モビルスーツ
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モビルスーツ (MOBILE SUIT: MS(エムエス)) は、アニメ『機動戦士ガンダム』をはじめとする「ガンダムシリーズ」に登場する、架空の兵器の分類の一つ。一種のロボットで、ほとんどの場合人型をした有人機動兵器の事を指す。
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[編集] 概要
[編集] 劇中の大道具・小道具としてのモビルスーツ
1979年制作の『機動戦士ガンダム』において初登場したモビルスーツは、1972年制作の『マジンガーZ』以来のロボットアニメに登場するロボット達とは大きく異なる特徴を持っている。従来のロボットアニメに登場するロボットは、特撮番組などにおけるヒーローと怪獣、例えば『ウルトラマン』におけるウルトラマンとウルトラ怪獣の役割を、主役ロボットと敵役ロボットとに置き換えたものである。これに対して、モビルスーツは戦闘機や戦車と同じような兵器の一種として扱われている。すなわち、戦場を舞台としたドラマにおける大道具あるいは小道具として存在しているのである。
『機動戦士ガンダム』はそれまでのロボットアニメに、例えば『宇宙戦艦ヤマト』で見られたような戦場を舞台とした人間ドラマの要素を取り込んだ初の作品であるとされている。モビルスーツの華々しい活躍は物語において確かに重要ではあるが、それ以上に戦場で相対する人々の人間模様や、特に成長途上の少年少女達が多く登場した『機動戦士ガンダム』にあっては彼らの成長が重要な要素として描かれている。また『機動戦士ガンダム』では重要なテーマとして「人類の革新『ニュータイプ』」という存在が物語後半でクローズアップされ、その意味や意義を描く小道具としてもモビルスーツは重要な存在である。
例えば、『機動戦士ガンダム』で最も数多く登場したモビルスーツ・ザクがそれまでのロボットアニメの敵巨大ロボと根本的に異なる点は、「同型機が何度も、かつ同時に複数登場する」という点である。(巨大ではないが『新造人間キャシャーン』のロボット軍団のように、量産型の登場例は既にあった。)それまでの敵ロボットは毎回毎回外見も行動も異なるものが一機ずつ登場していたのに対し、『機動戦士ガンダム』第1話から第11話までの間、敵側のモビルスーツはいわゆるザク、旧ザク、そしてシャア専用ザクだけで通してしまったのである。そしてザクは同じ機体が同時に複数登場するのが常である。またザクの武装はマシンガン・バズーカといった実在の歩兵用火器をモビルスーツの大きさにしたものであり、怪獣のような火炎や怪光線で攻撃してきた従来の敵ロボットとはこの点でも一線を画していた。外観も商品化が予定されていなかった事もあって、大戦中のドイツ軍兵士をイメージさせる兵器らしさを強調したデザインとなっており、特に高年齢層には主役のガンダム以上の人気を博す事になる。敵ロボットのみならずロボットアニメのロボットの概念を根本的に変えてしまったザクを、ロボットアニメ史に残る傑作機とまで呼ぶファンもいるほどである。なおこうした「ロボットをあくまで兵器として扱う」というコンセプトはその後のリアル系ロボットアニメの主流となり、主役メカが存在せず敵味方が同じ量産機で戦うという内容の『装甲騎兵ボトムズ』でピークに達する。
主人公アムロ・レイが搭乗する主役機ガンダムも、ザクと比べて強いことは強いが桁外れな強さを誇ったわけではない。ビームライフルなどザクにはない強力な武装というアドバンテージこそあったが、グフやドムなどといった敵側の新型モビルスーツの登場によってその差は縮められ、それらに搭乗する凄腕のパイロットの前にはしばしば苦戦を強いられている。アムロがそれらに打ち勝つのも彼自身の人間的成長によってであったり、あるいはニュータイプとして超人的感覚を覚醒させることによってであった。
モビルスーツという兵器の概念は、『機動戦士ガンダム』の企画時に、本来は登場させるつもりはなかったロボットをスポンサーの意向により登場させざるを得なくなった際、スタジオぬえの高千穂遙が、ロバート・A・ハインライン著のSF小説『宇宙の戦士』の一読を企画部長の山浦栄二に薦めた。総監督の富野喜幸(現・富野由悠季)をはじめとした制作スタッフは、当初は「パワードスーツ」のアイディアを元に全高2m程度の強化装甲服を使うつもりであったが、スポンサーから巨大ロボットではなくてはだめだと要求されたため、人間の約10倍である18mのロボット、つまりマジンガーZと同じ大きさとなった(「モビルスーツ」という名称はその名残である)。当然、兵器論としてはこの様に巨大なものは役には立たないことは分かっていたが、当時のアニメロボットの主流は50m~100m程度であったため、これでも十分にリアルな描写ができると判断されたのである。なお「モビルスーツ」以降、ロボットアニメでは登場する巨大ロボット兵器を単に「ロボット」と呼ばず、「重機動メカ」「ウォーカーマシン」「オーラバトラー」などと同様の総称を設定する事が慣例となっている。
本来は、物語の最後まで敵側のモビルスーツはザクのみで通す予定であった。しかし視聴率低下によるてこ入れから複数のモビルスーツを登場させざるを得なくなり、さらにはモビルアーマーの登場にまで至った。新モビルスーツの登場は、当初こそ世界観を破壊してしまうのではないかと懸念されたものの、新型兵器が開発されることは全くおかしなことではないとの結論に至り、後には全機種がプラモデル化されるなど、結果としてはキャラクタービジネスの成功へとつながるのである。
[編集] キャラクターとしてのモビルスーツ
モビルスーツはキャラクターの一種としても非常に成功した部類である。『機動戦士ガンダム』の本放送は、そのリアリティを重視した物語が従来のロボットアニメとあまりに異質であったこともあって当初は視聴率が今ひとつ振るわず、またメインスポンサーであったクローバーが発売していた玩具の売り上げが不振であったために終盤近くで打ち切りとなってしまった。その後1980年にバンダイからガンダムをはじめとしたモビルスーツのプラモデルが発売され、価格の手ごろさなどから当時の子供達に絶大な人気を博した。やがて「ガンプラ」と呼ばれるようになったこれらのプラモデルの人気と、ドラマ性を重視した物語の評価とが相まって『機動戦士ガンダム』の再放送の視聴率は非常に高いものとなり、そして劇場版映画として再編・上映され大ヒットとなった。ガンプラは子供向けの簡便な低価格キットから高年齢層向けに凝った作りの高価格キットまで幅広く展開されている。四半世紀を経た現在でも続編作品の登場機体に加え、いまだに初代ガンダムやザクの新型キットが発売されるなどその人気は全く衰えていない。
ガンプラ以外にもフィギュアなどが発売され、またモビルスーツが登場するコンピューターゲームも、その操縦を楽しむアクションゲームやこれによる戦略を楽しむシミュレーションゲーム等多数が制作されている。子供向けやファン向け以外でも、一般の大人向けの商品のキャラクターとしてもモビルスーツは人気がある。
