ファイルフォーマット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファイルフォーマットはコンピュータ上で利用するファイルの保存形式を指す。コンピュータで扱う文書、音声、画像、動画などのさまざまなメディアのファイルを特定の利用方法やアプリケーションソフトウェアで共通に扱うための形式や規格のこと。
通常、すべてのファイルは単なるテキストまたはバイナリファイルであるので、ファイルの内容だけからはそのファイルフォーマットを知ることが困難な場合がある。このため、ファイル名に拡張子をつけて識別したり、ネットワークでの転送時にはMIMEヘッダ等をあわせて送るといった方法がとられる。しかし、拡張子は簡単に、しかも自由に編集できるため、信頼性は極めて低い。そのため、多くのファイルフォーマットは、ファイルの先頭にマジックナンバーと呼ばれる、より確実にファイル形式を識別するための情報を付加する。
さまざまなアプリケーションで扱える標準的なフォーマットもあるが、オペレーティングシステムやアプリケーションによりそのデータ形式は様々である。
目次 |
[編集] データの区切りの単位に注目した分類
- bit(ビット)をデータの区切りの単位とするデータ。例:圧縮されたデータ
- byte(バイト、1byte = 8bit)を単位とするデータ。例:各種アプリケーションのデータファイル
- 文字を単位とするデータ。例:テキストファイル
[編集] 汎用性に注目した分類
- 標準化されたフォーマット
- 国際的な機関で制定されたフォーマット。ファイルフォーマットの例としては、JPEG、MPEGなどがある。標準化機関の例としては、ISO(国際標準化機構)、JIS(日本工業規格)、W3C(World Wide Web Consortium)などがある。
- 事実上、業界標準となっているフォーマット
- 下の特定のオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションに依存するフォーマットに含まれるが、広く使用され事実上標準(デファクトスタンダード)となっているもの。例としては、GIFなどがある。
- 特定のオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションに依存するフォーマット
- 各種OSやアプリケーションのデータファイル。例としては、BMP、RTF(ともにWindows)、PDF(米Adobe社)など多数ある。
[編集] よく知られたファイルフォーマット一覧
[編集] テキスト、ハイパーテキスト、ドキュメント
- プレーンテキスト
- Rich Text Format (RTF)
- HyperText Markup Language (HTML)
- Extensible HyperText Markup Language (XHTML)
- MHTML (MIME Encapsulation of Aggregate HTML Documents)
- TeX
- OpenDocument (Open Document Format for Office Applications)
- PDF (Portable Document Format)
- DjVu
- DVI
[編集] データ記述フォーマット
- XML (Extensible Markup Language)
- Standard Generalized Markup Language (SGML)
- スタイルシート (CSS)
- カンマ区切りテキスト (Comma Separated Values)
- Adobe Photoshop (PSD)
- Adobe Illustrator (AI)
- PostScript (PS)
- Encapsulated PostScript (EPS)
- Windowsメタファイル (WMF)
[編集] 画像
- JPEG (Joint Photographic Experts Group)
- JPEG 2000
- GIF (Graphics Interchange Format)
- PNG (Portable Network Graphics)
- TIFF (Tagged Image File Format)
- BMP (Microsoft Windows Bitmap Image)
- PICT (QuickDraw Picture)
- MAG
- TGA
- DNG (Digital Negative)
- FlashPix
- SVG (Scalable Vector Graphics) - vCard - vCal
- WMP(Windows Media Photo)
- DPX
- OpenEXR
[編集] 音声
コーデックも参照してください。
- MP3 (MPEG-1 Audio Layer-3)
- mp3pro
- AAC (Advanced Audio Coding)
- ALAC (Apple Lossless Audio Codec)
- マイクロソフトWAVEフォーマット (RIFF Waveform Audio Format)
- Windows Media Audio (Windows Media Audio)
- AIFF (Audio Interchange File Format)
- Sunオーディオファイル
- Ogg Vorbis
- RealAudio (Real)
- FLAC (Free Lossless Audio Codec)
- Monkey's Audio (Monkey's Audio)
[編集] 楽曲
- MIDI (Musical Instrument Digital Interface)
- SMF (Standard MIDI File)
- EUPHONY - FM TOWNS標準の楽曲フォーマット(EUP)
- MML (Music Macro Language)
- SMAF (Synthetic music Mobile Application Format)
[編集] 動画
コンテナフォーマットも参照してください。
- AVI (Microsoft Audio Video Interleave format)
- ASF (Advanced Systems Format)
- FLV (Flash Video)
- OGM (Ogg Media)
- OGG (Ogg file)
- MPEG (Motion Photographic Expert Group)
- MP4 (MPEG-4 Part 14)
- MOV
- RealMedia
- VG2
- DivX (DivX Media Format)
[編集] 時間軸を持つもの
- GIF Animation
- MNG (Multiple-image Network Graphics)
- SWF (Macromedia Shockwave Flash)
- SMIL (Synchronized Multimedia Integration Language)
[編集] ファイルアーカイブ(圧縮など)
[編集] プログラムファイル
[編集] その他
- EDIF - 電子設計データ
[編集] ファイルフォーマットと関連づけ
特定のファイルフォーマットと、それを開くアプリケーションソフトウェアを登録しておき、操作を行いたいファイルを選択した際にアプリケーションソフトウェアを選ぶ手間を省くための動作を関連づけるという。関連づける手法はオペレーティングシステムなどの環境により異なる。例えばWindowsやOS/2では拡張子によって対応するアプリケーションを選択する(Windowsではレジストリに登録する。OS/2ではWPSの.INIファイルに情報が格納される)。Mac OSでは、ファイルをデータフォークとリソースフォークの二つに分けて構成し、リソースフォークに利用すべきアプリケーションを登録する。FTP等を介してファイルをやりとりする場合は、リソースフォークをファイルの先頭に特殊なヘッダとして埋め込み、対応アプリケーションの情報を保持している(Macバイナリ)。Mac OS Xからは拡張子による対応づけも利用するようになり、SpotlightではUTIも使用されている。