集団自殺
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集団自殺(しゅうだんじさつ)とは、複数の人間が一箇所に集まり、同時に自殺を図ることをいう。
大規模な場合には、カルト教団が関与している場合もある。 日本では「自殺系」と呼ばれるウェブサイトを起点に、全国各地から集まった者が練炭を使って集団自殺を図る事例が2003年ごろから多発し社会問題となった。戦争などにおいては集団自決と呼ぶこともある。
家族や恋愛関係にある男女が揃って自殺を図る場合は心中と言い、集団自殺とは分けられることが多いが、前述の社会問題となった各種事件の一部には家族関係・恋愛関係がないにもかかわらず心中に近い要因のものもある。集団自殺や心中で生き残った者がいた場合は、結果的に自殺幇助等により刑事罰の対象になる。
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[編集] 集団自殺・自決の例
- 70年 マサダ要塞の集団自決(約960人)
- 1333年 北条高時ら北条氏一党の自殺(約900人)
- 1868年 白虎隊(20人、うち1人は蘇生)
- 1943-45年 第二次大戦において日本軍民に特攻、自決相次ぐ
- 1945年 沖縄戦における民間人集団自決
- 1978年11月 ガイアナで起きた人民寺院事件(約900人)
- 1993年 アメリカで起きたブランチダビディアン事件(86人)
- 1997年 アメリカで起きたヘブンズ・ゲート事件(39人)
- 2000年3月 ウガンダで起きた終末教団事件(約500人)
[編集] ネットの集団自殺の例
- 2004年10月12日 - 埼玉県皆野町で男女7人がワゴン車の中で、また神奈川県横須賀市で女性2人が車の中で、それぞれ練炭を使って自殺しているのが発見された。自殺系サイトで知り合い、双方の自殺者の間でも接点があったものと見られている。
[編集] 集団自殺を扱ったもの
- 自殺サークル(映画:2002年) 監督:園子温 出演:石橋凌、永瀬正敏、さとう珠緒
- 自殺マニュアル(映画:2002年) 監督:福谷修 出演:泉川理恵、森下千里
- グローウィン グローウィン(映画:2002年) 監督:堀江慶 出演:戸田昌宏、村島リョウ
- 生きない(映画:1998年) 監督:清水浩 出演:ダンカン、大河内奈々子
- 退魔録(映画:2000年,韓国) 監督:パク・クァンチュン
[編集] その他
- 動物の集団自殺としては、レミング(ねずみ)の集団自殺が有名であり、ディズニー製作の映画「白い荒野(1958年)*1」では集団を賄うだけの餌が得られずに、本能による個体数調整や地磁気の影響によるものと説明されている。これに対し、集団自殺に見える行為は餌場を求めて移動中の群れが進路を誤り、後続のレミングから押し出され海に落ちただけであり、意図的に集団自殺をするように見せかけた可能性が示唆されている。これら集団で死に至る原因に対する学説はさまざまであり、詳しいことは分かっていない。一説には個体数が増加した群れが新たな餌場を求め移動し、レミングの別名タビネズミの名前の通りに旅の途中の障害によって結果的に個体数が減り、新たな餌場に定着した後、餌の豊作等により爆発的に個体数が増え、次の餌場に旅をすることを繰り返している、とされている。日本国内の沿岸部でクジラの群れが砂浜に乗り上げ、死ぬ原因についても地磁気によるものと解説されることが多いが、湾岸部に迷いこみ進路を誤って乗り上げたとされる説もある。
*1白い荒野(原題: White Wilderness)
製作: ウォルト・ディズニー
製作年: 1958年