純情ロマンチカ
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純情ロマンチカ (じゅんじょうロマンチカ)は中村春菊による漫画作品。
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[編集] 概要
隔月刊雑誌「CIEL Tres Tres」「CIEL」(角川書店)にて2002年より連載中。
大学生・高橋美咲と有名小説家(兼ボーイズラブ作家)・宇佐見秋彦が主役の表題作「純情ロマンチカ」、 美咲が通うM大文学部助教授・上條弘樹と研修医・草間野分が主役の「純情エゴイスト」、 M大文学部教授・宮城庸と高校生・高槻忍が主役の「純情テロリスト」と、それぞれ主役が異なる3つの物語が一部リンクしあいながら同時に進行している。
現在単行本は8巻まで刊行され、シリーズ累計200万部突破と、ボーイズラブ漫画としては異例の売り上げを見せている。
また、純情ロマンチカの登場人物である宇佐見秋彦が、秋川弥生という別ペンネームで自分と周囲の人間をモデルにして書いたとされる妄想小説「純愛ロマンチカ」「純愛エゴイスト」シリーズが藤崎都著(原案&挿絵・中村春菊)で角川ルビー文庫より刊行中。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 登場人物
[編集] 純情ロマンチカ
- 高橋美咲(たかはし みさき) (声優:櫻井孝宏)
- 「ロマンチカ」編の主人公。19歳。高校3年の秋、大学受験の為に兄・孝浩から家庭教師として紹介された宇佐見と出会う。お互い第一印象は最悪で、孝浩に想いを寄せ、あまつさえ孝浩と自分自身をモデルにしたボーイズラブ小説を執筆している宇佐見に当初は嫌悪感を抱くが、真剣に兄を想う宇佐見の内面に触れるにつれ段々と惹かれていく。第一志望のM大経済学部に補欠合格すると同時に兄夫婦の急な転勤が決まり、宇佐見のマンションに居候することになる。両親を事故で亡くしてから孝浩と二人支え合って生きてきた為、家事全般が大得意。居候の間借り賃としてマンションでの家事の一切を引き受けている。宇佐見の「秋川弥生」としての新作である「純愛ロマンチカ」作中で繰り広げられる「藤堂秋彦」と「鈴木美咲」の濃厚なラブシーンには頭を抱えており、うっかり新作の原稿を読んでしまっては額に青筋を立てている。また、度々突拍子もない行動を起こす宇佐見に振り回されたりツッコミを入れたりと気苦労が絶えない。その宇佐見とは相思相愛の仲でありながらも、なかなか気持ちを認めたがらなかったが、ようやく自分に正直になりその気持ちを真正面から伝えるに至った。基本的に単純で意地っ張りな性格だが、人に気を遣いすぎるあまり本音を言えない部分がある。
- 最近では宇佐見一族の人間と接触する度に、何故か須らく好意を寄せられるようになるという実に難儀なジンクスが芽生えかけている。
- 宇佐見秋彦(うさみ あきひこ) (声優:花田光)
- 「ロマンチカ」編の準主人公。29歳。高橋兄弟からは「ウサギ(さん)」という愛称で呼ばれる。旧財閥宇佐見グループの次男にしてT大法学部をストレート合格&首席卒業、更には直森賞(恐らく直木賞のもじり)最年少受賞作家という、美咲曰く「ベタ」な経歴を持つ大先生。後述の上條弘樹とは幼馴染同士。高校の同級生だった美咲の兄・孝浩に想いを寄せながらも、今の関係を壊さず『友人』のままでいたいと思った為に結局自分の気持ちを伝えることはなく、孝浩の婚約をきっかけに自らの想いに決着を着けた。現在は美咲一筋と公言して憚らないものの、その常識から激しく逸脱したアプローチの数々は美咲を困惑させ、関係は仲々進展しなかった。趣味と実益と妄想を兼ねて「秋川弥生」なるペンネームで孝浩と自分をモデルにしたBL小説を書いていたが、現在は美咲をモデルにした(性格は殆ど別物)「純愛ロマンチカ」を執筆している。最近は上條に惚気られた当てつけとして、野分と上條がモデルの新シリーズ「純愛エゴイスト」も書き始めた。本人曰く「一般中流層家庭」に憧れているらしく、普通の子供が当たり前にしてきたことを再現しようとした結果、その寝室は様々なオモチャで埋め尽くされており、その中でもテディベアの「鈴木さん」がお気に入りらしい。生活能力は皆無に等しく、その最たるものは1巻で作った宇佐見先生のフワフワオムレツスペシャルDX等が挙げられる。少年時代は現在とのギャップを美咲に哀れまれるほどの天使のような愛らしさで、当時の写真が井坂経由で身内(主に相川など)に出回っている。コミックスカバー裏で展開中の美咲と出会う以前の宇佐見と孝浩を中心にした4コマ漫画においては、孝浩からまだ見ぬ美咲(当時小学生)の珍プレーを聞かされては心の中でツッコミを入れているという、本編からは考えられない一面を見せて大活躍(?)している。
