Adobe Flash
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
開発元: | アドビシステムズ(元 マクロメディア) |
---|---|
最新版: | 8 / 2005年9月30日 |
対応OS: | Windows、Mac OS X |
種別: | Multimedia Content Creator |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | www.adobe.com/jp/ |
開発元: | アドビシステムズ |
---|---|
最新版: | 9.0.28.0 / 2006年11月14日 |
対応OS: | Windows, Mac OS X Mac OS 9, Linux Pocket PC, OS/2, Solaris HP-UX, IRIX |
種別: | |
ライセンス: | プロプライエタリ |
公式サイト: | www.adobe.com/jp/ |
Adobe Flash(アドビ フラッシュ)は、アドビシステムズ(旧マクロメディア)が開発している動画を扱うための規格及びそれを制作する同社のソフトウェア群の名称。略称はFLASH、フラッシュなど。旧称はMacromedia Flash。
目次 |
[編集] 概要
ベクター画像が規格の中心で、それにスクリプトで制御することによりマウスの動きに合わせてアニメーションしたり、音を鳴らしたりなど、インタラクティブなサイトを作成するのに向いている。アニメーション、ゲーム、ウェブサイトのナビゲーション、音楽再生などのコンテンツを作るためのソフトウェア。再生環境への依存度が低く、ベクター画像であるためウインドウサイズを変えても画質が劣化しないという特徴がある。
Flashを用いるとインタラクティブ性の高いサイトにすることも可能だが、Webブラウザやプレーヤーからテキスト検索できないなどの欠点がある。ただし、Googleなど一部の検索エンジンはFlash内のテキストを抜き出して、検索対象とすることができる。
Flash 再生ソフトとしては主にFlash Playerが使われる。Windows、Mac OS X、Linuxなどのオペレーティングシステム上で動作し、Internet ExplorerやFirefoxなどの代表的なWebブラウザの中でプラグインとして動作させることもできる。携帯電話機にもFlashプレーヤが搭載されているものがあるが、ハードウェアスペックやセキュリティーの配慮等により制限が多い(Adobe Flash Liteによるもの)。また、アドビシステムズはFlashをウェブ以外にも利用できるようにする意向を発表している。Flashのファイルフォーマットは仕様が一般に公開されており、アドビシステムズ以外の企業、個人でもFlashデータを加工、生成するソフトウェアを自由に開発、配布することができる。しかし、仕様書に基づいてFlashファイルを再生するソフトウェアを開発することは認められていない。そのため、例えば Flash 再生ソフトである Gnash では、ウェブ上に存在する Flash を収集し、それらを解析することを通じて開発が行われている。
企業や公的機関、歌手や個人のウェブサイト等においてトップページに使用されることが多くあるが、ナローバンドにおいてはダウンロードに時間がかかり、トップページにおけるFlashの使用を好まないユーザーもいる。
あるいはインターネットコミュニティの参加者によって笑いネタ、時事ネタなどでジョーク的な内容のものが作られたりする。ただ、このようなFlashは著作権や肖像権(傾向として政治家やテレビアニメのキャラクターが多い)を侵害していることも多々ある(俗に黒フラッシュ・黒フラ・MADフラッシュと呼ばれる)。日本において単に「フラッシュ」と呼ぶとこちらを指す場合もある。
また、バナー広告にもFlashが使われており、ポータルサイトなどに使用されている。
特殊な使用方法としてはYahoo!ミュージック等での歌詞表示がある。著作権を保護するために、テキストをコピーしたり印刷したりできないようにすることができる。
[編集] バージョンアップの歴史
