Mozilla Firefox
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Mozilla Firefox 2.0 日本語版スクリーンショット |
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開発元: | Mozilla Foundation |
最新版: | 2.0.0.3 / 2007年3月20日 |
評価版: | 3.0 Alpha 3 / 2007年3月23日 |
対応OS: | Windows / Mac OS X / Linux / BSD系 |
プラットフォーム: | クロスプラットフォーム |
種別: | ウェブブラウザ |
ライセンス: | MPL/GPL/LGPLトリプルライセンス |
公式サイト: | mozilla-japan.org/products/firefox |
Mozilla Firefox(モジラ ファイアフォックス)とは、オープンソース・クロスプラットフォームのウェブブラウザである。開発元はMozilla Foundation)である。ウェブブラウザやメールクライアントが統合されたMozillaにおける、速度面での不満や複雑化するコードの解消を目的として、2002年中頃から開発が進められている。
目次 |
[編集] 特徴
- レンダリングエンジンにGeckoを採用
- Mozillaを開発する際に作られたHTMLレンダリングエンジンであるGeckoを採用している。そのため、HTML、XML、CSS、canvas、SVGなどのウェブ標準への準拠度が高い。ウェブ標準技術の採用を主眼としているが、過去に書かれたページとの互換性から非標準のタグなどもサポートしている。
- タブブラウズ機能
- 同一ブラウザウィンドウ上に、タブと呼ばれる表示ウィンドウ切り替え機能を搭載することで、複数ページの閲覧や操作性を向上している[1]。また一つのウインドウだけでブラウジングができる「シングルウィンドウモード」という機能や、ポップアップウィンドウの制御を行う機能も実装されており、不要なタブを極力開かないですむような設定を行うこともできる。
- マルチプラットフォーム
- Windows・Mac OS X・Linuxの三種類のOS環境が正式にサポートされており、同時にリリースされる。他には、Solaris向けのバイナリも公式サイトのFTPサーバで配布されている。また、公式ではないが、BSDやその他のUNIXのバイナリを配布するサイトもある。Mozilla Firefoxが様々なOSに対応している理由としては、XULやXPCOMといったOSに依存しない技術を採用している点が挙げられる。ただし、XULはコンピュータの演算能力を多く必要とするため、同じGeckoエンジンを用いていたとしても、それぞれのOSに最適化されたブラウザCamino(Mac OS X)やEpiphany(Linux)やSylera(Windows)と比較すると軽快さの面で劣る。
- ライブブックマーク
- 標準でフィードに対応している。配信されたデータをブラウザでそのまま活用することが出来る。
- プライバシー管理
- クッキーやページ履歴、入力履歴などの管理を行える。クッキーについては、クッキーの許容、拒絶をページ単位で管理でき、これにより、クッキーによる個人の追跡などを防ぐことが出来る。
- セキュリティ
- JavaScriptの制御機能、SSLやTLSのサポート機能、証明書管理機能などを備える。特に、SSL/TLS通信では、信頼するルート証明書を用いて真正性を確認できた場合には、アドレスバーの背景色が変わるようになっている。このため、ユーザはサーバ証明書の真正性の確認が容易である。結果、安全性が高まっている。
- アドオン
- 1.5系列まで、拡張機能とテーマは別々に管理されていたが、2.0系列からアドオンとして統合された。一方、拡張機能の一つとして管理されていた言語パックが拡張機能、テーマと共にアドオンの一つとして独立した。
- 拡張機能
- 拡張機能は、その名が示すようにインストールすることでMozilla Firefoxの機能を拡張するものである。XUL によってプログラムは記述され、XPIの形式で配布される。Mozilla Firefoxがもつタブブラウズ機能を拡張するものやマウスジェスチャー機能、フィードリーダー機能に関するものなど、多種多様な拡張機能が存在する。このような構成にすることでユーザは自由に拡張機能をインストールして自分にあった構成でMozilla Firefoxを仕様することが可能となる。拡張機能の中には、Mozilla Thunderbirdと共通して使えるものなどMozilla Firefox以外のXULアプリケーションにも対応しているものがある。また、Mozilla Firefoxの普及に伴いGoogleなど主要ポータルサイトがMicrosoft Internet Explorerだけに提供していた拡張ツールバーのMozilla Firefox版も増えてきている。
- テーマ
