
駅名標(えきめいひょう)とは、鉄道駅のホーム等において、乗客案内のために設置された、当該の駅名を記した案内標識をいう。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 日本
基本的なフォーマットは、当該駅の名前が中央に大きく、路線を想起させる1本の横帯を施し、さらに左右に両隣の駅名が小さく書かれている。
その他、発車番線側から見て電車の進行方向が分かるような矢印や帯(進行方向がとがっている)を施していたり、当該駅の所在地(都道府県・市区町村名)が書かれているもの(JR東海の在来線、JR四国、東武鉄道など)もある。進む方向が同じでも途中で2通り以上のルートに分かれる場合、帯が枝分かれしているもの(下にある八戸駅、他に大崎駅など)もある。
形状は、柱に貼り付けるための縦長の長方形のもの、ホームの天井から吊り下げるもの、ホーム路面に設置する2本足の看板状のもの、等がある。昨今ではローマ字が漢字・ひらがなと一緒に併記されているものが主流である。また、小田急電鉄では一部の駅名標にハングルも併記している。
かつては殆どが木や琺瑯で作られていたが、現在では様々な素材が使われる。蛍光灯やネオン管を後ろに取り付け、光るようにしたものもある。近年では蛍光灯などを取り外した駅名標や反射板の駅名標に取り換えるなどといった駅も見られ、会社の経費削減が伺える。
一概に駅名標といっても種類はさまざま存在する。
国鉄時代の掲示標や駅案内標については「鉄道掲示基準規程」(現在は失効)に形式、大きさ、フォント(すみ丸ゴシック体)などが規定されてあった。また、北海道に多く存在した仮乗降場のそれは、地元の職員が手書きで作ったものが多く、標柱一本に駅名を書いただけの粗末なもので(下に時刻表が併設されていたり、隣駅表示が無いものもあった)、誤字脱字が日常茶飯事となっていた。
JR東日本やJR東海、首都圏の吊り下げ式の駅名標は東京駅・刈谷駅のような形のものが主流になっているのに対し、JR西日本やJR四国、それにJR九州や西日本の吊り下げ式駅名標は神戸駅のような形のものが大多数となる。
JR東日本や北海道ちほく高原鉄道(廃線)などでは、駅名標そのものに装飾を施して観光客へのアピールを行ったりしている。JR九州でも駅名標の多くで、両駅矢印の間に、その駅近辺の名所旧跡を紹介した小さなイラスト(例・久留米駅:つつじ、吉野ヶ里公園駅:物見やぐら etc.)を添えており、甘木鉄道や松浦鉄道など九州の第三セクター鉄道でもこれに倣った会社がある。
駅名標の当該駅名は、ひらがなを大きく書いて、漢字とローマ字を併記する会社(JR北海道、JR東日本の一部、JR東海の在来線、JR九州、東武、阪急など)と、漢字を大きく書いてひらがなとローマ字を併記する会社(JR東日本の新デザイン、JR西日本、JR四国など)に分かれる。
[編集] 駅名標の写真ギャラリー
標準的なもの
特徴的なもの
[編集] 台湾
台湾鉄路管理局の駅名標は、基本的なフォーマットは、当該駅の名前が中央に大きく、さらに左右の下に両隣の駅名及びキロメートルが小さく書かれている。
台鉄の今日の駅名標(大橋駅) |
日本統治時期の復刻公司寮駅駅名標(今・龍港駅) |
交通部台湾鉄路管理局の所属ではなく阿里山森林鉄道の駅名標、海抜もある。