ペンネーム
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ペンネーム(Pen name)とは、文芸作品などを書き上げた人物が、作者として自らの本名以外を名乗ったときの名のことである。日本語では筆名。
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[編集] ペンネームの目的
ペンネームを使う主な目的には、作者の正体を隠すため、というのが挙げられる。歴史的には、時の権力者から見て好ましくないこと、あるいはその当時の公序良俗に反することを書くようなときに、その正体を知られないようにし、世間の批判にさらされないようにするためという使われ方があった。この場合のペンネームは匿名に近いものだと言える(ヴィリー・ブラント・西ドイツ首相の例が有名)。
一方、有名人がペンネームを使う場合には、作者自身があまりに有名であるために、作品を作者から切り離して評価してもらうためにペンネームを用いる、というケースもある。オリンピックの芸術競技にクーベルタン男爵が参加したときのペンネームなどがこれに当たる。
近年に入り、作品と作者がともに商品として消費されやすくなった現在では、本名よりも「売れる」作品にするための総合的なプロモーションの一環に位置づけられることも多い。
[編集] ペンネームの別名
ペンネームが日本語では筆名であることは冒頭で述べたが、それ以外にも、特定の分野においてはペンネームのことを別の名前で呼ぶことがある。
- 雅号
- 一般に日本の古典芸能に関して用いる。
- 俳号
- 俳句の世界で用いる。
- ラジオネーム
- ラジオ番組の投稿者が用いる。
- 屋号
- 役者が使う。歌舞伎役者を指すことが多い。商店の家族が使う場合も屋号という
- 亭号
- 落語家が用いる。
- 芸名
- 歌手・俳優(女優も含む)・芸人などといったタレントが使う。
- 四股名(しこな)
- 力士が使う。
- ハンドル
- アメリカのCB無線に由来し、パソコン通信やインターネットにおけるコミュニティにおいて用いられる。しばしばハンドルネームと誤称される。
- 擬人名称
- 作家集団や企業など「特定の個人」ではない団体が著作権管理などの目的で便宜的に個人として振舞うために用いられる名義のこと。「東堂いづみ」や「八手三郎」「矢立肇」などが有名。
- 源氏名
- 遊女が好んで源氏物語五十四帖の名を名乗ったことから転じて、現在は主に水商売の女性に使われる。
[編集] 余談
NHKのテレビ番組「天才てれびくんMAX」では、番組ホームページの投稿フォームに「「○○君大好き」という名前は非常に多いので使わないでください」という注意書きが書かれていたが、現在は本名のみとなっている。