ジュール
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ジュール(joule) | |
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記号 | J |
系 | 国際単位系(組立単位) |
量 | エネルギー・仕事・熱量・電力量 |
定義 | 1 Nの力が力の方向に物体を1 m動かすときの仕事 |
SI | {{{SI}}} |
ジュール(joule, 記号:J)は、SIにおけるエネルギー、仕事、熱量、電力量の単位である。その名前はジェームズ・プレスコット・ジュールに因む。
1ジュールは以下のように定義できる。
SIや日本の計量単位令では、1つ目に掲げた定義を用いて、「1ニュートンの力が力の方向に物体を1メートル動かすときの仕事」と定義している。1ジュールは、地球上でおよそ102グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を1メートル持ち上げる時の仕事に相当する。1ジュールは1ニュートンの力がその方向に物体を1メートル動かすときの仕事であるので、ジュールは「ニュートンメートル」(N·m)と書き表すこともできる。しかし、同じ単位が力のモーメント(これはエネルギーではない)にも用いられており、仕事やエネルギーの単位として「ニュートンメートル」を使用すると混乱を招く虞がある。
1ジュールは、1ボルトの電位差の中で1クーロンの電荷を動かすのに必要な仕事とも定義できる。これが2つ目に掲げた定義である。
1ジュールは、1ワットの仕事率を1秒間行ったときの仕事とも定義できる。これが3つ目の定義である。電力関係では、ワット秒の3 600 000 (= 60×60×1000)倍のキロワット時がよく用いられる。日本の計量法ではジュールとともにワット秒、ワット時の使用が認められている。
1ジュールは以下と等しい。
- 1 N·m(ニュートン・メートル)
- 1 C·V(クーロン・ボルト)
- 1 W·s(ワット秒)
- 約2.78 × 10-7 kW·h(キロワット時)
- 約0.238 9 cal(カロリー)
- 約0.000 948 BTU(英国熱量単位)
- 107 erg(エルグ)
- 0.102 0 重量キログラム・メートル
- 約0.738 ft·lbf(フィート・重量ポンド)
- 約23.7 ft·pdl(フィート・パウンダル)
- 0.624×1019 eV(電子ボルト)
- 1.113×10-16 kg(キログラム) - 相対論的エネルギー
[編集] キロジュール
1キロジュール(記号:kJ)は、1 000ジュールに等しいエネルギーの単位である。
- 1 kJの仕事は、1キロワットの装置が1秒間にする仕事である。
- 1 kJの熱量で、0℃、3 gの氷を溶かすことができる。
- 地球上で100 kgの物体を1 m(または1 kgの物体を100 m)持ち上げたときの仕事は、約1 kJである。
- 1 kJは、5/18ワット時(約0.2778ワット時)に等しい。
[編集] メガジュール
1メガジュール(記号:MJ)は、106ジュールに等しいエネルギーの単位である。
- 1 MJの仕事は、1 kWの装置が16分40秒間(1 000秒)にする仕事である。
- 1 MJの熱量で、0℃、3 kgの氷を溶かすことができる。
- 1 MJは、5/18キロワット時(約0.277 8キロワット時)に等しい。
- 1 MJは、オレンジジュース約0.5リットルの栄養価に等しい。
[編集] 関連項目
ジュール | キロワット時 | 電子ボルト | 重量キログラムメートル | カロリー | |
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1 J | = 1 kg·m²/s² | ~=0.278×10−6 | ~=6.241×1018 | ~=0.102 | ~=0.239 |
1 kWh | = 3.6×106 | = 1 | ~=22.5×1024 | ~=0.367×106 | ~=0.860×106 |
1 eV | ~=0.1602×10−18 | ~=44.5×10−27 | = 1 | ~=16.3×10−21 | ~=38.3×10−21 |
1 kgf·m | = 9.80665 | ~=2.72×10−6 | ~=0.613×1018 | = 1 | ~=2.34 |
1 calIT | = 4.1868 | ~=1.163×10−6 | ~=0.261×1020 | ~=0.427 | = 1 |