またモビルスーツを2~3頭身程度にデフォルメした『SDガンダム』シリーズも高い人気を持つ。これらは本来のモビルスーツをコミカルに表現したもので、体型以外の設定はそのままにコンピュータゲームに登場したり、あるいは本来のガンダムシリーズを離れて全く新しいキャラクター・世界観を構築したものもある。
[編集] モビルスーツのデザイナー
『機動戦士ガンダム』においてモビルスーツをデザインしたのはメカデザイナーの草分けである大河原邦男である。実際の現場では富野監督やキャラクターデザイナーで作画監督の安彦良和によってもデザインの提案や修正がおこなわれている(初期デザインのガンダムにはライディーンのように鼻と口があったのだが、安彦良和が異議を唱え、現在のようにマスクを付けているかのようなデザインとなった。また、青をベースとしたカラーリングだったのを、白をベースとするよう提案したのも安彦良和である)。さらに、番組中期以降の登場メカの大半は富野監督によってラフデザインがおこされ、それに比較的忠実な大河原邦男によるフィニッシュワークが行われているため、基本デザインは富野監督によるものと言っても過言ではない(『伝説巨神イデオン』でも同様のことが行われた)。ガンダムブーム・ガンプラブームによって「メカニックデザイナー(メカニカルデザイナー)」という職種が注目されるようになった。大河原はタツノコプロ時代に『ゴワッパー5 ゴーダム』『タイムボカンシリーズ』などのメカデザインを担当しており、モビルスーツのデザインとの共通点も見られ興味深い。
以降のガンダムシリーズにおいても、永野護や出渕裕、カトキハジメなどといった多くのメカデザイナーが参加している。
[編集] モビルスーツの設定付け
『機動戦士ガンダム』がアニメファンの人気を獲得する中で、その世界観に関する考察や様々な後付設定の創作が行われている。例えば製作スタッフとラポート社発行のアニメ雑誌「アニメック」編集部との交流により、モビルスーツには実在の兵器に似せた型式番号が割り当てられるようになった。例えばガンダムには「RX-78」、ザクには「MS-06」といった具合である。さらに劇中には登場しなかったバリエーション機が創作され、最終的には『モビルスーツバリエーション』 (MSV) と呼ばれガンプラなどで人気を博した。ガンダムとザクの型式番号や名称は、みのり書房発行の雑誌「月刊OUT」別冊『GUNDAM CENTURY』により、「RX-78-2 ガンダム(2号機)」「MS-06F ザクII F型」と、また旧ザクやシャア専用ザクも「MS-05 ザクI」「MS-06S 指揮官用ザクII」とより詳細に設定され、さらにそれがモビルスーツバリエーションに取り入れられることにより、公式的な設定となっていった。
また、モビルスーツによる白兵戦を必然のものとするために、レーダー等を使用不能にする粒子として創作されたミノフスキー粒子についても、『GUNDAM CENTURY』などにより応用され、劇中の様々な兵器などの設定付けがおこなわれた。例えばビームライフルなどを実現するメガ粒子、いわゆるバリアを実現するためのIフィールドジェネレーター、空中に大型の機器を浮かべるためのミノフスキークラフトなどである。これらは後にミノフスキー物理学という架空の科学体系としてまとめられている。モビルスーツが人型をしている理由についても、手足を動かす際の反作用で機体の向きを制御するAMBACという概念が創作されている。
ただ「ガンダムシリーズ」にあっては、ハードSFのような厳密なSF考証よりも、ヒロイックな描写や人間ドラマの方が優先される傾向がある。これに対して、現実の自然科学や軍事技術の視点より、これらの設定に対する指摘がなされることも少なくない。例えば、現実の宇宙空間では、金属はしばしば固着現象を起こす。真空中で長期間金属同士が密接することにより発生する現象である。そのため宇宙船を設計するときは可能な限り可動部分は減らし、必要最小限とするのが大原則である。モビルスーツには四肢や指など可動部分が多く、さらには変形するモビルスーツ等が多数登場しているが、ここでは固着については触れられていない。これらは科学技術の進歩によって解決されたという考えなのであろうと見られる。
こういった詳細な設定はそれ自体でファンを楽しませるものとなると同時に、後に作られたロボットアニメにも詳細な設定付け、特に「人型有人兵器の名称とその存在理由」を考証する必要性を生み出した。 この点については、監督である富野氏自身が、かつては「大型の人型汎用ロボットは、その人型ゆえに人間と同等の汎用性と実用性がある」という素朴な解釈を披露することが多く、現代においても大型二足歩行ロボットの実用性を信じる人は、この頃の富野氏の発言に影響されている人が多いと思われる。 もっとも最近は、富野氏自身が関わるガンダムエース誌での対談にて「背景は人間の戦闘である、という事を表す記号として、あえて人型にこだわっているだけで、現実にああいう兵器が役に立つ事はまずない」という主旨の発言が多く、少なくとも発信者の富野氏は現実的な視点に変化しているようではある。
[編集] 後の作品などへの影響
『機動戦士ガンダム』におけるモビルスーツの描写は、『超時空要塞マクロス』、『装甲騎兵ボトムズ』、『銀河漂流バイファム』、『新世紀エヴァンゲリオン』など、後進のロボットアニメに多大な影響を与えている。これらの作品では、『機動戦士ガンダム』同様にあくまでロボットをドラマの大道具の一種として描いている。後に古今のロボットアニメのロボット達が一堂に会するシミュレーションゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』において、これらのロボットに対して「リアルロボット」という分類名が与えられた。一方で『マジンガーZ』以来のロボットをヒーローと同等の存在として描くものを「スーパーロボット」と称し、リアルロボットとスーパーロボットはお互いに影響を与えつつ今日に至っている。
『鉄腕アトム』が等身大の人間と共に活動するロボットに対するあこがれを、『鉄人28号』が大型ロボットに対するあこがれをかき立て共に日本のロボット技術者にとって究極の目標となったように、モビルスーツも『マジンガーZ』と共に有人型ロボットへのあこがれをかき立て、ロボット開発の目標のひとつとなった。2005年に「LAND WALKER」という有人型二足歩行ロボットが公開された際には、アニメファンの間で「遂にモビルスーツ出現か」とまで騒がれるほどであった。このように「モビルスーツ」という言葉は、『機動戦士ガンダム』の知名度の高さもあり、人が乗って操縦桿で操縦する人型ロボット全体を示す代名詞にすらなっている。
[編集] 劇中におけるモビルスーツの概要
モビルスーツは平均的に人間の約10倍の大きさ(身長180cmと仮定して、18m。ただし作品によって大きさはまちまちである)をした人間型有人機動兵器で、胴体や頭部に設けられた操縦席に直接人間が乗り込み操縦をする。地球上や宇宙空間で主に活動するが、海洋や砂漠等の局地ではそれ専用に製作もしくは改修されたモビルスーツであれば行動できる。また、以上に挙げたどの環境でも行動可能なモビルスーツも存在する。