- jar拡張子のパッケージで配布されるが、実体はXPIである。自分好みのテーマをインストールすることにより、ブラウザの外観を変更できる。拡張機能と同じように共通で利用できるものも存在するが、Firefox用とThunderbird用などを分けて同じデザインを配布しているものも存在する。
- 言語パック
- ユーザーインターフェースの言語を変更することができる。複数の言語パックを導入し、必要に応じて切り替えて使用することも可能である。インストール方法や配布形態などは一般的な拡張機能と変わらないが、言語パックは言語パックというカテゴライズで表示し、管理されるようになっている。
- 更新とインストール
- 拡張・テーマ・言語パックの更新が検出されたときは更新という項目にまとめてピックアップ表示され、その中からユーザーが選択したもののみを手動で更新させるようになっている。これによりどのアドオンが更新されたかを一目で把握できるだけでなく、仕様などの問題から更新したくないものは更新させないことが出来るようになっている。また、再起動を行わないと新規インストール・更新が完了しないものに関してはインストールという項目でピックアップ表示され、この項目からセッションを保持した状態での再起動操作を実行できるシステムも実装されている。
- 検索プラグイン
- ナビゲーションツールバー上の検索バーから直接ウェブサイトを検索できる機能。初期状態ではYahoo!やGoogle、Amazonなどの検索プラグインが登録されている。また、各種の検索プラグインがWeb上で公開されており、それを導入することでさまざまなWebページの検索機能を利用することが出来る。バージョン2.0からは従来のSherlock形式に加え、OpenSearch形式のXMLフォーマットに対応した検索プラグインが提供されている。
- スマートキーワード
- ロケーションバーから直接ウェブサイトを検索できる機能。Yahoo や Google 、Wikipedia などの検索窓を登録しておけば、それらで瞬時に検索することが可能である。また、この機能については簡単な記述で設定の変更が可能であり内部ウェブサーバに検索エンジンを使っている場合なら簡単にその検索エンジン向けに対応することが可能である(ただし、2.0以降の初期設定では何も登録されていないため、ユーザーが手動で追加の作業を行う必要がある)。
- プラグインサポート
- Mozilla Firefoxはプラグインをサポートしている。FlashやAdobe Acrobatなどのプラグインがリリースされており、マルチメディアを利用したウェブページの閲覧が可能である。
- Talkback
- Talkback は Mozilla のソフトウェアに同胞されたクラッシュ報告プログラムである。Netscapeよりmozilla.orgへ提供されたクライアントアプリケーションとサーバおよびそのためのサーバインフラや開発・管理を担当する技術者などの総称であり、オープンソースではないが安全性の向上などに貢献している。グローバル拡張機能として1.5系列より同梱されており、ユーザーが簡単にクラッシュデータ提供を行えるシステムになっている。ブラウザがクラッシュしたとき自動的に品質フィードバックエージェントとして起動し、不具合が起きたときの情報を送るかどうかの確認画面が表示される[2]。同様の機能はMozilla Thunderbird 1.5、Mozilla Sunbird 0.3以降のアプリケーションにも搭載されている。
- 自動アップデート
- 1.0系列ではソフトウェアが更新を通知してユーザーが手動で上書きインストールを行う仕組みだったが、1.5系列より機能を強化したものが搭載されており、セキュリティパッチや新バージョンを簡単に入手できるようになっている。定期的に新バージョンの確認を行い、新バージョンの存在を確認できた時点で小さな差分ファイルをバックグラウンドで自動的にダウンロードし、インストールの準備ができたことを知らせてくれる。自動的に更新作業まで行わせるよう設定変更することも可能である。
- セッションマネージャ
- クライアント終了時の状態を保持する機能である。アドオンやソフトウェアそのもののアップデートによる再起動や、クライアントのクラッシュ時、次回起動では前回終了したときの状態を復元する。
- フィッシング詐欺サイト警告機能
- 2.0から搭載された機能で、フィッシング詐欺の疑いのあるサイトにアクセスすると警告画面を表示する。標準状態で使用する詐欺サイトのリストデータはGoogleが提供しているものを使用している。このリストデータは定期的に更新される。また、Googleのサイトに直接サイトデータを送信して確認する設定もオプションで選択できるようになっている。
[編集] セキュリティ