MacromediaはFutureWave Software社を買収し、買収と同時に権利が移動したFutureSplash AnimatorをFlash 1.0という名称で発売開始した。このころからすでに数多くの基本的な機能を備えていた。原則的にFlashは年一回バージョンアップされていたが、Flash MX以降のバージョンはその限りではない。
Flash 2の頃に日本に上陸し、優れた専門書が多く発行され、実験的な作品もネット上で発表されるようになった。Flash 3からインタラクティブ関連の機能が強化され、次第に「アニメーションソフト」の枠にとどまらない発展をするようになる。Flash 5、Flash MX(Flash 6)でプログラミングの機能が大幅に強化されたため、プログラマたちもFlashを使うようになる。Flash MX 2004(Flash 7)では動画配信もサポートし、2005年秋にリリースされたFlash 8ではアニメ、グラフィック関連を中心に大幅なバージョンアップが行われ、また機能制限版の「FLASH 8 BASIC」も同時リリースされ、新たな層の開拓にも意欲的である。Windows・Mac用 Flash 9 が2006年6月にリリースされた。(開発環境は現在、Flash 9 プレビュー版[1]かFlex 2)
Linux用について見ると、Flash 8 はそのリリースが見送られることとなった。その後、Flash 9 が Windows・Mac用よりも数ヵ月遅れた2007年1月にリリースされた。Linux用のリリースが遅れた理由は、多くのLinuxディストリビューションに対応させる必要から、開発に相当時間がかかったためであるといわれている。
なお、マクロメディア社は2005年4月にアドビシステムズ社に買収された。
[編集] 日本における普及
日本ではFlash 2の頃より注目されはじめる。Flashに早くから注目していたメンバーは、現在のFlash-japanにあたるFlashメーリングリストを開設した。また、「おしえて!!Flash」に代表される解説書がこの時期一挙発売し、Flash職人の古参のメンバーはこの時期から始めた人が多い。
Flashへの注目が高まったのがFlash 4の頃、多くの個人や企業サイトでFlashが使われるようになり、ネット上での知名度も高まっていく。Flash 5の頃には紹介サイトが続々誕生していった。
2001年ごろからFlashは最初の黎明期を迎え、「サザエさん」や「ドラえもん」、妙な音楽などを模した違法お笑いFlashが爆発的に作られる。特に「ドラえもん」は小学館(後でこれは偽者だと判明)が製作者の6419氏に警告メールを送ってサイトを閉鎖に追い込むも、のちに氏は「オラえもん」と改称して発表を続けたという出来事もあった。一方、このころより「つきのはしずく」等、既存の作品を打ち破るクオリティの作品の登場、「キミとボク」、「ばぁちゃんと過ごした日々」などの文章を中心とした「泣かせる」Flashが発表されるようになり、個人によるWebアニメ作品としてのFlashが注目されるようになった。
Flash職人が爆発的に増える切っ掛けとなったのは、2002年始めに設立された2ちゃんねるFLASH・動画板である。最初こそ職人があまり集まらなかったものの、同年の2ch内のムネオハウスブーム等が起爆剤となり、ハイクオリティなアニメーションやゲームが続々発表される中で、そこを発表の舞台として活躍する人が多く集まり、それらに触発された者がまた職人を志すようになった。当時多くの職人は作品の主人公にアスキーアートを使用し(比較的キャラが決まっているので、一から設定する必要がない、画力の差がそれほどでない、などの利点がある)たため、それらの作品は「2ch系Flash」と呼ばれるようになる。ハイスピードの音楽に高速のアニメを載せるMG系(旧PV系)アニメが誕生したのもこの場である。そこでFlashのカリスマ的職人も数多く生まれ、年末に紅白分かれてFlash新作の発表を行う「紅白Flash合戦」は大きな注目を浴び、マクロメディアが開催に際して祝辞を送ったほどである。すでにそこを出身した多くのクリエイターたちが国内の賞を続々受賞しており、またクリエイター主体で見本市を開催したり、「紅白」の主催者が法人を立ち上げるなど、商用利用に関する動きも本格化している。
2004年11月には、G-STYLE氏の3歳シリーズが書籍化され、その後も商品化を続けている。
