航空障害灯
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航空障害灯(こうくうしょうがいとう)は、夜間に航空機に対して煙突や鉄塔などの存在を示すために使用される赤色の電灯。
日本国内において、航空法により地上より高さ60メートルを超える建造物には航空障害灯の設置が義務付けられている(超高層ビル参照)。さらに、骨組構造の建造物や細長い煙突には昼間障害標識(赤白の塗装)の設置を義務付けられているものがある。また、超高層ビルが密集している地域の場合、60m以上でも一部のビルには障害灯を設置しなくてもよい場合がある。
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[編集] 航空障害灯の種類
航空障害灯には低光度、中光度、白色の物などいくつかの種類がある。ただし、高光度の赤色障害灯は存在しない。
[編集] 低光度赤色航空障害灯
高さ60m以上の建造物に設置される。明滅はしない。[1]10cd、32cd、100cdなどの明るさの物がある。建設用クレーンに点いているのはこの種類の航空障害灯である。
150m未満の高層ビルの場合、四隅に100cdの赤色航空障害灯の設置が必要である。(代わりに中光度の障害灯を設置することもできる) 煙突・アンテナの場合、最上部より52.5m毎ずつ下の位置に低光度の障害灯を設置する。(中光度の障害灯と交互に設置する)150m以上の超高層ビルの場合も同様であるが、高さ97.5m未満の位置より下には設置しない。
[編集] 中光度赤色航空障害灯
低光度のものを縦に二つ重ねたような形をしている。明るさは多くの物が1600cdであり明滅する。90m以上の煙突・鉄塔の最上部に設置が義務付けられていて、さらに高さ210m以上になると、最上部と最上部より105m下の位置に中光度の障害灯を設置する。
150m以上の超高層ビルについては、最上部の四隅のうち2箇所に、対になるように設置することが義務付けられている。残りの2箇所には100cdの低光度赤色航空障害灯を設置する。
[編集] 白色航空障害灯
ストロボのように閃光を発する航空障害灯である。中光度と高光度の物があり、60m以上の煙突・鉄塔で昼間障害標識を設置しない場合に中光度の白色航空障害灯の設置が義務付けられている。150m以上の煙突・鉄塔には高光度の白色航空障害灯が設置を義務付けられている。超高層ビルには白色航空障害灯は設置しない。
[編集] 航空障害灯の設置される例
[編集] 煙突・鉄塔・骨組構造
赤色航空障害灯が設置される場合もあれば、閃光を発する白色航空障害灯が設置されている場合もある。
- 工場などの煙突
- 送電線の鉄塔
- 電波塔(東京タワーなど)
- 大型の風力発電機
[編集] 高層ビル
ビルの場合、赤色以外の航空障害灯は設置されない。