その行動はほとんどの場合、敵対勢力との戦闘を目的としており、ビームライフルを始め複数の武器を携帯するのが常である。また、モビルスーツそれ自体が移動するための燃料類(推進剤等)の搭載量が限られているため、稼動のためには補給や修理、整備を行える施設及びモビルスーツ単体の輸送も可能な宇宙戦艦等の、バックアップ体制が欠かせない。
また、モビルスーツはその外形を人型を拡大したものにすることで、人間に似た多用途性や汎用性を獲得したが、逆に人型にとらわれない外形で、モビルスーツには無い高加速能力や火力の増加などを取得している、モビルアーマーという種類も存在する。
なお、モビルスーツとの区別のため、人間が直接着用する従来のパイロットスーツや宇宙服は「ノーマルスーツ」と呼称されている。
ガンダムシリーズは以下に述べるように複数の世界観で展開され、モビルスーツの設定は各々の世界観で多少異なっている。
[編集] 各世界観におけるモビルスーツ
以下の設定には、アニメ作品中で表現されたものの他、先に述べたような雑誌上の企画で創作されたものや漫画・小説などの派生作品で創作されたものも含まれている。そうして作られた設定は後にサンライズの監修を受けて設定集などの形にまとめられたものが多いが、中には他の作品と矛盾を起こすものや後に顧みられなくなったもの、サンライズによって後に取り消されたものもある。それらの中にもファンの間でそれまで同様に扱われる設定も含まれることに注意が必要である。
[編集] 宇宙世紀におけるモビルスーツ
『機動戦士ガンダム』をはじめとする作品群の舞台となる「宇宙世紀」におけるモビルスーツ (Mobile Suit) は、"Mobile Space Utility Instrument Tactical" の略とされ、「戦術汎用宇宙機器」の意味である。
ただ、これは後にサンライズでSF考証を手がけることになる森田繁が、1980年代初めの同人誌「ガンサイト」やムック「ガンダムセンチュリー」で作った略語で、また裏設定の創作を手がけるプロダクション「伸童舎」のメンバーらによる、1990年代以降の関連書籍にも記載されている。それ以前には、単に“機動服”という意味を意図した乱暴な和製英語として存在していた。また、劇場版第2作『機動戦士ガンダム2哀戦士編』のパンフレットに掲載された大河原邦男のイラストには、「宇宙白兵戦用重機動宇宙服」という言葉が意訳語として掲載されていた。
[編集] モビルスーツの黎明期
地球連邦政府に対する全面戦争を想定していたジオン公国が、質、量ともに強大な力を持つ地球連邦軍に対し優位に立つための新しい兵器として、宇宙世紀0071年にサイド3の民間企業ジオニック社とツイマッド社とMIP社に宇宙用機動兵器を開発を委託。両社の提出した試作機はどちらも「腕」を備え「能動的質量移動による自動姿勢制御(AMBAC)」が可能であったが、加えて「脚」を備え完全な人型であったジオニック社の機体の方が選ばれ、宇宙世紀0073年、MS-01という型式番号とモビルスーツという名称を与えられた。宇宙世紀0075年、実戦型モビルスーツの採用トライアルにおいて、ジオニック社はYMS-05、ツイマッド社はEMS-04(ヅダ)を提出。EMS-04は宇宙空間での高い機動力を発揮しながらも試験中に爆発事故をおこし、結局安定した性能を示したYMS-05が採用され、「MS-05ザク」(後にザクI)と命名された。また、地球侵攻作戦のための局地戦用MS開発も宇宙世紀0076年に開発が始められた。
そして、ザクIとその改良型であるザクIIの大量生産が行われ、宇宙世紀0079年の一年戦争の緒戦に投入された。戦艦対戦艦の超長距離砲撃戦や突撃挺・戦闘機による一撃離脱戦法という、従来の艦隊決戦のみを想定していた地球連邦軍の意表をつく形で、目視での遠近感が掴みにくい宇宙空間で、しかも高い機動性を発揮するモビルスーツが接近し、敵艦に直接攻撃を加え撃破するという戦闘を行い、有効な迎撃手段を持たない地球連邦軍に対して圧倒的優位に立つこととなった。
この他、モビルスーツの開発以前にジオン公国で発見されていたミノフスキー粒子(レーダーやセンサー類を使用不能にするなど様々な働きをする)を戦闘空域で散布する事により、高性能レーダーに頼っていた地球連邦軍戦艦の索敵手段を封じる事に成功したのも大きな勝因であった。また、後に地球上においても水陸両用MSが連邦軍の艦艇に多大な被害を与えている。
そして、ジオン軍に決定的な差を付けられ、大打撃を受けた地球連邦軍も極秘にモビルスーツを開発。当初完成したのはガンダム、ガンキャノン、ガンタンクという3種類のモビルスーツであった。連邦軍は、これらの中で特に能力が突出して高かったガンダムの簡易量産型であるジムを大量に生産し、実戦投入した。これにより地球連邦軍は一年戦争に勝利する事ができた。
それ以降、モビルスーツという新たな兵器体系は戦車や航空機等といった既存の兵器のほとんどに取って代わる存在となり、また、多種多様なモビルスーツが製作されていく事となる。
なお『ガンダム』世界はエネルギーを木星産のヘリウム3による核融合発電に依存しているが、モビルスーツの動力源にはミノフスキー物理学により大幅な小型化を実現した「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核融合炉」が使用されており、冷却問題を除けば稼働時間限界は無いと言って良い。(ただし、具体的に核融合をどう用いて発電を行うかが作品中で語られたことは一度も無い。)
[編集] モビルスーツの世代別分類
モビルスーツが登場して以降、その時代背景や技術水準によって様々なタイプのモビルスーツが開発されている。モビルスーツは次の様に大別される。
[編集] 第1世代モビルスーツ
主に『機動戦士ガンダム』とその外伝群、および『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する世代。
ジオン公国軍が開発したザクIを始めとし、モノコック構造あるいはセミ・モノコック構造を基本としている。一年戦争終結までに開発されたモビルスーツのほぼ全てと、デラーズ紛争期のモビルスーツがこれに含まれる。以後のモビルスーツの基礎を築いた。
モビルスーツという兵器が登場したばかりのため、いろいろなタイプのものが製作され運用された。運用されるものの中には後方支援タイプのキャノン搭載タイプや、水中で行動可能なものなどもみられたが、世代が進みモビルスーツ自身の性能が上がるにしたがい、こういった専用のタイプというものは製作されなくなっていき、多岐にわたったMSの進化の道は次第に絞られて洗練されていった。
[編集] 第2世代モビルスーツ
主に『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する世代。