FirefoxはOSと統合されておらず、しばしばセキュリティーホールの原因となるVBScriptやActiveXを標準でサポートしていない。そのため、それらを悪用するコンピュータウイルスやスパイウェアが侵入できない[3]ことから、FirefoxはWindows版のInternet Explorerよりも安全だと言われている[4][5]。一方で単にシェアが低いために、ウイルスなどの製作者に標的にされることが少ないからだという主張もある[6]。Firefoxのシェアの上昇に伴い、脆弱性の報告数は増えており、注意が必要である。例えばIE7に搭載されている保護モードに相当する機能をFirefoxは備えていない。その為OSやコンポーネントにセキュリティホールがあった場合に、その機能を利用しているとOSのシステムファイルをクラッカーの手によって書き換えられる事ができる[7]。 脆弱性が発見され、それが修正されるまでの僅かな間に、それによって著しい社会的影響を与えたケースも報告されている [8]。
[編集] バージョンの変遷
1.5系列以降の開発コードネームは世界各国にある有名な公園の名称から取られている。また、trunk(本流の開発ライン)については2006年4月頃よりMinefield(地雷原の意)のコードネームが使われている[9]。
[編集] 1.0以前
1.0に至るまでにリリースされたバージョンである。すべてのリリースにコードネームが付されている。Firefox の初期の名称がアメリカ合衆国アリゾナ州の州都と同じ Phoenix であったことから、一部を除きこれらのコードネームは、アリゾナ州に隣接するカリフォルニア州から Phoenix に至る地名を用いたものであり、ロードマップが不死鳥(Phoenix)の飛行ルートになぞらえて描かれていた時期があった。しかし、製品名に Phoenix を使用しなくなってからはあまりこれらのコードネームが前面に出ることはなかった。
- 0.1 (Pescadero) -(2002年9月23日)
- 0.2 (Santa Cruz) -(2002年10月1日)
- 0.3 (Lucia) -(2002年10月14日)
- 0.4 (Oceano) -(2002年10月21日)
- 0.5 (Naples) -(2002年12月7日)
- 0.6 (Glendale) - 製品名が Firebird へ改称(2003年5月16日)
- 0.6.1 (Glendale) - コードネームは0.6と同じ(2003年7月28日)
- 0.7 (Indio) -(2003年10月14日)
- 0.7.1 (Three Kings) -(2003年10月25日)
- 0.8 (Royal Oak) - 製品名が Firefox へ改称(2004年2月9日)
- 0.9 (One Tree Hill) -(2004年6月15日)
- 1.0PR (Greenlane) -(2004年9月14日)
- 1.0RC1 (Mission Bay) -(2004年10月27日)
- 1.0RC2 (Whangamata) -(2004年11月3日)
[編集] 1.0系列
基本的に1.0のセキュリティフィックス。現在セキュリティアップデートは終了している。Geckoエンジンのバージョンは1.7.x。1.0を除き、1.0系には公式なコードネームは存在しない。
- 2004 年 9 月、バージョン 1.0 を見据えて一般向けのプレビュー版 (PR : Preview Release) がリリース
- 1.0 - ファーストリリース。コードネームは Phoenix(2004年11月9日)
- 1.0.1 - .lnk ファイルに関する問題等を修正(2005年2月24日)
- 1.0.2 - gif 画像の処理におけるヒープオーバーフロー等を修正(2005年3月20日)
- 1.0.3 - javascript: 形式の favicon を通じてコードを実行できる脆弱性等の修正(2005年4月15日)
- 1.0.4 - javascript: 形式の iconURL を通じて任意のコードを実行できる脆弱性等の修正(2005年5月11日)
- 1.0.5 - スタンドアロンアプリケーションからブラウザを通じて任意のコードが実行される脆弱性等の修正(2005年7月12日)英語版のみ
- 1.0.6 - 1.0.5 における拡張機能関連 API の不具合の解消(2005年7月19日)
- 1.0.7 - 国際化ドメイン名(IDN)に関する脆弱性等を修正。(2005年9月20日)
- 1.0.8 - Intel Macへの対応を除き1.5.0.2とほぼ同じ。1.0系列の最終アップデート。(2006年4月13日)
[編集] 1.5系列
もともとバージョン 1.1 としてリリースされる予定だったが、リリース予定時期が延期されるとともにバージョン 1.5 として改められた(ベータ版の時は 1.4.x であった)。アルファ版の公開時には一般ユーザのダウンロードを防ぐため、コードネームの Deer Park (ニュージーランドケルビン・ハイツにある動物公園の名前)という名前が使われた。Geckoエンジンのバージョンは1.8.0.x(下一桁の数字はブラウザのバージョンに依存する)
- 1.5 - ファーストリリース(2005年11月29日)
- 1.5.0.1 - 安定性の向上、Mac OS Xサポートの向上等。(2006年2月1日)
- 1.5.0.2 - Intel Macへの正式対応、安定性の向上、セキュリティフィックス。(2006年4月13日)