- 宇佐見春彦(うさみ はるひこ) (声優:鳥海浩輔)
- 宇佐見の異母兄。宇佐見とは仲が悪く、家を出て小説家という職業に就いた彼を快く思っていないが、それは妾腹という立場から常に自らの欲求を押さえつけてきた自分と比して、自由奔放に生き方を貫いている宇佐見へのコンプレックスの裏返しでもあった。電車の乗り方が分からなかった所を美咲に助けられ、それをきっかけに美咲が宇佐見の同居人であることを知り、彼に興味を持つようになる。美咲に「君が好きだ」と告白をしたり、彼宛に花や苺やサクランボを大量に送りつけたりと謎の行動を取る。昔は建築関係の仕事に就きたいと思っていたが、立場上断念せざるを得なかった。
- 井坂龍一郎(いさか りゅういちろう) (声優:森川智之)
- 丸川書店の専務取締役。春彦の幼馴染。そのため宇佐見とも昔からの知り合いである。仕事上では有能な人物だが人間性に問題ありで、商売のためなら強引な手段も厭わない。またどんな人間も巧みに丸め込む特技を持つため、「落としの井坂」と呼ばれている。
- 高橋孝浩(たかはし たかひろ) (声優:谷山紀章)
- 美咲の兄。両親の死後、大学進学を諦め、働きながら一人で美咲を育ててきた。そのため美咲には親馬鹿な面が強く見られ、美咲は半ば呆れることがしばしば。高校時代からの親友である宇佐見に長年想いを寄せられていたが、天然な性格のためか結局最後まで彼の想いに気づくことはなかった。現在妻の真奈美と新婚生活を送っている。本編での出番は少ないが、毎巻コミックスのカバー裏に描かれているオマケ漫画では、美咲に出会う前の宇佐見と共に弟のことを話題にしたある種のコントを繰り広げている。
- 角圭一(すみ けいいち) (声優:千葉一伸)
- M大に通う美咲の一つ上の先輩。作家・角遼一の息子であることが後に判明。入学してきた美咲と親しくなり、宇佐見に要注意人物として目をつけられるが、彼の本当の狙いは宇佐見だった。しかしそのことが判明した後も、一応ライバルな筈の美咲との付き合いは不思議と続いている。
- 相川絵理(あいかわ えり) (声優:並木のり子)
- 丸川書店に務める編集者で宇佐見の担当。かなりの美人だがサバサバした男前な性格で、宇佐見が締め切りを破ろうとすれば容赦しない。ボーイズラブをこよなく愛す。
- 朝比奈(あさひな) (声優:置鮎龍太郎)
- 井坂の秘書兼お目付け役。暴走した井坂を牽制する。
- 宇佐見薫子(うさみ かおるこ)
- 宇佐見兄弟の従妹で、日本人形を思わせる美貌の勝気な少女。19歳。春彦との婚約を強要され、秋彦に助けを求めてマンションへ押しかけてくる。自分の存在を操り人形のように扱う周囲に対して憤りを覚えている。パティシエになりたいという夢を美咲に打ち明けた際に心からの応援を受けて、美咲に好意を寄せるようになる。一応美咲に惚れた初の『女の子』なのだが、美咲本人にとっては少し嬉しい反面『いい加減宇佐見一族以外からモテたい』という気持ちの方が強いようである。
- 宇佐見冬彦(うさみ ふゆひこ) (声優:小杉十郎太)
- 宇佐見兄弟の父にして、宇佐見グループ現総帥。春彦と全く同じシチュエーションで美咲と出会う。彼もまた宇佐見一族としての例に漏れず美咲には好感を抱いているらしく、春彦のような熱烈なアプローチではないもののプレゼントを贈ったりもしている。しかし、一方で確実に息子達へ変化を及ぼしている美咲の存在を、やや危ぶんでいるような節も見受けられる。
[編集] 純情エゴイスト
- 上條弘樹(かみじょう ひろき) (声優:伊藤健太郎)
- 「エゴイスト」編の主人公。29歳。ロマンチカから遡ること6年前、幼馴染である宇佐見秋彦に長年片想いしていたが、出会って間もなく唐突に家庭教師を頼んできた野分から猛烈なアプローチを受け、宇佐見への想いを断ち切り恋人同士となる。現在は2LDKのマンションで野分と同居中で、美咲の通うM大文学部の助教授となっている。30代手前にも関わらず童顔な為学生と間違えられることが多いらしく、なけなしの努力で髪をオールバックにしたりすることもあるが、宇佐見をして「つくづく似合わない」と言わしめる出来映え。生徒の間では「鬼の上條」と恐れられている存在。野分に出会う前、まだ宇佐見に片想いしていた頃は行きずりの相手と一晩だけの関係を持つことが多かった。子供の頃は書道に塾にピアノ、更には水泳に剣道と習い事を幾つも掛け持ちしていて、その頑固な性格から途中で投げ出すことも出来ず結局貫徹したというエピソードがある。
