表面張力
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表面張力(ひょうめんちょうりょく)は、表面を出来るだけ小さくしようとする傾向を持つ液体の性質のことで、界面張力の一種である。
分子間力(液体の分子間に作用する力)により、分子がお互いを引き合って凝縮しようとする。その結果、液体は表面積が少ない球形になろうとする。水滴やシャボン玉が丸くなるのも、この原理によるものであると言える。
液体内の分子は周りから引力で引かれているのに対して、表面上にある分子は液体に触れていない部分だけ、液体分子の引力の影響を受けていない。その分だけ、表面上にある分子は余ったエネルギーを持つことになり、これが表面張力の強さとなる。水銀は特にこの値が高く、水も多くの液体よりも高い部類に入る。単位は dyn/cm 、または、mN/mを用い、その長さ当りの力を表す。そしてこの値は、その面積当りの表面自由エネルギー(mJ/m2)と等しい。
表面張力は、温度が上がれば低くなる。これは温度が上がることで、分子の運動が活発となるためである。また、不純物によっても影響を受ける。界面活性剤などの表面を活性化させる物質によって、極端に表面張力を減らすことも可能である。
液体 | 表面張力 |
単位 mN/m | |
アセトン | 23.30 |
ベンゼン | 28.90 |
エタノール | 22.55 |
n-ヘキサン | 18.40 |
メタノール | 22.60 |
n-ペンタン | 16.00 |
水銀 | 476.00 |
水 | 72.75 |
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