身体改造
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身体改造(しんたいかいぞう、Body Modification)は、文化的背景や習慣、ファッションとして身体の形状を変更すること。類義語には人体改造や肉体改造などがある。
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[編集] 概要
これらでは、自らの肉体を意図的に変形ないし切削する事で装飾する。この様式の成立は古く、石器時代にも遡るとされ、古いものでは意識的に付けられた傷(瘢痕)もこの部類に挙げられる。民族学の分野では「身体変工」と呼ばれ、宗教(シャーマニズム)的なものから純粋に美意識に基く装飾まで、様々な様式が見られる。
なお「肉体改造」と表現する場合には、特にボディビルなどのエクササイズを指すこともある。これらでは、肉体を構築(ビルド)する事を目的に、運動やトレーニング、サプリメントの服用などといった行為を行い、近年ではそれらが医学的に研究されたスポーツ医学の分野で、科学的に肉体(筋肉など)を構築する技術が発展している。しかし多くの場合、身体の形状を変更したうえで自然な形に見せる美容整形と区別される。
これらでは人工的に肉体を変形させる事で、所定の美意識に沿った物とする事や、または他人との違いを顕在化させることを目的とし、伝統的なものでは極端に変形させる努力をはらって形を変えた肉体ほど、美しいとされたり社会的地位の獲得に役立った文化もある。
このような文化は比較的広い範囲・様々な時代で数多くの事例が存在しており、極端な物では肉体の持つ機能を損なう物まで見られ、それらでは他の文化圏から「未開で野蛮な行為」だとされたり、また幼少期から時間をかけて変形させる物では「野蛮で残酷な習慣」と見なされ、差別の理由に挙げるケースまで見られた。
[編集] 主な様式
これらでは、手法が完成された物や、ある文化圏で習慣的に行われているもの等、様々な様式が見られる。
[編集] 伝統的なもの
- 纏足
- 宦官
- 頭骨変形
- マヤ文明では乳幼児の頭蓋骨を板ではさんで変形させ、縦に伸ばす行為が流行していた。
- 肉体穿孔
- 現代のピアスにも通じるが、文化圏によってはこの穴を徐々に広げて、肉体の一部を輪状(紐状とも)にしてしまうものもある。
- 瘢痕模様
- 傷を意図的に化膿させて盛り上がらせ、これを緻密な模様にしていく文化もある。
- 割礼
- 女性器切除
- コルセット
- 長期間の使用は、肋骨や内臓を変形させることがある。
- 靴
- あまり意識されていないが、靴の使用は足の変形をともなう。女性用の靴に著しい。
[編集] 現代・先進国社会でも見られる伝統的背景を持たない手法
- 刺青(タトゥー)
- ピアス、ボディピアス
- インプラント
- ビーズや金属などの埋め込み
- 焼き印、スカリフィケーション
- 生理食塩水の皮下注入による身体変形
- こぶの形成や皮膚の一部を伸ばす事で垂れ下がらせる。
- 頭部穿孔
- スプリットタン
- 舌に切れ目を入れ、蛇のような二股にする。小説『蛇にピアス』で有名になった。
- 切除
- 指や腕などを自らの意思で切り落とす・通常は外部に露出しない部分を切開して開放状態のままにする行為も見られる(男性生殖器の尿道など)。
- 性器切除