雷火
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『雷火』(らいか)は、スコラの漫画雑誌月刊コミックバーガー(現:月刊コミックバーズ、幻冬舎刊)に1987年から1997年まで連載された漫画作品である。原作寺島優、作画藤原カムイ。
ほぼ同時期に連載されていた『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』と並んで、藤原カムイの代表作のひとつとなっている。
目次 |
[編集] 単行本
- デラックス版 全12巻 (スコラ刊)
- 1988年から1997年にかけて発刊、現在絶版。最終巻は「12巻」とは表記されず、「了」となっている。
- 普及版 全21巻 (スコラ刊)
- まだ連載中であった1997年から1998年にかけて、1月1巻のペース発売。現在絶版。
- 凍結版 全15巻 (角川書店刊)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
紀元三世紀頃、倭の国の中心都市「邪馬台国」は、女王・卑弥呼を擁立し、彼女と魏の国より迎えた帯方軍塞曹掾史(いわゆる外交官)・張政を中心とし、新しい時代を迎えつつあった。
そんな折、邪馬台国の近く、熊木山に住む孤児達の一員で神仙術の使い手、ライカ・オタジ・ウツキたち三羽鳥は、ある日山の中で不思議な少女を目にする。少女の名は壱与。邪馬台国時期女王候補の巫女であった。その出会いはライカに強く、国というものの有り方を意識させることになる。その後国に魅せられたライカは邪馬台国へ侵入したが、張政たち魏の人間たちの策略にはまり、都合よく女王・卑弥呼殺しの罪を着せられる。卑弥呼を殺した張政は自分が手をかけ育てた壱与を無理矢理に女王に即位させることにより、張政自身が邪馬台国を支配、魏の属国にしようと企んでいた。
徐々に明らかになっていく張政の更なる黒い深謀。壱与を利用する張政とライカ達の戦いは、大国をも巻き込む戦となっていく。
[編集] 登場人物
[編集] 熊鬼山
邪馬台国近辺の山の名前。ライカ達孤児が老師と共に密かに暮らしている。
- ライカ
- 主人公。壱与に惚れ、彼女を助けようとするうちに、邪馬台国という国そのものに興味を持ち始める。三人のリーダー格で自己主張が強い。優れた神仙術の使い手であらゆる技を使いこなす。雷の鳴る雨の夜、産着に包まれ捨てられているところを、老師に拾われ育てられる。極度のクセ毛で、敵にはカミナリ頭の小童などと呼ばれている。
- ライカ・オタジ・ウツキの三人をまとめて三羽鳥と名乗ることがある。
- オタジ
- 共に育ったライカの幼馴染。神仙術の使い手。明朗快活な性格で笑顔が映える。物語序盤で左腕を失うが、それがハンデとならない実力を持つ。感情的になりやすいが、よく周りを見ていて異変の察知は早い。
- ウツキ
- 共に育ったライカの幼馴染。神仙術の使い手。冷静沈着でライカの良き相談相手でもある。ライカの生き方に彼の器の大きさを見出し付いていくことを決意、共に山を降り行動をする。三人の中で最も多くの知識を持ち聡明だが、時折オタジとともにライカをからかい場を綻ばす。狗奴国でオタジをかばい捕まった時にキジノヒコによって受けた拷問により視力を失うがその分、聴覚や嗅覚が研ぎ澄まされた。
- 老師
- 熊鬼山に住む神仙術の達人。ライカ達の育ての親で、神仙術を教えた師匠。ライカ達以外にも多数の孤児に神仙術を教えている。物語の重要な場面で道を示してくれる人物。
[編集] 邪馬台国
やまたいこく。二十以上の国からなる和国で最も巨大な連合国家。既に魏国に認められ金印を有している。女王卑弥呼を中心に政治が行われ、魏国の人間・知識・技術をとりいれ更なる発展を目指している国。
- 卑弥呼(ひみこ)
- 邪馬台国の女王で巫女。老齢で病を患っており、徐々に弱っていた。自分より能力のある壱与に嫉妬している。張政の計画のために殺される。終盤、儀式の為にイキナメによってミイラ状態で蘇る。
- 壱与(いよ)
- 巫女で卑弥呼の後を継ぐ邪馬台国の次期女王。卑弥呼を越える巫女としての力を持っており卑弥呼に嫉妬されていた。巫女の術や仲間の危機を感じ取る能力、傷を癒す力を持つが、他に気による攻撃(発頸)も持っている。その力は大の男達を軽々と吹き飛ばすほど。邪馬台国の人間全てに平等に接する心優しい人物。張政の手に捕まり利用される。
- キジノヒコ
- 女王を守る親衛隊長。神仙術の使い手で、オタジの左腕を切り落とした程の腕を持つ。登場時はライカ達の敵だが、終盤では頼りになる仲間として活躍する。剣術、飛び道具のほかに、棒術を使う。親衛隊長だが装備は一般兵と変わらない。後に邪馬台国を逃亡し狗奴国の兵士となる。登場時は壱与に好意をもっていたが、邪馬台国逃亡中に助けられた夜美といい関係になる。張政との戦いにおいてオタジをかばい負傷しその後、張政と自爆し命を落とす。
- キバ