第2世代モビルスーツの条件として全天周囲モニター・リニアシート・イジェクションポッドの採用、ムーバブルフレームの導入、装甲材としてガンダリウムγを使用していることの3つを満たしていることが挙げられる。また、ジェネレーターの小型軽量化と高出力化によりビーム兵器の携行が一般的となった。装甲もビームの直撃を避けるため運動性重視のものとなり、それを対ビームコーティング仕様のシールドで補っている。一年戦争終結後に開発され、グリプス戦役から第二次ネオ・ジオン抗争に掛けてのほとんどの量産機がこれにあたる。
[編集] 第3世代モビルスーツ
第2世代モビルスーツに可変機構を加えた可変モビルスーツがこれにあたる。グリプス戦役から第一次ネオ・ジオン抗争に掛けて多くの試作機が投入され、機動性や行動範囲を高めたり状況によって可変して戦闘することが出来た。しかしその面、生産コストの高騰や機体構造が複雑になったことによる整備性の低下などにより主力機とはなりえなかった。
[編集] 第4世代モビルスーツ
第一次ネオ・ジオン抗争時に台頭した、大火力を備えるニュータイプパイロット対応モビルスーツの総称を指す。基本的な条件としてはモビルアーマークラスの高出力ジェネレータの搭載、並びジェネレータ直結式の高出力メガ粒子砲を固定武装として有すること、さらに、サイコミュの安全性が高く、高度なニュータイプ能力を持たないパイロットにも操縦可能な点が挙げられる。(インコムやバイオセンサーといった簡易サイコミュもこの範疇に含まれる。)また、多機能化を追求した結果、総じて大型化する傾向にあり、頭頂高20mを超える機体が数多い。第3世代における変形機構の有無は条件には含まれず、スラスター・デバイスの推力自体は然程向上していない。しかし、ジェネレータの出力そのものが大きいため、モビルスーツとしての機動力は旧世代機を上回る例も少なくない。また、MSZ-010 ΖΖガンダムのような第3・第4世代相方の機能を有する機体も極一部には存在するが、この様な超々高級機は例外とされている。
第4世代モビルスーツは、その攻撃能力面において極めて高い性能を発揮したものの、兵器としては末端肥大化した観も否めず、また、コストや運用性の問題から大量生産には向かず、一部のエース・パイロット向けに少数が配備されるに留まっている。また、モビルスーツの技術的限界が見え始めた時期でもあり、第二次ネオ・ジオン抗争以降は再びシンプルな機体コンセプトへと回帰していく事となる。
[編集] 第5世代モビルスーツ
ミノフスキークラフトが搭載されたモビルスーツを第5世代モビルスーツと呼ぶことがある。すぐに第2期モビルスーツの時代に移行してしまったため、ここに分類されるものはペーネロペー、Ξガンダム、ゾーリン・ソールのみである。なお、後述の第2期モビルスーツを第5世代モビルスーツに分類する資料もある。
[編集] 第2期モビルスーツ
主に『機動戦士ガンダムF91』『機動戦士Vガンダム』に登場する世代。
宇宙世紀0110年代、これまで大型・高機能・複雑化、それに伴うコスト高という進化を続けていたモビルスーツを、原点に立ち返って見直す風潮が生まれる。そしてこれまでモビルスーツ開発の主導権を握っていたアナハイム・エレクトロニクス社に対抗して、サナリィがF90という小型モビルスーツを製作し、アナハイムが製作したモビルスーツ(MSA-0120。機体名の設定は無い)とのコンペティションにて、F90が見事次期主力モビルスーツに決定される。これ以前のモビルスーツは第1期モビルスーツと分類され、以降は第2期モビルスーツと分類される。全高は第4世代モビルスーツでは最大20mを超えていたのに対し、15m程度にまで小型化される事となる。高出力化が進み、ビームシールドの装備と単独での長時間飛行が標準的となる。また、このサイズでのIフィールド防御や大容量の携行武器も実装されている。
[編集] 有人機動兵機のその後
その後宇宙世紀0120年代から少なくとも0150年代まで、第2期モビルスーツが主力となる。
そのさらに先の時代を書いた小説『ガイア・ギア』には、モビルスーツに替わってマン・マシーン (MM) と呼ばれる機動兵器が登場し、再び20~24m程度へと戻っている。『Gセイバー』では再びモビルスーツが現れるが、マン・マシーンと同じく全高は20m程度である。
[編集] モビルスーツの階層構造
過剰性能とも言えるほどに高い性能を持たせた試作機・RX-78-2ガンダムは諸事情により実戦投入され、パイロットの技量もあって目を見張るほどの活躍を見せ、さらにこの戦果を元に量産機ジムが開発された。このことは後のモビルスーツ開発に重要な示唆を与えた。すなわち、エース級のパイロットに高性能な試作機を与え実戦投入し、その運用データを一般兵向けに簡略化した量産機開発に役立てるというものである。こうして高性能試作機と量産機という階層構造(ヒエラルキー)が出現した。
グリプス戦役期から第二次ネオ・ジオン抗争期にかけて(すなわち第2世代から第4世代にかけて)、階層構造に基づく機体性能の差別化が積極的に図られている。特に高性能な試作機はフラグシップ機として各陣営や製作元の象徴として扱われたことから、その開発に費用や新技術の投入を惜しまない傾向が見られ、結果としてモビルスーツの恐竜的進化を促すこととなった。
他の世界観の作品においても階層構造によるモビルスーツ間の極端な格差が見られることがある。
[編集] モビルスーツの系統別分類
モビルスーツをその開発者や技術の系統、およびそれからくる外観の差で分けることもある。ガンダムほかを原点とするいわゆる「連邦系」と、ザクIを原点とする「公国系(ジオン系)」の二種類に大まかに分類することがある。
連邦系モビルスーツはおおむね以下のような特徴を持つ:
- 直線的なシルエット
- 人間の目に似たデュアルセンサー、もしくはゴーグル型のセンサーユニット
- 胸部に左右一対のスラスター兼用排気口
- スマートな脚部
これに対し、公国系モビルスーツは:
- 曲線的なシルエット
- モノアイ(単眼)タイプのセンサーユニット
- 大振りのスカート型腰部アーマー
- 太めの(特に臑のあたりが大きく広がった)脚部
一年戦争期には連邦系・ジオン系双方には一目でそれとわかる差異があったが、同戦争後には双方の技術者が事実上アナハイム・エレクトロニクス社に一本化されたことから、双方の特徴が混じり合ったモビルスーツも登場している。
[編集] 未来世紀におけるモビルスーツ
『機動武闘伝Gガンダム』の「未来世紀」世界におけるモビルスーツ (Mobile-suit) は、元々作業機械として開発されたが、コロニー浮上時の戦乱において武装されるようになり、第一次カオス戦争にて急速に発展した。
ガンダムファイトの開始後は主にコロニーの防衛などの役目を担うが、量産機であるため、国を代表するべく作られたモビルファイターと比べると能力はかなり劣る。
モビルファイターはこの世界観独特の種別で、国家間戦争に代わってコロニー国家の覇権を賭けて行われるイベント「ガンダムファイト」のために作られた機種であり、モビルトレースシステムなど通常のモビルスーツとは異なった部分がある。他に「DG細胞」という一種のナノマシンによって形作られたデビルガンダムやこれによって作り出されたデスアーミーなど、未来世紀独特の機種が存在する。
[編集] アフターコロニーにおけるモビルスーツ
