T-50 (練習機)
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[編集] 概要
韓国の航空機メーカー・コリアエアロスペース(KAI)と、アメリカ合衆国のロッキード・マーチンが共同開発した。愛称は「ゴールデンイーグル」(イヌワシ)。韓国が初めて主体となって製造した航空機であり、機体は韓国空軍が使用しているF-16に近い形状である。機体の開発に当たって開発費の7割を韓国政府が負担する一方、ワークシェアの55%はアメリカ側の取り分となっている。練習機ではあるが軽攻撃機としても使えるように設計されており、有事の際は軽攻撃機となる。実際、軽攻撃機型としてAPG-67レーダーを搭載したA-50が予定されている。
このような高等練習機と軽攻撃機を兼ねた設計の機体は世界的にも数多いが、超音速飛行が可能な既存機は、大成功したT-38/F-5の他は、ジャギュアとT-2/F-1くらいのものである。その理由は、超音速飛行と言えどパイロットとしての体感は亜音速飛行とさほど変わるわけではないこと、軽攻撃機として超音速性能が必ずしも必要でないこと、超音速戦闘機の多くが(一部の例外を除き)超音速飛行を常用しないこと、超音速性能を練習機に求めると機体のコストが格段に上昇することなどが挙げられる。そのため超音速高等練習機は不要というのが、ここ数十年の一般的認識である。T/A-50はこうした既存認識に挑戦するもので、ほぼ同様の計画としてはMAKOがある。MAKOは計画を中止してT/A-50を採用するとの噂もあるが、未確認である。
KAIとロッキード・マーチンでは、韓国軍の採用の他、海外進出を計画しており、ギリシャのヘレニック・エアロスペース(HAI)と協力してギリシャ空軍への売込みを図るとしている。その他、途上国を中心とした市場が見込まれており、500機程度の販売を期待しているが、米国の技術を主体とした機体のため、輸出には米国政府の許可を必要とする。公開時盧武鉉大統領自ら乗り込み、その存在をアピールした。
[編集] スペック
- 全長:12.98m
- 高さ:4.78m
- 主翼幅:9.17m
- 主翼面積:未公表
- 重量:6.441t
- エンジン:GE F404-GE-402 ターボファンエンジン 1基
- 武装:20mm M61A1バルカン,空対空ミサイル
- 最大速度:マッハ1.4
- 航続距離:1850km
- 乗員:2名