重祚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
重祚(ちょうそ)とは、一度退位した皇帝が再び践祚(皇帝の座につくこと)することをいう。
[編集] 概説
現在までに重祚した天皇は二人で、皇極天皇が斉明天皇として、孝謙天皇が称徳天皇として、それぞれ重祚している。
皇極天皇の場合は子の中大兄皇子の政治的思惑による時間稼ぎである。孝謙天皇の場合は自身の政治的な思惑から一度皇位をゆずった相手(淳仁天皇)に無理矢理譲位させている。
中国では、7世紀末~8世紀はじめの、唐における武則天即位、建国(周)の前後において、中宗・睿宗が即位後に武則天により退けられたが、武則天死去後、皇帝の位に復帰している。 また、明の英宗が「土木の変」でオイラト軍に囚われると、朝廷では弟(景泰帝)を帝位につけて帰還後の英宗を幽閉していたが、後に英宗がクーデターを起こして再度即位している。
朝鮮では、13世紀末~14世紀半ばの、高麗が元の属国化された時期に元の宮廷の意向によりしばしば王位を王世子に譲らされたり復位させられたりした。このため、宮中の混乱と元への依存が深まり、王朝衰退の要因となった。