- 1.5.0.3 - サービス妨害 (DoS攻撃)の脆弱性の修正。(2006年5月2日)
- 1.5.0.4 - 安定性の向上、セキュリティフィックス。Thunderbird 1.5.0.4と同時リリース。(2006年6月1日)
- 1.5.0.5 - 脆弱性の修正、安定性向上、フリジア語版の公開。Thunderbird 1.5.0.5と同時リリース。(2006年7月27日)
- 1.5.0.6 - Windows Mediaコンテンツの再生に関する不具合の修正。(2006年8月2日)
- 1.5.0.7 - 安定性の向上、セキュリティフィックス。Thunderbird 1.5.0.7と同時リリース。(2006年9月14日)
- 1.5.0.8 - 安定性の向上、セキュリティフィックス。Thunderbird 1.5.0.8と同時リリース。(2006年11月7日)
- 1.5.0.9 - 安定性の向上、セキュリティフィックス。Thunderbird 1.5.0.9と同時リリース。(2006年12月19日)
- 1.5.0.10 - セキュリティフィックス。ドイツ語版の Windows、Linux ビルドにおいて一部ファイルが読み取り専用属性になっていた問題の修正。(2007年2月23日)
- 1.5.0.11 - 2.0.0.2/1.5.0.10で発見された幾つかの問題の修正、セキュリティフィックス。(2007年3月20日)
[編集] 2.0系列
2006年12月現在、一般ユーザー向けに公開されているバージョン。Geckoエンジンのバージョンは1.8.1.x。コードネームはBon Echo(カナダオンタリオ州にある公園の名前に由来)。初期の計画では9月19日に正式版がリリースされる予定と発表されていたが、さまざまな問題により約1ヶ月延期。最終的に米国時間の10月24日に全世界で同時リリースされた。[10][11]
- 2.0 - ファーストリリース(2006年10月24日)
- 2.0.0.1 - 安定性の向上、セキュリティフィックス。制限はあるがMicrosoft Windows Vistaに対応。(2006年12月19日)
- 2.0.0.2 - セキュリティフィックス、Microsoft Windows Vistaにおいて安定性の向上。アフリカーンス語、ベラルーシ語、グルジア語、クルド語版の追加。ドイツ語版の Linux ビルドにおいて一部ファイルが読み取り専用属性になっていた問題の修正。デフォルト検索エンジンをGoogleに変更(日本語、韓国語、中国語版)。(2007年2月23日)
- 2.0.0.3 - 2.0.0.2/1.5.0.10で発見された幾つかの問題の修正、セキュリティフィックス。(2007年3月20日)
[編集] 3.0系列
Geckoエンジンのバージョンが1.9系列になる予定。3.0より、Microsoft Windows 95、98、MEおよびMac OS X 10.2以前のサポートは終了する。コードネームはGran Paradiso(イタリア北西部の山でありそこにある国立公園の名前でもあるグラン・パラディーゾに由来)であるがまだブランチが切られていないため、現在のナイトリービルドはMinefieldのままである。[12][13] Mac OS X版は3.0からインターフェイスをMac OS XネイティヴのCocoaに移行する。
[編集] 4.0系列
2006年10月13日にMozilla CorporationのCTOであるブレンダン・アイクはFirefox 4.0がMozilla 2.0をベースにしたものとなるだろうと発言している。機能を改善してXPCOM APIを廃止し、標準的なC++へと移行する。
[編集] 歴史
[編集] Phoenix
Mozilla Firefox という名前は、幾度かの名称変更の後に付けられたものである。2002年9月にリリースされた最初のバージョン 0.1 は、Phoenix という名称であった。
しかし、この名称は Phoenix Technologies 社の商標権を侵害することが判明したため、変更せざるを得ない状況に追い込まれた。こうして次項にも述べられる名称、Firebird という名称が採用されることとなった。プロダクト名としての Phoenix は放棄されるも、開発ロードマップ上は、継続的に Phoenix という名称が使用された。
[編集] Firebird - ブランディング戦略の発表
ユーザからどのような名称がよいかなどを投票で集め、かつ商標権に抵触しない名称を考慮した結果、2003年4月に Firebird という新名称が決定した。しかしこの名称が新たな問題を引き起こしてしまうこととなる。Firebird という名前が、Mozilla と同じくオープンソースで開発されているリレーショナルデータベースプロジェクトの名称であることが判明し、同データベース Firebird プロジェクトからMozilla Organization に攻撃的な形で強い苦情があった。これを受けて Mozilla Organization は Mozilla Branding というブランディング戦略を発表した。
