螢雪時代
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螢雪時代(けいせつじだい)は、旺文社から刊行されている大学受験生向けの月刊雑誌。
そもそもは旺文社の学年別学習雑誌として発行された雑誌である。中学一年生から高校二年生までは、それぞれ『中一時代』~『高二時代』と学年名と対応していたが、高校三年生だけは大学受験を控えた世代という事で『螢雪時代』となった経緯がある。螢雪という名称は、中国の故事である「螢雪の功」(夏は螢の光で冬は雪明かりで勉強する、転じて苦労して勉学に励む事)から取られた。
発刊は1931年で、日本で最も古くから存在する定期刊行されている大学受験雑誌であり、又、現在では日本唯一の定期刊行大学受験専門誌である。現在でも大学受験産業および高等学校の進路指導において権威を持っており、『サンデー毎日』の大学受験特集とともに大学受験に関する歴史を調査においては欠かせない資料となっている。
1970年代頃までは全国規模の予備校などはなく、東京や大阪といった大都市圏に両国予備校や研数学館といったローカル予備校が存在しているだけであったため、螢雪時代は地方に住む大学受験生の受験勉強に欠かせない雑誌であった。現在では大学受験の併願対策や心構え、合格後の大学生活に関するアドバイスなど受験指導そのものよりも生活面などでのサポートが誌面の多くを占めている。
かつて文化放送他で放送されていた大学受験ラジオ講座は一時期「旺文社蛍雪時代 大学受験ラジオ講座」という名称で放送されていた事もあった。
「WKMARCH」「日東専駒」「JAR」「大東亜帝国」などのユニークな大学受験コピーを受験生に贈ったのは、いずれも螢雪時代であった。