2005年春、商用音楽を無断転載して公開していたFlashを逆に音楽会社が注目し、プロモーションとして大々的に抜擢されるという史上初の快挙が達成される。それが日本を旋風した恋のマイアヒであったが、結果、今後の著作権問題などに大きな影を落とすこととなった(のまネコ問題参照)。ここから派生し、「もすかう」等も作られた。
2006年、Flashによるラスター地図サイトが登場する。Flashと地図配信の相性は良いという意見があったが、Flash 8登場まではGIF・PNGの外部画像をサポートしておらず敬遠されていた。日本初はスゴイ地図[2]といわれているが、実際は嶺南ケーブルネットワークの街角探検隊[3]である。
2006年春、「菅井君と家族石」で注目されていたFROGMAN(蛙男商会)が、全編Flashで製作された史上初のテレビアニメーションシリーズ「THE FROGMAN SHOW」を製作し、テレビ朝日・朝日放送にて放映。個人製作のFlashアニメーションが地上波に乗るという大快挙を成し遂げた。
[編集] 注意すべき作品傾向
Flash作品の中には、最初に表示される画面を間違い探しや色盲テストなどの鑑賞者を画面に注視させる画面とし、次に突然画面が切り替わり、怪物や血まみれの人物が雄たけびと共に画面に表示されるなどの、鑑賞者を強く驚かせることが意図された作品もある。電子掲示板にFlash作品への直リンクが書き込まれている場合は、しばしばこの類いのものへ誘導するリンクである事があるため、再生には注意が必要である。
例をあげれば、一時流行した「ウォーリーをさがせ!」のようなゲームのFlashだと見せかけて、ゲームだと思い画面を凝視しながらウォーリーを探していると、突然大音量の叫び声とともにグロテスクな画面が表示されるようなものである。このようなものは、何年も前から行われている悪戯である。
もう一つ例を挙げると、●○の曲を逆再生すると…といったFlashと見せかけるが、その逆再生されている音楽の音量が小さく、鑑賞者がボリュームを上げてしばらく注意深く聴いていると、突然大音量で絶叫する声が再生されるといった音声系の悪戯もある。
1990年代後半に一部で、「心霊写真の画像」として有名となったアニメーションGIF画像がある。一見すると何の変哲もない小屋の写真であり、どこを見ても幽霊らしきものを探すことはできないのだが、その写真を見ていて一定の時間を過ぎると、突然写真の小屋の扉から幽霊が飛び出してくるというものであった。 動画ではないただの写真だと思っていた者を驚かせるものであり、昨今頻繁に出回っている「絶叫Flash」は基本的にはすべてこの模倣であると言える。
Flashを紹介している総合サイトや、広く知られているFlash職人のページは、そのような要素が含まれていることは少なく、また入っていたとしても注意を促すメッセージが書かれていることが多いため、比較的安心して見られると思われる。しかし、「不快なFlash」の定義は個人によって異なるものであるため、個人が不審なリンクは無闇に押さない事を心掛けるべきである。
グロテスク#インターネット上のグロ画像も参照のこと。
[編集] フリーのFlash作成ソフト
Liveswif lite、MotionSWF、Powerbullet、jaMing、ParaFla!、Suzuka等が存在するがあまり数は多くない。また、Windows環境でしか使用できない物がほとんどである。うちParaFla、Suzukaは日本人によって開発が進められている。
[編集] 関連項目
- Adobe Flash Lite
- Adobe Flex
- Gnash
- Swfdec
- ActionScript
- リッチインターネットアプリケーション
- Flash Video
- FlashPaper
- Adobe Shockwave
- shockwave.com
- MINICLIP.COM(en:Miniclip)
- Example of animations and games flash.(French)
- Category:FLASHムービー
- Category:FLASHアニメーション
- Category:FLASHゲーム
- Hatten är din(2000年頃大流行した、日本でも有名なFlash作品)
- Flash職人
- フラッシュ倉庫