M3短機関銃
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M3A1グリースガン |
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M3短機関銃 | |
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種類 | 軍用短機関銃 |
製造国 | アメリカ・中国 |
設計・製造 | ゼネラルモータース |
口径 | 11.46mm(0.45インチ)、9mm |
銃身長 | 203mm |
ライフリング | |
使用弾薬 | .45 ACP弾、9mmパラベラム弾 |
装弾数 | 30発 |
作動方式 | ストレート・ブローバック |
全長 | 570mm
745mm(ストック延長時) |
重量 | 3.7kg |
発射速度 | 400~450発/分 |
銃口初速 | 280m/s |
有効射程 | 50m |
M3短機関銃(英:M3 Submachine Gun)とは、第二次世界大戦中にジョージ・ハイドとフレデリック・シンプソンによって設計され、アメリカ軍に採用された短機関銃である。
[編集] 歴史と概要
アメリカ軍は当時、M1短機関銃を採用していたが、性能重視の設計だったため、コストが高く生産効率が悪かった。軍は性能を多少落としても生産性を高めることを要求し、プレス加工と溶接のみで製造できる本銃が開発された。そして1942年12月24日に、試作銃T20はM3の名で採用される。制式名称 は"U.S. Submachine Gun, Cal. .45, M3 / M3A1"だった。
この銃は故障が大変少なく、携帯性にも優れていたので(M1短機関銃の全長は813mmに対し本銃は579mm)、歩兵用として以外にも戦車兵の自衛用火器として使用された。またコストもM1の1/3の22ドル(当時)であった。
1944年には、さらにコッキングレバーを省略し、ボルトを直接指で動かすようにするなど簡易化したM3A1が開発された。これは第二次世界大戦や朝鮮戦争などで使用され、戦後の日本の陸上自衛隊でも11.4mm短機関銃M3A1の名で制式採用され。ミネベア 9mm機関拳銃が採用された今も、戦車搭乗員の他普通科部隊の対戦車小隊所属60式自走無反動砲乗務員や高射特科部隊隊員などで使用されている。
大戦中のM3とM3A1の総生産数は約646,000以上であった。また、朝鮮戦争勃発に合わせ、更にM1A1が33,200挺生産されている。後にベトナム戦争の初期にも使用されたが、ここでは錆びやすく評判は良くなかった。
なお、この銃は外観からグリースガン(Grease Gun 潤滑油=グリースを機械に注入する工具に似ていたため)、ケーキデコレーター(ケーキの上にクリームをしぼり出して飾りつける道具に似ていたため)、そして生産地からデトロイト・サブマシンガンとも呼ばれている。