電光掲示板
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電光掲示板(でんこうけいじばん)は、発光ダイオード(LED)や液晶、電球などを用いて情報を発信するための掲示板。発光体をマトリクス状に配置し、その明滅により文字や絵を表現するものが主流であるが、商業用の廉価なものの中には、一部の発光体を省き、あらかじめ決められた文字のみを表示可能なものもある。
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[編集] 電球方式
発光体に電球を使用したものであり、電光掲示板としては最も古いものである。輝度が高く大型であることから、主に屋外で使用される。電球の寿命による抜け(暗点)が生じやすいため、定期的なメンテナンスが必要であるほか、消費電力が大きい、多色化が難しいなどの問題から、LED方式に替わられつつある。
[編集] LED方式
発光体にLEDを使用したものである。発光色は赤、黄緑、オレンジなどが主流で、一部に黄色、ピンクなどを表示可能なものが存在する程度であったが、青色LED の実用化により、あらゆる色を表示可能なフルカラーLEDを採用したものが登場した。
フルカラーLEDの例としては、 JR新宿駅の一部の改札、JR東京駅(新幹線)。
駅の行き先表示や窓口での呼び出し番号表示など屋内で多く使用されているほか、LEDの高輝度化に伴い屋外での利用も増えている。しかし従来のパタパタ式行先案内の方が見やすいとの意見もある。
一方で設置後10年を経過すると急激な輝度の低下が見られる問題がある。 写真は新陽社による電光掲示板。
[編集] その他の方式
液晶、プラズマディスプレイ、ブラウン管などの表示装置を用いた電光掲示板は、電球やLEDを用いたものよりも多くの情報を表示することが可能であるため、列車の空席状況案内や取り扱い商品の広告などに利用されている。2005年以降に実用化する予定の有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)もその一つ。
表示媒体が平面ディスプレイタイプの電光掲示板は、単に文字情報だけではなく、画像情報や動画等も表示可能なため、専用のソフトウェアを使うことで、非常に表現力豊かな画面を構成することができる。
[編集] スポーツ施設
日本の陸上競技場で初めて電光掲示スコアボードを採用したのは国立霞ヶ丘競技場であり、日本のプロ野球使用球場で初めて電光掲示スコアボードを採用したのは東京ドームの前身にあたる後楽園球場である(詳しくは後楽園球場、東京ドームの項目を参照)。
また大相撲でも、年6場所制の定着した昭和30年代後半頃から、その日の取組と勝敗を表示する電光掲示板を本場所の開催施設内に設置している。