糸賀一雄
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糸賀一雄(いとがかずお、1914年3月29日-1968年9月18日)は、日本の社会福祉の実践家である。その思想を自身が、語ったものとして『福祉の思想』(NHK出版)がある。
鳥取市立川町生まれ。母子家庭で育つ。鳥取県立鳥取第二中学校(現鳥取県立鳥取東高等学校)、京都帝国大学文学部哲学科を経て滋賀県庁入り。終戦の翌年、戦災孤児(養護児)と知的障害者のための施設「近江学園」を開設。「この子らを世の光に」という信念をもって福祉教育にあたった。
日本の障害者福祉を切り開いた第一人者として知られている。昭和43年(1968年)9月17日、滋賀県大津市での県新入職員のための講演中に持病の心臓発作で倒れた。葬儀は滋賀県葬でいとなまれ、天皇から祭祀料が供えられるなど盛大なものであった。伝記として、高谷清『異質の光-糸賀一雄の魂と思想-』大月書店などがある。
[編集] 著書
- 『この子らを世の光に―近江学園二十年の願い』柏樹社 1965年/NHK出版 2003年
- 『福祉の思想』NHK出版 1967年
糸賀一雄著作集(全3巻)が、1982-83年にNHK出版から刊行されている。
[編集] 関連文献
- 野上 芳彦、一番ヶ瀬 康子、津曲 裕次編『糸賀一雄』大空社 1998年
- 京極高宣『この子らを世の光に―糸賀一雄の思想と生涯』NHK出版 2001年
- 高谷清『異質の光―糸賀一雄の魂と思想』大月書店 2005年