開田博勝
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開田 博勝(ひらきだ ひろかつ、1975年2月10日-)は、日本の社会人野球の選手。三菱重工長崎硬式野球部に所属する外野手である。なお、ホンダ硬式野球部に所属する開田成幸(ひらきだ なるゆき)外野手は弟である。
福岡県柳川市出身・175cm79kg・右投左打・背番号28。
[編集] 球歴
柳川高等学校では2年時の夏に第73回全国高等学校野球選手権大会に出場し、順調に勝ち上がるも、準々決勝で大野倫を擁する沖縄県立沖縄水産高等学校に敗れた。3年時の甲子園出場はならなかった。
その後法政大学を経て、1997年に三菱重工長崎硬式野球部に入部した。50m走5秒8、遠投115mという高い運動能力に加え、巧みなバットコントロールと長打力、走塁技術で頭角を現した。主将を務めた1999年には都市対抗野球大会で準優勝、翌2000年にはシドニーオリンピック野球日本代表候補として名前が挙がり、あと一歩で代表入りはならなかったが健闘した。
そしてドラフト会議で当時のオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)から5位指名を受けた。折りしもオリックスは「契約金ゼロ枠」を設け、指名人数を増やした年であった。
- 内海哲也(投手・敦賀気比)(入団せず) - 東京ガス - 読売ジャイアンツ
- 大久保勝信(投手・松下電器)
- 上村和裕(捕手・北照) - 広島
- 相木崇(投手・福岡大) - 阪神
- 開田博勝(外野手・三菱重工長崎)(入団せず)
- 高見沢考史(外野手・東京ガス) - 契約金なし 2003年引退
- 北川智規(投手・横浜国立大) - 契約金なし 2004年引退
- 高橋浩司(捕手・志度) - 楽天 - 契約金なし 2005年引退
- 庄司大介(外野手・河合楽器) - 契約金なし 2002年引退
しかし、開田は入団交渉で契約金ゼロという契約内容で折り合いがつかず、結局1位指名の内海と共に入団拒否に至った。この騒動について、当時は「なぜ入団しないのか」といった批判的な意見が大勢を占めた。しかしその後開田と同時に下位指名された選手は2005年までに全員引退、契約金ゼロ枠も廃止されている。
改めて社会人野球選手としての道を選んだ開田は、2001年も1番・ライトでチームを引っ張った。社会人野球日本選手権大会では開田の俊足好打が冴え渡り、後藤隆之、杉内俊哉の快投もあって決勝に進出する。
決勝の東芝戦、開田は3回に先制のホームを踏むと、5回には東芝の先発・銭場一浩の鋭い変化球に体勢を崩されながら三塁線タイムリー二塁打を放ち、3点目を叩き出した。三菱重工長崎は5 - 0で勝ち、悲願の全国優勝を果たす。この大会で開田は5試合中4試合に出場、18打数12安打・打率.667をマークして首位打者賞を獲得、大会優秀選手にも選ばれた。
その後は肘の故障などもあったが、俊足好打は健在で活躍を続ける。俊足を活かした盗塁や内野安打、長打など、試合の中で勢いをつけるプレーも多い。