AMBAC
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AMBAC(Active Mass Balance Auto Control, アンバック)は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」のうち、宇宙世紀及びコズミック・イラを舞台とする作品に登場する技術。
[編集] 技術解説
AMBACは能動的質量移動による自動姿勢制御と訳され、宇宙空間で可動肢の一部分を動かすと本体は反作用を受けて逆の方向へという性質を利用し、姿勢を制御する手法を指している。現実でも宇宙飛行士が船外活動でよく使っている技で、それを機械(モビルスーツ・モビルアーマー)にやらせようという訳である。なお、現実においてはこの対象にこのような名称は付けられていない。
バーニアやスラスターなどで姿勢制御を行うより素早く、推進剤の消費もなく姿勢制御を行えるため、モビルスーツにおいて宇宙空間では無駄になると考えられていた可動肢(腕部や脚部)は、非常に有用なものとして働くこととなる。逆に言えば、モビルスーツの動きを鈍らせるには可動肢を狙うことが有効ということになる。
一年戦争終結後はテールスタビレーターやフレキシブルバインダーという名称で、四肢とは別に可動肢を設ける事によって積極的に機体の姿勢制御を行う形に発展している。
[編集] 出典
この用語は本編放映中にアニメの制作スタッフによって生み出されたものではなく、後日出版されたムック『ガンダムセンチュリー』が初出の非公式設定だった。同人サークルのSFセントラルアート、および企画集団であるスタジオぬえのメンバーであった、後のガンダムシリーズに設定考証として参加する森田繁が学生時代に考案した。劇中では『GUNDAM EVOLVE』や『MS IGLOO』に登場するモビルスーツたちが、それらしい姿勢制御を行うカットがある。いかにももっともらしい設定で大変ユニークではあるが、人型兵器を合理化するためのフィクションである。
「もっともらしい」とする理由としては、実際にロボットが宇宙空間で腕を振り回すことを考えると、角運動量保存の法則によって自然に活動できる姿勢を保持するのは困難であるということがあげられる。例を挙げると、右回りに回転しているガンダムが右腕を右に振り回せば、確かに胴体は瞬間的に停止する。しかし、腕が後ろを向いてしまっているためになんら有効な活動はできないし、腕が回りきった段階で胴体もつられて元の方向に回りだしてしまう。実際の姿勢制御では、腕のように稼動範囲が限定されていない、何らかの質量を動かした方が有効である。
[編集] 実際の検討
実際の技術的な検討・考察を行った研究が(社)計測自動制御学会の刊行する「計測と制御」43巻1号8~9頁に紹介されている。(産業技術総合研究所のデータベースに見える紹介)
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