この戦略には、Apple Computer が同年1月に発表したブラウザ、Safari が Mozilla Organization の開発している Mac OS X 用のブラウザ Camino ではなく、KDE プロジェクトが開発しているレンダリングエンジン、KHTML を採用したことが同じく絡んでいるとされる。「軽量・高速性」への需要は、アプリケーションスイートとして開発されていたMozilla には満たせないものであったのだ。
Mozilla Branding で述べられていたことは次のようなものである。
- Mozilla プロジェクトはメインで開発している Mozilla を 1.4 まで開発する。その後は Firebird 及び同じく Mozilla 派生のスタンドアロンメーラ、Thunderbird をメインに開発していく。
- 開発体制がシフトしたあとは、Firebird、Thunderbird はそれぞれ Mozilla Browser、Mozilla Mail と名称を変えて開発していく。
- それまでの措置として Firebird、Thunderbird を Mozilla Firebird、Mozilla Thunderbird と呼ぶ。
このブランディング戦略によりデータベース Firebird プロジェクトとの名称問題は沈静化した。2003年5月には、Firebird として初のリリースとなる 0.6 が登場した。
その後、Mozilla Firefox 1.0 系列のプロダクトは、Mozilla 1.7 系列の基盤に即すものとする方針となった。
[編集] Mozilla Firefox
ブランディング戦略により、Firebird という名前は一時的なものとなった。しかし Mozilla 1.4 がリリースされたあとも依然として Mozilla Browser という名称変更が行われる気配がなかった。Firebird の完成度がメインプロダクトとして機能するほど充分な状態になかったことが原因であったが、さらに Firebird という名称が使われ続ける原因となる「事件」が起こった。Mozilla Foundation の設立である。
2003年5月末に起こった AOL と Microsoft の和解により、AOL 傘下であった Netscape と Microsoft 間で起こっていた反トラスト法訴訟などがすべて取り下げられた。また同時に、Microsoft のウェブブラウザ、Internet Explorer を数年に渡りロイヤリティフリーで使うという契約を結んだことにより、ブラウザを提供する Netscape の存在価値が危ういものとなった。これは Netscape のコードベースにもなっている Mozilla の存在価値をも揺るがす問題であった。こうした事態を受けて 2003年7月、Mozilla Organization は、 AOL から資金提供を受け、Mozilla の開発を支援する団体である Mozilla Foundation を設立した。
Mozilla Foundation の設立により、Netscape が担っていた「エンドユーザへのソフトウェア提供及びサポート」という目標が Mozilla Foundation にも覆い被さることとなった。それまで Netscape がリリースしたもののサポートを含め、Mozilla Foundation は Mozilla を今後もリリースしていかざるを得ない状況となってしまった。これにより4月に発表されたブランディングにおける「Mozilla Firebird/Thunderbird への開発体制移行」が閉ざされてしまうこととなった。
これにより、一時的とされていた Firebird という名称を使い続けることに対する懸念が生まれた。そのため同年11月ごろから、Firebird 開発チームが新たな名称への変更をするための動きが水面下で行われた。商標に関するトラブルはもちろん、他のプロジェクトで使われている名称との衝突を避けるため、念入りにリサーチが行われた結果、Mozilla Firefox という名称がこのブラウザの正式名称となることが決定し、2004年2月にはMozilla Firefox 0.8 がリリースされた。
このブラウザの名称にまつわる問題は、Mozilla Firefox という名前に落ち着くことで解決となった。名称の由来はレッサーパンダ(Red Panda)の別名からきている。
[編集] 表記・略称など
Firefox は FireFox, FireFOX, FIREFOX, Fire fox, Fire Fox などと表記されることが多いが、これらはすべて誤表記である。正式には最初の文字だけが大文字であり、分かち書きもしない。また FF と略記されることも多いが、こちらも誤りである。 Fx あるいは fx が好ましい略称とされている。[14][15]
日本においては、Firefoxを「Fire+fox」に分割した形で日本語に直訳し、「火狐」や「狐」等の愛称がユーザー間で使われることがある。(中国でも「火狐」という名称が使われている)
