Wyvern (オンラインゲーム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
WyvernはアメリカのCabochon Technologiesが運営する無料のファンタジー系MMORPGである。開発者はRhialtoことSteve Yegge。Javaで動作するため、Windows、Mac OS、Linuxなどさまざまなプラットフォームでプレイすることができる。PDA版は2002年のCOMDEXで大賞を受賞している。
Wyvernの特徴はローグライクゲームのそれに始まり、タイルベースのグラフィックシステム、豊富な入力コマンド、魔法、スキル、難解なクエスト、チェスやSokobanなどのミニゲーム、探索し尽くすことのできないほど広大なマップなどである。遊び要素を含んだアイテムも多数あり、コレクターの収集意欲をそそる。ちなみに、土産物屋には日本の国旗がプリントされたTシャツが売ってあったり、中世の日本をモチーフとしたエリアが存在する。
現在、稼働しているサーバはcabochon.comの一つだけで、2001年にアルファ公開、2002年からベータテストを続けている。
9月8日頃からメンテナンスのため、サーバは停止している(cabochon.comへのアクセスも不可能)。Rhialtoは2006年度中に復旧させたいと言っている。
ゲームにはWizardと呼ばれる、ゲームを管理する複数のボランティアが存在し、彼らがゲーム内のマップやアイテムの多くを作成している。Wizardには条件を満たせば誰にでもなることができる。
目次 |
[編集] プレイヤー
プレイヤーはキャラクター作成時にプレイヤー名、種族、性別を決め、これらは変更できない。
[編集] 種族
Wyvernには現在8種類の種族が存在する。
- Human(人間)
- 至って平均的な能力値を持つため、どんなキャラクターにも育てることができる。スキルポイントが他の種族より多い。この種族のみイメージが複数用意され、一部のギルドでは専用イメージが用意されている。
- Halfling(ハーフリング、ホビット?)
- 防具は小人用を装備し、人間より力が弱いが魔法能力は高い。透明になることができ、スキルポイントも人間と同じだけ獲得する。
- Dwarf(ドワーフ)
- 斧の扱いに長ける。人間より力が強くHPも多いが、魔法能力は低い。
- Elf(エルフ)
- エルフは人間より力が弱くHPも少ないが、射撃と魔法に長ける。エルフには以下の3つの亜種が存在する。
- High elf(ハイエルフ):透明なものを見ることができる。アーチャーギルドに加入すると射撃武器スキルに+3。
- Dark elf(闇エルフ):暗闇の中でもよく見通すことができる。アーチャーギルドに加入すると射撃武器スキルに+5。
- Wood elf(森エルフ):上の2つの能力を若干備える。
- Pixie(ピクシー)
- 素早く飛べる羽の生えた妖精で、魔法能力が極めて高いが肉体能力は極めて低い。防具は小人用を装備する。
- Naga(ナーガ)
- Rakshasa(ラクシャサ、羅刹天?)
- Giant(巨人)
- 巨人は人間の倍以上の力とHPを誇るが、魔法能力は極めて低い。両手武器を片手で装備でき、防具は巨人用を装備する。体が大きく狭いところに入れないため、体を伸縮する能力を持つが、縮むと非常に弱くなる。巨人には以下の4つの亜種が存在する。
- Frost giant(霜の巨人):斧の扱いに長け、高い冷気耐性を持つ。
- Fire giant(炎の巨人):高い火炎耐性を持つ(火炎攻撃を行う敵は多い)。
- Storm giant(嵐の巨人):(巨人の中では)高い魔法能力と電撃耐性、電撃の呪文を持つ。
- Stone giant(石の巨人):高い石化耐性を持ち、HPも全種族中最多。鈍器の扱いに長け、宝石を鑑定するスキルも持つ。
[編集] ギルド
Wyvernには数種類のギルドが用意されている。ギルドには排他的ギルドと非排他的ギルドがあり、排他的ギルドではある種の戦闘スキルに特化させることができるが他の排他的ギルドとの掛け持ちは不可能である上、専用のクエストをクリアしなければならない。いっぽう非排他的ギルドでは掛け持ちも可能で、クエストをクリアする必要もないが、ゲーム上有利になるような点はない。
排他的ギルドにはギルド経験値が存在し、ギルドの定めた一定の方法(Paladinなら剣で、Mageなら魔法、Archerなら射撃など、それぞれが専門とする攻撃で倒さなければならない)でモンスターを倒すことで得られ、これが一定量溜まるとギルドレベルが上昇する。ギルドレベルが上がるにつれギルド特有の能力が上昇していき、レベル10で最高となる。この能力はギルドを脱会すると同時に全て消失する。 なお、Rangerは外套を装備できないなど、一部のギルドでは装備に制限がつく。
[編集] 排他的ギルド
-
- Archers
- 射撃武器専門。魔法の強さ自体にはペナルティを受けないため、魔法が使いやすい。狭い場所で囲まれると対応できなくなるため、打撃スキルも若干必要となる。
- Axemans
- 斧専門。魔法能力にペナルティを受けるが、最高で斧スキルが+20ももらえる(普通は10)。
- Cavemans
- 鈍器、素手戦闘専門。魔法能力に非常に大きなペナルティを受けるが、最高でHPが2倍になる。
- Mages(魔法使い)
- 魔法専門。magic whip(同名の魔法から生成できる)という武器を使えば、打撃でもギルド経験値がもらえる。magical artsやelementsにはボーナスはもらえないが、これらを増長させるギルド専用アイテムが販売されている。