『新機動戦記ガンダムW』の「コロニー歴(アフターコロニー)」世界におけるモビルスーツ (Mobile Suit) は、 "Manipulative Order Build and Industrial Labors Extended Suit" の略で、「建設および工業労働用有腕式拡充型(宇宙)服」の意味である。レーダー技術の発達が進むなか、従来の兵器に取って代わるものとして開発された。
なお、自動で敵味方識別及び攻撃等、一切の操作を行えるモビルスーツはモビルドール(MOBILE DOLL, MOBILE Direct Opertional Leaded Laborの略)と呼ばれている。
[編集] アフターウォーにおけるモビルスーツ
『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー」世界においてはモビルスーツの登場要因や特別な意味づけはなされておらず、宇宙世紀の考え方とほぼ同じ見方である。
第7次宇宙戦争における大規模なコロニー落としによって地球が壊滅した後の「アフターウォー」世界において、地球上には旧連邦軍・宇宙革命軍双方のモビルスーツ等が数多く残され、物資として取引される一方、これを武器とする「モビルスーツ乗り」と呼ばれる人々が現れた。彼らは傭兵として活動したり、バルチャーとして両勢力の残したモビルスーツ等の機器を漁ったり、中には盗賊の類となるものもいた。そのためモビルスーツ乗りの評価は非常に低かったようである。
[編集] 正暦におけるモビルスーツ
『∀ガンダム』の「正歴」世界においてモビルスーツは「マウンテンサイクル」という場所から黒歴史の遺産として発掘された物であり、地球に住む人々はモビルスーツを「機械人形」と称する。
地球においては「月光蝶」によって過去に文明が失われており、物語において月の人々ムーンレィスの入植強行を受けた時点ではレシプロ航空機が最新兵器というレベルであった。モビルスーツを運用しているムーンレィスに地球の人々は太刀打ちできず、そのためマウンテンサイクルから発掘される機械人形は地球の人々にとって貴重な戦力となっている。
[編集] コズミック・イラにおけるモビルスーツ
『機動戦士ガンダムSEED』・『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』シリーズの舞台となる「コズミック・イラ」世界においては、最初のコーディネイター・ジョージ・グレンが木星探査船「ツィオルコフスキー」に搭載した外骨格補助動力装備の宇宙服が起源であるとされる。そのため開戦のかなり以前からモビルスーツは、脚付きのパワーローダーが一般に出回っているなど、脚付きの作業用機械として広く一般にも知られていた。
その後プラントと地球連合との対立激化の中でプラントの軍事組織ザフトの新兵器としてモビルスーツ「ジン」が制作され、その後の両者の衝突においてモビルスーツ1機でモビルアーマー3機ないし5機の戦力に匹敵すると恐れられた(ただしコズミック・イラのモビルアーマーは戦闘機の発展系とでもいった存在である)。連合もモビルスーツの開発に取りかかったが、最初期のモビルスーツ・G兵器はオペレーティングシステム(OS)の未熟さのためナチュラルには使いこなせない代物であった。その後OSの改良により、ようやく両者はほぼ対等のモビルスーツを運用できるように至る。ただしナチュラル用のモビルスーツは操作の大半をOSのサポートに依存することになるため、コーディネイターの操る機体と比べれば限界性能の制限が大きい。
コズミック・イラにおいては、人型のもの以外にもバクゥやラゴゥといった四足獣型のモビルスーツも登場している。四脚歩行・走行を行うこれらは、人型モビルスーツや戦車等と比べて地上(特に砂漠などの不整地)における機動性などの面で有利である。
以上から、コズミック・イラにおけるモビルスーツの定義は脚付きの大型歩行機械の総称であり、人型であっても、歩行機能を有さない機体は原則的にモビルアーマー等に分類される。
[編集] 解説
ここからは、いずれの世界観にも共通する点や比較しながら解説する点を取り上げてゆく。
[編集] モビルスーツの構造
モビルスーツは基本的に人型をしており、ほとんどは胴部・頭部・両腕・両足を有する。一部にこれ以外の可動部として翼などを有する機体や頭部と胴部が一体となったもの、脚部の代わりとなる移動装置を備えるものもある。
典型的なモビルスーツは胴部に操縦席・動力源(核融合炉などによるジェネレーターやバッテリーなど。詳しくは後述)を有する。これにも例外があって頭部に操縦席を設けたもの(例:ジオング)、脚部にジェネレーターを設けたもの(例:Ζガンダム)のような機種がある。
モビルスーツの操縦席はほとんどの場合単座式であるが、まれに複座式のものもある。
宇宙空間で活動するモビルスーツは一種の宇宙船でもあり、乗員の生命維持のために必要な気密機構・生命維持装置等を備えている。戦闘で破壊される危険性が常にあるため、宇宙空間では乗員は通常ノーマルスーツと呼ばれる専用の宇宙服を装着した上で搭乗する。機種によっては搭乗者の脱出・生存のための機構を備えるものがあり、コクピット全体を脱出装置としたり(例:イジェクションポッド)、コア・ファイターのように小型戦闘機を内蔵してこれを脱出装置とするものもある。
頭部にはカメラ・レーダー等の各種センサーや通信アンテナ等を備えている。文字通りモビルスーツの「顔」であるため、しばしば相手を威圧するような、あるいはヒロイックさを感じさせるような凝った意匠が施されることがある。
腕部は一般に汎用のマニピュレーターとして機能する。戦闘時には種々の武装を必要に応じて持ち替えることでモビルスーツは高い汎用性を獲得している。脚部は歩行装置としてだけではなく大型スラスターを備えた推進装置や降着装置としても機能する。特に宇宙世紀では両腕・両足を動かした際の慣性で機体の向きを変えるAMBACという技術があり、そのためのユニットとしても四肢は重要なものとされている。
胴体背部にはバックパック(子供向け資料ではしばしばランドセルとも表現される)を備えており、初期の作品においてはメインスラスターを備えるほか予備武装の装着箇所としても使用されている。シリーズが進むにつれバックパックに装着される部品は大型化し、機体を特徴づける重要なポイントともなっている。端的な例としてνガンダムのフィン・ファンネル、ウイングガンダムゼロカスタムの巨大な翼、ガンダムXのサテライトキャノン、果てはゴッドガンダムの光輪といったものまで存在する。さらにストライクガンダムではストライカーパックというバックパックを交換することによって多用な戦況に対応できるようになっている。
[編集] モビルスーツの操作
ほとんどの作品において、モビルスーツの操縦は左右各一本の操縦桿とフットペダルを中心に、他キーボードなどの補助的な入力装置によってなされている。実際にどこをどう操作すればモビルスーツがどのような挙動を起こすのかまでは設定されていない模様である。スロットルのような操縦桿を押せばモビルスーツが立ち上がったり、飛び上がったり、あるいはなにがしかの前向きな動きを見せるといった演出が見られることが多い。
