芝山古墳群
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芝山古墳群(しばやまこふんぐん)は、千葉県山武郡横芝光町にある古墳群。名称は芝山古墳群であるが芝山町にではなく横芝光町にある。
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[編集] 概要
台地上にある古墳群で、殿塚および姫塚の2基の前方後円墳を中心として15基の円墳が群在している。1956年(昭和31年)に早稲田大学による殿塚および姫塚の発掘調査が行われ、全国的にも珍しい「葬列はにわ」がほぼ完全な形で出土し、それまで不明であった形象埴輪の配列の意味を知ることのできる最初の発見であった。
殿塚は前方部を西に向けた全長88mの前方後円墳で、堀と外堤の二重の周溝に囲まれている。形象埴輪は北側に集中しており、牛などの動物埴輪を先頭に、馬子と馬、人物埴輪、器財埴輪、家形埴輪の順に並んでいた。主体部は後円部南側にあり内部は朱が塗られ、勾玉等の玉類・金環・頭椎大刀・鉄鏃・鉄製刀子・銅鋺等があった。
姫塚は、殿塚の北に30mほど離れて隣接する全長58.5mの前方後円墳で、殿塚より一まわり小さく堀は一重、前方部の方が高く幅も広い。姫塚では馬子を先頭に形象埴輪が行列のまま倒れているのが発掘された。第1群は笠をかぶった馬子、鞍を着けた馬、武人、第2群は男子像16体、第3群は女子像7体、第4群は男子像10体となっていた。この中にはあごひげを伸ばした武人、くわを持った農夫、琴を膝に置く男の埴輪などもあった。前方部には横穴式石室があり、勾玉等の玉類・金環・金銅装大刀・鉄製刀身・鉄鏃・金銅製飾金具等が発見された。
その他の周辺の円墳はいずれも基底径20m前後を有するもので保存状態も良い。
[編集] 文化財
古墳群そのものは、1958年(昭和33年)6月28日に国の史跡に指定された。
芝山古墳群(殿塚・姫塚)出土埴輪は、1971年(昭和46年)3月26日に千葉県の有形文化財(考古資料)に指定され、芝山町の観音教寺が所有し「芝山古墳・はにわ博物館」に展示されている。なお「芝山古墳・はにわ博物館」には、山武市などの古墳からの出土品も展示されている。
[編集] 周辺
芝山古墳群のある横芝光町の隣の山武市にも、千葉県指定史跡の山室姫塚古墳や大堤権現塚古墳など多数の古墳がある。また南側には、中台貝塚、鴻ノ巣貝塚、牛熊貝塚、山武姥山貝塚などの貝塚があり、縄文時代の丸木舟が多数発見されていることで知られた水系である栗山川と、そのラグーンであったと推定される坂田池がある。
[編集] 所在地
千葉県山武郡横芝光町中台 1462,1440 他