花神
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- 花神(かしん)は、道教などで野山に花をもたらすの神のこと。花咲か爺と訳される場合もある。
- 花神(かしん)は司馬遼太郎の歴史小説。本項で詳述。
- 花神(かしん)はNHKが1977年(昭和52年)1月から同年12月にかけて総合テレビジョンを中心に放送した、上記、および同じく司馬遼太郎作の「世に棲む日日」「十一番目の志士」「峠」を原作とする大河ドラマ。
[編集] 花神(小説)
1969年(昭和44年)10月1日から1971年(昭和46年)11月6日まで633回にわたり朝日新聞夕刊に連載。1972年(昭和47年)5月に新潮社から初版刊行。昭和51年8月に新潮社から文庫版刊行。文庫版で上中下三巻となる長編で大村益次郎の生涯を描く。
周防国吉敷郡(今の山口県山口市)の村医者であった村田蔵六(旧名)は、緒方洪庵の適塾で蘭学の修養を積み、その才能を買われて宇和島藩、徳川幕府、そして郷里の長州藩へと取り立てられてゆく。攘夷を叫んで四ヶ国連合艦と対峙し、蛤御門の変にも敗れて徳川幕府軍にも攻め立てられた長州藩にあって軍務大臣に抜擢された蔵六は、百姓兵たちに新式銃を持たせて幕府軍を撃滅し、明治維新に重大な転換点をもたらす。新政府の兵部大輔にして倒幕軍総司令官となって明治維新を一挙に完成に導き、その直後に非業の死を遂げるまでを、維新史の表舞台にいた人々の群像を織り交ぜて描く。