[編集] ライセンス
ソースは全てMPL/GPL/LGPLのトリプルライセンスでライセンスすることが定められている(改訂以前の古いコードではMPL単独やMPLでライセンスされているものもある)。一方、公式リリース版に用いられるロゴはMozilla Foundationの商標として保護されておりこれらのライセンスで扱うことはできない。ただしCVSデフォルトのロゴはトリプルライセンスの下で利用可能である。
なお、GPLとそれに派生するライセンスによる配布では、いかなる安全性も担保されないこと、損害賠償責任は免責されていることが明記されている[16]。従って、配布者が別途なんらかの保証をしていない限り、問題が発生してもその責任を問うことはできない。
[編集] 関連項目
- フォクすけ - Firefoxマスコットキャラクター
- Mozilla Foundation - 開発元団体
- Mozilla Japan - 日本国内でMozilla製品のサポートを行う団体。
- Mozilla Add-ons - Mozilla製品用の拡張機能をエンドユーザー向けに公開している公式サイト。
- Spread Firefox 2006 Summer - Firefoxを広めるキャンペーン。
- Mozilla Application Suite - Firefoxの元となったソフトウェア。
- SeaMonkey - Mozillaの後継ソフトウェア。
- Mozilla Thunderbird - Firefoxと同じく独立したタイプのメーラー。
- Camino - 旧 Chimera。Mac OS X ネイティブのGeckoブラウザ。
- Mozilla Sunbird - Mozillaのカレンダーのみの単体ソフト。
- Nvu - MozillaのHTML編集単体ソフト。
- もじら組 - 日本におけるMozillaコミュニティ
- 拡張機能 - Geckoのクライアントに機能を付加するプログラム。
- ブラウザ戦争
- 推奨ブラウザ
[編集] 脚注
- ^ 詳しくはタブブラウザの項目を参照のこと。
- ^ http://www.mozilla-japan.org/support/firefox/faq#talkback
- ^ OS との統合や ActiveX の危険性については Internet Explorer 開発者も認識している。 http://blogs.msdn.com/ie/archive/2005/09/19/471316.aspx
- ^ モジラ財団幹部:「FirefoxはIEより安全」 - CNET Japan
- ^ セキュリティに関するお知らせ:セキュリティと Mozilla ブラウザ - Mozilla Japan
- ^ http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20080217,00.htm
- ^ アニメカーソルの脆弱性はFirefoxの方が深刻?
- ^ Firefoxにパスワード流出の脆弱性――MySpaceで悪用の報告も
- ^ "Bug 308973 - Rebrand Firefox trunk and 1.8 branch builds to avoid confusion" mozilla.org Bugzilla.
- ^ "Firefox2" Mozilla Wiki.
- ^ "Firefox2/StatusMeetings" Mozilla Wiki.
- ^ "Firefox3" Mozilla Wiki.
- ^ "Gecko 1.9 Alpha Planning" Mozilla Wiki.
- ^ http://www.mozilla.org/support/firefox/faq#spell-abbreviate
- ^ http://www.mozilla-japan.org/support/firefox/faq#spell-abbreviate
- ^ GNU General Public License : NO WARRANTY
[編集] 外部リンク
[編集] 日本語
- Mozilla Firefox - Mozilla Japan
- Mozilla Firefox まとめサイト
- Firefox Bookmarks
- Firefox拡張機能集Wiki
- Mozilla Links 日本語版 - Mozilla 関係のニュースブログ
- Firefox更新情報 Wiki - 拡張機能、テーマ、独自ビルド等の更新情報
- ブラウザからの直接検索インデックス - 検索プラグイン(OpenSearch)のリスト
[編集] 英語
- Mozilla Coporation
- mozilla.org
- Spread Firefox - Igniting the web
- Mozilla Firefox の脆弱性報告 - Secunia
- Gran Paradiso α2 リリースノート
- Bezilla Project - BeOS 系オペレーティングシステムへの移植プロジェクト