- 壱与の飼っている白い狼。額に星型の跡がある。親子二代に渡って壱与のために働く。忍狼であり神仙術の使い手と同等の身体能力、術を持つ。また群れのリーダーであり、多くの仲間がいる。
- タキ
- 父親を卑弥呼の殉葬者として亡くした少年。張政を恨み、殺そうとするもあえなく失敗し、それが原因で家族を失う。自分の無力を痛感したことでライカ達に師事を求め、徐々に神仙術の使い手として心身を成長させる。
- ダナン
- 生口の頭。張政のやり方に我慢ならず、一揆を企てた中心人物。
- カマチ
- 殿内に所属する男で、反乱を起こそうとするダナンと、壱与との連絡を繋いだ人物。
- ニキメ
- (stub)
- ナシメ
- (stub)
- ヒガキ
- 邪馬台国の抱える兵士軍の分隊隊長。不穏な動きを見せる魏の人間たちを鼻につけ、倭国としての邪馬台国に忠義を誓う。
- タマキ
- 張政が壱与を監視させるためにつけた女性。自分の美貌と地位を特権に、周囲に威張り散らす。夜美が捕まった時の拷問は一緒にいた女中も怯えさせるほど。最後は裏切られた張政を殺そうとするも逆に殺される。
[編集] 魏国
- 張政(ちょうせい)
- 魏国から邪馬台国に派遣され、帯方軍塞曹掾史として就いた。自分の地位を用い内部の役職から徐々に魏の人間で固めることで邪馬台国を魏国の属国にするよう命じられていたが、それすらを上回る陰謀を持っている物語中最大の敵。高い身体能力、神仙術、強力な発頸を持ち、抵抗するライカ達を屠ろうとする。
- イキナメ
- 張政と共に邪馬台国に渡った側近の部下。幾度に渡ってライカ達と闘う人物で、ライカのライバルともいえる。神仙術の他にも蘇生や召喚、精神操作など特殊な術を使う。悲劇の人物。
[編集] 公孫一族・七人衆
物語中盤、故国を失い倭へと渡って来た張政の部下達六人。イキナメを含めて七人衆といわれる。
- ワタハタ
- 張政の部下の中で、イキナメに次ぐ実力を持つ強敵。長剣を用い、巧みに幻術を使い、相手を討つ。身体がもつ特殊な性質から、他人の血を吸わないと発作を起こし暴走する。
- ムジン
- 獣染みた容貌をしている。蚊幕を武器とし、相手をくくりつけ引き裂くことを得意とする。体内に蜘蛛を飼っていたり、粘着性の唾液で相手の動きを封じるなど人間離れしている。
- シン
- 大柄な体格と凄まじい腕力、高い機動性を持つ人物。武器にチャクラムを使用する。肉体を自由に硬化、軟化することができ、剣戟、打撃などを無効にする。
- タルバ
- 小柄で太め。相手の肉体を遠隔操作する術を使用し、破壊することを得意とする自信家。
- ユン
- 自身の髪の毛を硬化させクナイのように飛ばしたり、鞭として扱う。
- 作者いわく、「女形のような外見の優男だがべらんめぇ口調というアンバランスな人物」
- ラトウ
- 張政の影武者として戦い、老師に討たれる。
- ちなみに巻末のおまけページで作者に名無し扱いされていたが、いつぞやタルバが「自分は殺されたユンやラトウのように甘くはない」と発言したことで名前が判明した。
[編集] 狗奴国
くなこく。周りを山に囲まれ、それ自体を砦とする強力な単独国家。馬を用いた馬上戦闘や一鋳式の青銅剣をとりいれ、邪馬台国に対抗する。ヒメキコソを中心とし、安定した政治が行われている。
- ヒメキコソ
- 狗奴国国王でライカの父。戦のときは国王でありながら先陣を切る勇敢さ、自国民であろうと九を救うため一を躊躇無く斬り伏せる苛酷さを持つ人物。キジノヒコの攻撃を軽々とかわす程の実力を持つ。重い病を患っており、死ぬ前に邪馬台国を手中に入れることを目標とするも寸前で息を引き取る。
- エンギシ
- 狗奴国の宰相。ヒメキコソに忠誠を誓っており、後にライカにも仕える。
- リン
- 元々、狗奴国で馬の世話をしていた女だが、ライカに惚れ、力になる為に女であることをやめて狗奴国の兵士として従軍する。外つ国から狗奴国に残されていった象を使いこなす。
- 夜美(よみ)
女でありながら狗奴国の親衛隊長。邪馬台国から逃亡している途中で倒れていたキジノヒコを助ける。 話が進むにつれキジノヒコといい関係になる。
[編集] その他
- クコチヒコ
- 狗奴国付近にある小さな砦のリーダー格。山童の被害に苦しんでいる所をライカ達に助けられたことで彼らについていくことを決意する。神仙術は使えないが、その巨体をが生み出すパワーと気概は、ライカ達の大きな支えとなる。クコチヒコ達の砦では鉄(まがね)の精錬技術が発達しており、青銅(あおがね)の剣を主力とする他国にとっては脅威の武器を生み出していた。
- キクナ
- クコチヒコの妹。気が強く、男達に混ざって山童退治をしたがっていた。タキの生き方に大きな影響を与えた人物。
[編集] 神仙術
ライカ達の使う不思議な技や術。忍術と考えてもらって差し障りは無い。
- 一般的な術
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- 特殊な術
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