裸の銃を持つ男
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『裸の銃を持つ男』(はだかのガンをもつおとこ、The Naked Gun)は1988年、1991年及び1994年にアメリカ合衆国で制作された次の3つのコメディ映画のシリーズ名である。
- 『裸の銃(ガン)を持つ男』(原題:The Naked Gun: From the Files of Police Squad!, 1988年)
- 『裸の銃(ガン)を持つ男 2 1/2』(原題:The Naked Gun 2 1/2: The Smell of Fear, 1991年)
- 『裸の銃(ガン)を持つ男 33 1/3 最後の侮辱』(原題:The Naked Gun 33 1/3: The Final Insult, 1994年)
3つの作品は、いずれもレスリー・ニールセン(Leslie Nielsen, 1926年2月11日 - )の演ずる無鉄砲でへまやしくじりをものともしない猪突猛進型の警部補フランク・ドレビン (Frank Drebin) の奮闘振りを時系列的に描いたものである。
共演にプリシラ・プレスリー(Priscilla Presley, 1945年5月24日 - 、エルビス・プレスリーの元妻)、ジョージ・ケネディ(George Kennedy, 1925年2月18日 - 、1968年アカデミー助演賞受賞)、O・J・シンプソン(O.J. Simpson, 1947年7月9日 - 、元フットボール選手)らがいる。
このシリーズは1982年からアメリカ合衆国で放映されたテレビシリーズ『Police Squad!』でニールセンが演じたキャラクターを元にして制作されたとされる。『Police Squad!』及び本映画シリーズの制作陣には、ジェリー・ザッカー (Jerry Zucker)、ジム・エイブラハムズ (Jim Abrahams)、デビッド・ザッカー (David Zucker)及びパット・プロフト (Pat Proft) らがいる。
シリーズの特徴として、次の点が挙げられる。
- どたばた喜劇として極めてテンポが速く、アイディアが奇抜であり、視覚的にも台詞回しの点においてもギャグ、冗談、駄洒落が随所にちりばめられている点
- 3つのシリーズとも話の筋書きそのものは、既成の刑事映画のありふれたパロディであり、登場人物や場面設定なども紋切り型である点
- 多くの他の映画をパロディ化するとともに、制作当時に起こった事件やその当時のポップ・カルチャーなどを織り込んでいる点
- 列国首脳のソックリさんが多数出演し、初作品ではアミン・アラファト・カダフィ・ホメイニ・ゴルバチョフ・プーチン・エリザベス女王のソックリさんが出演。2 1/2ではジョージ・ブッシュ夫妻のソックリさんが出演している。
[編集] エピソード
- オープニングの赤色燈が、あちこちに入っていくシーンは、台車に赤色燈を乗せて撮影したら、意外と面白かった理由で始まった。
- 字幕版と吹き替え版では、吹き替え版のほうがブラックジョークや、オヤジギャグが満載。ベイルートでのゴルバチョフの意見が吹き替え版では「アメリカ人の舌の上に、イカの刺身をストローで乗せて、これがホントのベロストロイカだ」と言ったり、ノードバーグが入院した時にドレビンが、ノードバーグ夫人に「犯人は必ず逮捕してみせます。ご主人の告別式までにはね」etc.
- ロサンゼルス市役所における市長の講演時に、ドレビンのマイクのスイッチが入ったままの状態で、ドレビンがトイレに入り、小便をしている時の音が流れるシーンは、製作者自身が友人の結婚式の時に、自らやらかした失敗談が元になっている。
- エンゼルスの対戦チームがマリナーズ選ばれた理由は、マリナーズの人気がなかったから。製作者側はギャラを払うどころか、マリナーズ側からシーズン入場券を贈られたほど。
- 野球場の観客には子供が全く見当たらない。理由は「統制を乱すから」と言う理由から。