「ロマンチカ」編の美咲とは実はM大の先生と生徒という立場で会っている。(本人たちは全然知らないらしい…)
- 草間野分(くさま のわき) (声優:神奈延年)
- 「エゴイスト」編の準主人公。25歳。児童擁護施設「草間園」出身で、台風の日に施設の前に捨てられていたことから野分と名づけられた。妙なカリスマでもあるのか、何故か中年サラリーマン(しかも揃いも揃って大企業の社長)達に気に入られている。6年前に上條に一目惚れしたことから、大検受験を名目に強引に家庭教師を頼み込み、猛アタックの末結ばれる。当初は福祉関係の大学へ行こうと考えていたが、上條と釣り合う男になりたいという思いにより国立医大へ進学、1年間のアメリカ留学を経て現在はK大学付属病院の研修医となっている。普段は寡黙で計り知れないところもあるが、自分の気持ちをストレートに口に出来るその朴直さで上條を度々赤面させている。かつての上條の想い人であった宇佐見に対し、密かにコンプレックスを抱える。
- 篠田(しのた) (声優:大川透)
- 上條がまだ大学生だった頃に知り合い一夜を共にする。不動産会社社員。現在は結婚し子供もいる。
[編集] 純情テロリスト
- 宮城庸(みやぎ よう) (声優:井上和彦)
- 「エゴイスト」編では脇役として登場した「テロリスト」編の主人公。35歳。文学に関しては豊富な知識を持ち、若くしてM大文学部の教授になった。学部長の娘である高槻理沙子と結婚するが、理沙子が浮気をして家を出たため別居、結果離婚する。宮城自身、高校時代の恩師である今は亡き「先生」への想いが捨てられずにいた。オーストラリアから帰国した忍に告白をされるも、男同士、年の差、元義弟、彼が学部長の息子である等問題が山積みであった為、当初は全く相手にしていなかった。しかし不器用ながらも必死に想いをぶつけてくる忍にいつしか本気になっていく。
- 高槻忍(たかつき しのぶ) (声優:岸尾大輔)
- 「テロリスト」編の準主人公。18歳の高校生。3年前、図書館で良く見かけていた宮城に不良に絡まれていたところを救われ運命を感じるも、直後に彼が自分の姉・理沙子の婚約者であることを知り失恋。その後はオーストラリアに留学をしていたが、宮城と理沙子が離婚したのを機に帰国。それからは宮城を呼び出しいきなり告白をするなど、テロリストのごとく強引に迫っていく。顔も頭も良く女生徒にはモテる。口が悪く生意気な性格だが、中身はまだ子供で初々しい一面も。宮城と結ばれてからは彼のマンションの隣室へと引っ越す。その後T大法学部に現役合格。
- 高槻理沙子(たかつき りさこ) (声優:浅野まゆみ)
- 宮城の元妻で忍の姉。M大文学部学部長の娘で、父を通し宮城と知り合い結婚をするが、宮城の関心が自分に向いていないことを知り他の男の元へと去った。
- 先生(声優:増田ゆき)
- 宮城の高校時代の担任だった女性教師。反抗してくる宮城に手を焼いていた。病気で亡くなる。
[編集] タイトル一覧
[編集] 漫画
- 純情ロマンチカ 1巻 ISBN 4048536060
- 純情ロマンチカ 2巻 ISBN 4048537024
- 純情ロマンチカ 3巻 ISBN 4048537482
- 純情ロマンチカ 4巻 ISBN 4048537784
- 純情ロマンチカ 5巻 ISBN 4048538489
- 純情ロマンチカ 6巻 ISBN 4048539078
- 純情ロマンチカ 7巻 ISBN 4048539531
- 純情ロマンチカ 8巻 ISBN 4048540726
- 純情ミニマム(ドラマCD付き)ISBN 4048538764
[編集] 小説
- 純愛ロマンチカ 1巻 ISBN 4044455139
- 純愛ロマンチカ 2巻 ISBN 4044455163
- 純愛ロマンチカ 3巻 ISBN 4044455201
- 純愛ロマンチカ 4巻 ISBN 4044455260
- 純愛ロマンチカ 5巻 ISBN 4044455295
- 純愛エゴイスト 1巻 ISBN 4044455244
- 純愛エゴイスト 2巻 ISBN 4044455252
[編集] ドラマCD
いずれもムービックより発売中。
- 純情ロマンチカ 1
- 純情ロマンチカ 2
- 純情ロマンチカ 3
- 純情ロマンチカ 4
- 純情ロマンチカ 5
- 純情ロマンチカ 6
- 純情エゴイスト
- 純情テロリスト 1
- 純情テロリスト 2
- 純愛ロマンチカ 1
- 純愛ロマンチカ 2
- 純愛エゴイスト
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