そのため、モビルスーツの操縦をモチーフとしたコンピュータゲームにおいては作品ごとに様々な解釈が見られる。
またモビルスーツパイロットについては、しばしば訓練を受けていない素人がいきなりそれなりにモビルスーツを乗りこなしてしまうケースが見られる(例えばアムロ・レイ、キラ・ヤマトなど)。こういった人々は例えばニュータイプのような第六感とも言える特殊な感覚を持つ人々であったり、あるいはコーディネイターのような特に優れた資質を持った人々であることが多い(そして彼らはたいがい主人公である)。
未来世紀においてはモーションキャプチャに似たシステムを用い、コクピット内の操縦者の動きをトレースすることでモビルファイターを動かすモビルトレースシステムが実用化されている。
アフターコロニーのウイングガンダムゼロには「ゼロシステム」というシステムが装備されていた。これはシステム自身が必要な判断を下すものであるが、システムの方が操縦者を制御してしまうという危険な代物である。
コズミック・イラにおいては、モビルスーツの操縦は複雑でコーディネイターにしか行えないほどのもの、という認識がなされている。そのため地球連合軍はストライクガンダムの実戦データをもとにナチュラルでも操作できるモビルスーツのOS(オペレーティングシステム)を開発するまで苦戦を強いられることとなる。他の世界観のモビルスーツも人工知能などによる操作補助がなされているとされるが、コズミック・イラ作品群では特にOSなどを重要な要素として描いている。
モビルスーツは一種の「ロボット」として解されることがあるが、ロボットならば自動操縦によって自立的に行動させた方がより現実的なのではないかという意見もある。実際にアメリカ軍などにおいて研究されている「ロボット」はまず遠隔操縦あるいは自立行動ありき、である。だがガンダムシリーズにあって遠隔操縦は、例えば宇宙世紀においてはミノフスキー粒子のために不可能である。自立行動するモビルスーツは極めてまれで、『ガンダムW』のモビルドールぐらいしか例がない。これも劇中では、使用者が血を流すことが無いことから非人道的兵器になるおそれがある等として否定的に扱われていた。そもそも日本のロボットアニメにおいては、『マジンガーZ』以来主人公などが自ら乗り込んで操作するロボットを至上のものと見なしており、ガンダムシリーズもその流れの中にあることに留意する必要がある。
[編集] モビルスーツの動力源
コズミック・イラ作品群以外のガンダムシリーズにおいては、モビルスーツの動力源はあまり問題とされない。宇宙世紀作品群においてはミノフスキー物理学を応用した「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核融合炉」が動力源とされるが、モビルスーツの稼働時間が特に劇中問題となるほど短いという様子はあまり見られない(ちなみに、アムロが初陣でザクIIの動力炉をビームサーベルで斬ってしまったために大爆発が起こり、コロニー外壁にダメージを与えてしまった描写があるが、融合炉は本来核爆発の危険は無いので考証ミスといえる)。超大火力ビーム兵器を多用したためにエネルギーの消耗が激しいΖΖガンダムがサイコガンダムMk-IIとの交戦時にエネルギー切れに陥ったという描写があるくらいである。『ガンダムX』では15年間放置されていたガンダムXが手入れ無しで特に支障なく一通りの戦闘をこなしていた。さらに『∀ガンダム』に至ってはどれほどの期間土中に埋もれていたのかわからないモビルスーツがほぼそのまま稼働しているが、これはすべての機体が永久機関を搭載しているという設定である。
これに対して、コズミック・イラ作品群においてはモビルスーツの動力源やその運用可能時間は重要な問題となっている。コズミック・イラ71年当時のモビルスーツは、宇宙世紀のモビルスーツとは違い核融合炉は実用化されておらず、ザフトの散布したニュートロンジャマーによって核分裂炉が使用不可であるため、ほとんどの機体がバッテリー駆動である。そのため機体の稼動時間制限や母艦との連携が非常に重要なファクターになっている。反面、スラスターの燃費効率は非常に優れており、バッテリー切れよりも先に推進剤が切れることはまず無い。
後に、ニュートロンジャマーを無効化するニュートロンジャマーキャンセラー(劇中では「Nジャマーキャンセラー」と省略され表現される)を搭載することにより、核分裂エンジンを使用することが可能になったモビルスーツも登場する。それらのモビルスーツは、バッテリー駆動の機体では稼働時間を考慮して搭載できないような大出力の兵器を使用することが可能であるため、他のモビルスーツと比較して格段に戦闘力が高い。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦終結後、ユニウス条約により核エンジンの軍事目的に於ける使用が禁止されたため、コズミック・イラ73年(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)において、ザフトは母艦からモビルスーツに無線で電力を供給できるデュートリオンビーム送電システムを開発、インパルスガンダムを始めとする「セカンドステージモビルスーツ」に採用される。ただし、この頃オーブにおいて核エンジンを動力とするフリーダムガンダムがそのままの状態で復元され、実戦でも使用されているが、作中でこの件が問題にされたことはなかった。なお、小説版『SEED DESTINY』では「戦後の混乱の最中、フリーダム、ジャスティスに関する資料はすべて破棄された」とある。SEEDの劇中でもフリーダム、ジャスティスが核エンジンを搭載していることはザフト内でも秘匿されていたような描写が見られ、資料が破棄されたDESTINYにおいては「核エンジンを搭載している可能性」程度の認識だったのだろう。
この頃地球連合軍が強奪したガイアガンダム等のモビルスーツは、地球連合軍にデュートリオンビーム送電システムのノウハウや設備が無かったため、バッテリーのみでの駆動で運用されていた模様である。その後、地球連合軍の核攻撃などでユニウス条約が事実上形骸化したため、核エンジンとデュートリオンビーム送電システムのハイブリッド化によって出力と持続時間の強化が図られ、デスティニーガンダム等ザフトの新型モビルスーツに搭載された。クライン派のストライクフリーダムガンダム等も、このハイブリッド機構により従来の数倍の出力を得ることに成功している。
現実世界の原子力発電は核の熱で湯を沸かしてタービンを回すことにより行われ、また(長寿命ではあるが大出力は期待できない)原子力電池も人工衛星や無人探査艇に使用されているが、ガンダム世界ではいずれの作品においても、核動力により具体的にどのような方法で発電を行うのか説明されたことは一度も無い。また、コズミック・イラの世界において、モビルスーツに対し電力を供給する側である艦艇の動力源が何であるかも謎のままである。
[編集] モビルスーツの武装
[編集] 火器類
