通過儀礼
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通過儀礼(つうかぎれい)とは、出生、成人、結婚、死などの人間が成長していく過程で、次なる段階の期間に新しい意味を付与する儀礼。人生儀礼ともいう。イニシエーションの訳語としてあてられることが多い。通過儀礼を広義に取り、人生儀礼を下位概念とする分け方もある。 イニシエーションとして古来から行われているものとしては割礼や抜歯、刺青など身体的苦痛を伴うものである事が多い。 こうした事例は文化人類学の研究対象となっている。
[編集] 日本における通過儀礼
近世日本の武家階級では元服というものがあり、服装、髪型や名前を変える、男子は腹掛けに代えてふんどしを穿く、女子は成人仕様の着物を着て厚化粧する、といったしきたりもあった。 明治時代以降は徴兵が一種の通過儀礼の役割を果たした。
現代の日本社会に於いては形式的な成人式以外に通過儀礼と呼べるようなものが無く、それが実際に役割を果たしていない事が大人と子供の境界をあやふやにしており、様々な社会問題の一因になっているという考え方もある。大学の入学式、企業への入社式といったものはあるが、これらは所属集団への入会儀式で、人生の節目となるほどのものではない(広義の通過儀礼)。他に、大学・高校の入学試験や、それに伴う長期の受験勉強を通過儀礼と考える人もいる。
[編集] 通過儀礼の観光化
通過儀礼を娯楽化したものとしては、バンジージャンプが有名である。
[編集] 関連文献
フランスのファン・ヘネップによる研究(『通過儀礼』1909年)が有名である。