モビルスーツの武装は、大きく分けて実在の歩兵用火器をモビルスーツ大に大型化したものと、ビームライフルに代表されるビーム兵器など架空の兵器とに分けられる。火薬を使用した火器は確実さとエネルギー消費の少なさから、ビーム兵器は破壊力と弾速から用いられる。宇宙世紀においては特にメガ粒子によるビームが用いられる。他にもレールガンが使用されることもある。形態としてはマシンガン・アサルトライフル・スナイパーライフル・バズーカに似たものが多い。生物よりも遥かに強靭なボディを持つモビルスーツは、人間なら両手でなければ到底保持できないようなバズーカなども片手で軽々と扱うことが出来る。
また、手持ちの火器とは別に、小型(と言っても数十ミリ口径のものにはなるが)の機関砲やバルカン砲を内蔵火器として装備しているモビルスーツも多数存在する。これらの火器は頭部や胸部に設置されることが多く、主にCIWS(迎撃・防御用兵器の一種)として使用される。
この他、機種によっては固定火器として大砲(キャノン砲)や大型ビーム砲、ロケットランチャーなどを装備している場合もある。中にはこうした大型火器の運用を主目的とした、自走砲的な運用がなされるモビルスーツも存在している(例としてガンキャノン・ガンタンク)。これらは一般に支援モビルスーツなどと呼称される。
宇宙世紀では一年戦争の頃には多くのバリエーションが見られるが、機体の万能化により次第にその姿を消していく。コズミック・イラでは汎用モビルスーツのバックパックを砲戦仕様のもの(代表例としてはストライクガンダムのランチャーストライカー、ザクウォーリアのガナーウィザード、ダガーLやウィンダムに装備可能なドッペルホルン連装無反動砲などがある)に換装することで支援機体としての運用性を確保する方法が一般的であるため、換装システム確立以前の機種であるザウートとその後継機であるガズウート、バスターガンダムとその量産型バスターダガーやカラミティガンダムを除けば、支援モビルスーツという分類のモビルスーツ自体がほとんど存在しない。
[編集] 格闘武装
白兵戦用に剣・ナイフ・斧や槍などをモビルスーツ大にし熱や高周波で破壊力を増したもの、あるいはビームサーベルのように刃をビーム化したものが使用されることがある。細かい関節が集中するマニピュレーター(手)で拳を作り殴りつけることは、それを想定済みのゾゴックやアッシマーなどといった例外を除いて滅多に行われない。逆に言えばそれはよほどの事態ということである(もっとも、「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」ではνガンダムがサザビーを素手で殴りつける描写がある)。また、水陸両用モビルスーツの多くは水中行動時の水の抵抗を避けるため、マニピュレーターの代わりに固定式の格闘武装(大抵は巨大な爪)を装備していることが多い(爪の他にも、ロケットランチャーやビーム砲を腕部に内蔵しているケースも頻繁に見受けられる。従って大抵の場合、こうしたモビルスーツの腕部は「手」としての機能を成さない)。
『Gガンダム』の未来世紀で行われているガンダムファイトでは格闘家がモビルトレースシステムを用いてモビルファイターを動かすことから、他の世界観のモビルスーツと比べて格闘戦用の武装を用いる割合が非常に高い。例えばシャイニングガンダムのシャイニングフィンガーやゴッドガンダムの爆熱ゴッドフィンガーなど、手そのものを必殺の武器にしてしまうケースもある。他のモビルファイターも、他の世界観では見られないような奇抜な武装を数多く用いている。一方他の世界観でもジ・Oの隠し腕やデスティニーガンダムの掌部ビーム砲「パルマ・フィオキーナ」など、意表を突く格闘用武装を持つケースはある。
[編集] 遠隔操作兵器
宇宙世紀作品群には、ニュータイプの強力な感応波によって遠隔操作を行うサイコミュという技術が開発されている。これによりビットやファンネルと呼ばれる遠隔操作用小型兵器が生まれた。また、ニュータイプではない人間(オールドタイプ)でも扱えるようにした、有線式のインコムも存在する。(ただし、射程・動きの精密さ等で劣る)「ガイア・ギア」の時代では、ニュータイプ能力を持たない人間にでもファンネルが使用できるほどに技術が進歩しているが、肉体的・精神的に凄まじい負担がかかる事を覚悟せねばならない。これらは機体から射出・操作し、多数の敵を同時に攻撃したり、逆に一体の敵を死角から取り囲んで集中砲火を浴びせるなど、オールレンジ攻撃を行うことが出来る。『ガンダムX』にも同じような技術「フラッシュシステム」が存在するが、単なる小型兵器を操るだけでなく、機種によってはビットモビルスーツという無人モビルスーツを遠隔操作出来る。
コズミック・イラではドラグーンシステムやガンバレルといった遠隔操作兵器が登場するが、これらは感応波ではなく無線(量子通信)ないし有線で操作される。しかし操縦者にニュータイプに似た超人的な空間認識能力を要求するため、限られた人間にしか扱えなかった。しかし、後にシステムに改良が加えられ、ある程度の普遍化に成功している。
[編集] 防御
宇宙世紀作品群では、モビルスーツの防御は試行錯誤の繰り返しである。一年戦争期のザクなどでは標準装備の装甲による防御が行われたが、ガンダムなどが装備するビームライフルの出現で苦戦を強いられた。一方のガンダムやジムでは盾による防御が行われた。ガンダムNT-1のように追加装甲を試みたものもある。やがてビームライフル等のビーム砲をほとんどのモビルスーツが装備するようになると、桁外れの弾速と破壊力の前にほとんどの装甲が役に立たなくなってしまった。百式に施された金色の対ビーム装甲のような例も試みられたが、第2・第3世代モビルスーツではそれよりもモビルスーツに高い機動性を持たせてビームをかわす戦法が採られるようになった。いわゆるバリアに相当するIフィールドジェネレーターは一年戦争期には存在していたが、巨大な機器と莫大なエネルギーを要するためにながらく大型のモビルアーマーに装備されていたのみであった。後に第2期モビルスーツではIフィールドジェネレーターのモビルスーツへの搭載が試みられたが一部の機体に搭載されたのみで、その後はビームシールドが一般化するようになる。
コズミック・イラではフェイズシフト装甲(通称・PS装甲)という機構によってモビルスーツ表面の装甲を強化する手法が採られている。しかし大電力を消費する上、エネルギー切れが装甲色の変化で露呈する欠点を抱えるため、これもトランスフェイズ装甲(通称・TP装甲)やヴァリアブルフェイズシフト装甲(通称・VPS装甲)といった改良を加えた試行錯誤が見られる。
尚、これらPS装甲系のシステムは、モビルスーツ程度のサイズでは実体弾にしか通用せず、ビームを用いた兵装には対抗できないため、着弾したビーム射撃兵器のビーム弾を熱に変換して排熱し、ビーム射撃兵器の無力化を図ったラミネート装甲というものも地球連合の手で開発された。こちらはアークエンジェルなどの地球連合軍艦艇やミネルバなどのザフト軍艦艇、そしてザフト軍が開発したフリーダムガンダム、ジャスティスガンダムの耐ビームシールド、連合の制式機ダガーの胴体周囲に採用された。だがこのラミネート装甲にも、実体弾に対しては通常装甲程度の防御力しか期待できない、排熱機構が破損すると排熱が上手くいかなくなり、装甲全体、ひいては船体・機体全体が致命的なダメージを被るなどの弱点があり、完璧な装甲となるには至っていない。
その他の対ビーム防御法としては、早い時期から対ビームコーティングを施した携帯型シールドが開発され、以降ほとんどのモビルスーツに標準採用されている。他にもミラージュコロイドを用いた光学迷彩を使用するモビルスーツも登場している。コズミック・イラ73年の大戦では陽電子リフレクターを装備した大型モビルアーマーが登場したほか、一部最新鋭機はビームシールドや、アカツキの対ビーム防御・反射システム「ヤタノカガミ」などの特殊な防御システムを装備している。
[編集] そのほかの兵器
現実世界において中~遠距離兵器として頻繁に用いられるミサイルは、(モビルスーツで白兵戦を行う意義の関係からか)モビルスーツ用の主武装としてはあまり用いられない。特に宇宙世紀作品群においてはミノフスキー粒子によって、コズミック・イラ作品群においてはニュートロンジャマーによって、レーダーが使えなくなっている場合が多いため、ミサイルが使用可能な状況が限られてしまっているためである(このミノフスキー粒子やニュートロンジャマーという存在自体が、モビルスーツによる白兵戦を必然のものとするために創作されたものである)。ただし、小型のミサイルを固定火器やオプション武装として装備しているモビルスーツは、世界観、時代を問わず比較的多い。
まれに戦略兵器として、核兵器あるいはこれに匹敵する破壊力を持った兵器がモビルスーツによって運用されることがある。宇宙世紀では一年戦争初期にザクIIC型が核を運用したが、後に南極条約によってこの種の大量破壊兵器の使用が禁じられた。しかしガンダム開発計画においてガンダム試作2号機が核攻撃用モビルスーツとして開発され、デラーズ・フリートによって核弾頭ごと強奪されたあげく実際に連邦軍艦隊への襲撃に使用されてしまった。『∀ガンダム』では核弾頭が禁断の兵器として発掘されるが、小惑星の都市への落下を阻止するために∀ガンダムによって使用される。また、『SEED DESTINY』にあっては、地球連合軍がウィンダムに核ミサイルを搭載しプラント攻撃を図ったが、これはザフトのニュートロンスタンピーダーによって阻止されている。核以外でも化学兵器の一種として毒ガスが、一年戦争初期のコロニー攻撃などにおいてモビルスーツによって使用されている。
特殊な兵器としてはマイクロウェーブによるエネルギー伝送を利用したガンダムXのサテライトキャノン・ガンダムDXのツインサテライトキャノンや、ナノマシンによって周囲の物体を分解してしまう∀ガンダムおよびターンXの月光蝶が挙げられる。これらは単機で戦局や地形を変えるほどのすさまじい力を有すると共に、それぞれの世界観そのものと直結した存在でもある。
[編集] モビルスーツの運用・補給・支援
モビルスーツは専用の整備設備を持つ基地、あるいは同等の機能を有する宇宙戦艦や宇宙空母などの艦艇での運用が前提となっている。後者の例としては『機動戦士ガンダム』のホワイトベース、『Ζガンダム』のアーガマ、『逆襲のシャア』のラー・カイラム、『ガンダムSEED』のアークエンジェルなどが挙げられる。これらはモビルスーツを発進させるためのカタパルトや着艦のためのデッキ、および整備のための諸設備を備えている。
また、モビルスーツ単体では機動力が不足する場合(特に大気圏内)、サブフライトシステムと呼ばれる補助移動手段を使用することがある。これはモビルスーツを上に搭載する航空機類であり、同様の支援兵器としてモビルスーツと合体して機動力を増強するものもある。
モビルスーツによる大気圏再突入が行われることもある。『機動戦士ガンダム』において、ガンダムは大気圏突入を余儀なくされた状況で耐熱フィルム(テレビアニメ版)あるいは耐熱エアフィールド(映画版)で機体を守り無事生還したが、何も無しで突入したザクはあっけなく燃え尽きてしまっている。『機動戦士Ζガンダム』においては、一般のモビルスーツにバリュートというパラシュートとエアバッグを組み合わせたような装置を装着・展開することで大気圏突入を行っているが、ガンダムMk-IIはスペースシャトル型の盾のようなフライングアーマーの上に乗って、Ζガンダムは自身が変形し背中の翼と盾とを組み合わせることで機体を守っている。ウイングガンダムゼロカスタムは巨大な翼で全身を包み込むことで、ガンダムダブルエックスはGファルコンと合体することで、大気圏突入が可能になる。
モビルスーツも兵器の一種である以上、推進剤や弾薬の補充や機体のこまめな整備が欠かせない。それらが得られない場合、モビルスーツの運用には少なくない支障を来す。ホワイトベースは当初孤立状態で満足な補給を得られず苦労していたし、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ではやはり補給不足でなにかと苦労する前線の様子が描かれている。ジオン側も、量産機とはいえザク一機でも補給・整備には手間がかかり、開戦当初の優勢を維持できなかったのも戦線の拡大に補給が追いつかなかったためであるとされる。このため、勢力下であっても現地住民の敵対心を煽るような行為を避ける傾向がみられた。前線で支援を受けられない兵は、生身によるゲリラ的な攻撃をしかけることもあった。
もっとも正規の補給が受けられない状況でもどうにかしてしまうケースは結構ある。『ガンダムSEED』では、連合やプラントから離反した艦艇が結集した三隻同盟はジャンク屋ギルドを通じて補給をまかなっていたし、『ガンダムX』のバルチャー達に至っては、自身のコネを使った独自の補給ルートを構築したり、ありあわせのジャンクパーツでモビルスーツを修理・改造強化したり、さらには新しい武器やモビルアーマーまで作ってしまっている。また『ガンダムW』ではレジスタンス的な後方支援に加えて、機体構造の共通化による整備性の向上、パイロット自身で資材調達・改修を行う技術の訓練により戦力を維持していた。特異な例としては、ナノマシンによる自己修復機能を持つ∀ガンダムなどが挙げられる。
[編集] モビルスーツの耐用年数
モビルスーツの耐用年数は通常兵器と比較すると短い。通常、戦車等兵器の耐用年数はロールアウト後30年ほどであるが、宇宙世紀の場合そこまで長く使われたモビルスーツはジェガン、ジェムズガン、ジャベリン等、比較的争乱の少ない時代に採用されていたごく少数の機種にとどまる。一方ハイザックにいたっては10年もしないうちに民間に払い下げられており、この傾向は、黎明期のものである第1世代と、恐竜的進化を遂げた第3~4世代に顕著に見られる。もしくは、改善や修繕機なども存在する。コズミック・イラにあってもジンやゲイツ、ストライクダガーなどが前線から消えるのは早かった。
例外として、∀ガンダム等の発掘された黒歴史の機体は、ナノマシンの修復機能により幾世紀にも及ぶ年月を経てもなお、その機体性能を保っている。
[編集] 関連項目
[編集] モビルスーツ関連項目
特定の種別のモビルスーツに関する項目。
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