- Monks(修行僧)
- 素手戦闘専門。回避スキルにも長けるが布製の防具(指輪などの装飾品の類いは含まれない)しか装備できないため、制限が非常に厳しい。このギルドに限り、ギルド専用装備はすべてギルドの外でも購入・拾得できる。余談だが、某Elder Wizardによると「もっともバランスがとられているギルド」とのこと。
- Paladins
- 剣専門。Lifeの領域の魔法に長ける。HPのボーナスも最大でCavemanに次ぐ+70%。装備制限などはギルド側では特にないが、魔法を使う場合は自ずと制限される。なお、ナーガとラクシャサは邪悪とされるため加入できない。
- Rogues(盗賊)
- 片刃武器専門。解錠と回避スキルに長け、意外にもIncantation系統の魔法が多少使える。隠密性を保つため金属製の防具は装備できない。ギルドの所在地が公にされていない変わったギルド。専用装備も存在する。
- Rangers
[編集] 非排他的ギルド
-
- Teachers(教師)
- 初心者を手助けするためのギルド。ボランティアのようなもので、違いといえば称号に[Teacher]がくっつくくらい。
- PlayerKillers(PK)
- 他のPKギルドのメンバーをひたすら倒すためのギルド。禁止された場所以外ならどこでも襲うことができる。加入時はランク1500位から始まり、他のメンバーを倒すごとにランクが上がり、倒されるごとに下がる。ちなみに、PKギルドメンバー以外でもPKができるエリアはいくつも設置されている(代表としてはBlackrose cityのもの)。
[編集] ステータス
プレイ中の画面左下に出るプレイヤーの基本ステータス。Gold以外はゲージで表示される。
- HP(ヒットポイント)
- ほとんどあらゆるダメージによって減少し、0になると死亡する。時間の経過とともに回復し、その量はHealingスキルによって増えるものの、回復の泉やポーションを飲んだり魔法を使った方が早く回復できる。
- SP (スペルポイント)
- いわゆるマジックポイントであり、主に魔法を使うことで減少する。やはり自然回復し、Meditationスキルによって回復量が増える。
- XP (経験値)
- モンスターを倒すと増えるが、死亡すると1回につき最大10%減ってしまう。レベルシステム参照のこと。
- Food(満腹度)
- 時とともに減少し、食事をすると回復する。食料は豊富にあるので困らないが、0になると混乱したような状態になり、HPとSPが回復しなくなる。
- Load(荷重)
- 所持品の総重量。ポンド(lb)で表され、プレイヤーの力(Strength)の数値を超えるごとに段階的に移動速度が低下して、最後は移動できなくなる。
- Gold(所持金額)
[編集] レベルシステム
プレイヤーはモンスターを倒すことで得られる経験値(XP)を溜めていくことによってレベルアップする。現在確認できるプレイヤーの最高レベルは33。レベルが高くなるにつれ、モンスターから得られる経験値は徐々に少なくなっていく。 レベルが上がるごとにHPとSPの最大値が一定数(種族によって異なる)上昇し、スキルポイントを3(人間とハーフリングは4)獲得する。スキルポイントを打撃、魔法スキルなどに振り分けることでキャラクターを強化していく。
レベル25に到達すると、キャラクターには「Hall of Famer(HoF)」という称号が与えられる。HoFはさらにいくつかの条件を満たすことでWizardにキャラクター用のカスタムイメージをアップロードしてもらえる。ただし、一度イメージを備えてもらうとそれは二度と変更できないし元にも戻せない。HoF用イメージは自分で用意しなければならないが、これを作成してくれるドット絵師も少ないながら存在する。
[編集] スキルシステム
プレイヤーはレベルが上がるごとに獲得できるスキルポイントを、専門のトレーナーから習うことで好きなスキルに振り分けることができる。習得に必要な金はスキルごとに異なるが、いずれもスキルを上げるごとに高くなっていく。ギルドに加入していたり、種族特有にスキルにボーナスを持っている場合、習得コストはその分だけ安くなり、逆も然りである。なお、Untrainerの所へ行けば使ったスキルポイントを戻すことができるが、1ポイントあたり5000gpが必要となる。
[編集] 魔法
130以上の呪文が存在し、それに見合った魔法スキルを必要とするが、それぞれの呪文書から習得できる。回復・治療を中心とするIncantation(祈念系)、モンスターなどを召喚するConjuration(召喚系)、ファイヤーボールなどを撃ち出すEvocation(投射系)、生物やアイテムに魔法の力を付加するEnchantment(魔力系)のMagical Artsと総称される4つの系統に分類される。その効力は、Fire(火と熱)、Water(水と冷気)、Earth(大地と肉体)、Air(空気と電撃)、Life(生命の力)、Death(死と破壊)、Mind(精神の力)、Spirit(純粋な霊力)というMagical Elementsと総称される8つの要素の1つ以上に依存する。例えばResist Fire(耐火)の呪文は、Fireの強さで防御率が上下し、Lifeの強さで持続時間が伸縮する……といった具合である。なお、巻物やポーションなどのアイテムを消費することで、呪文と同じ効果が一定程度は得られる。蛇足だが、HPの低いキャラクターではダメージをSPで肩代わりするmana shield(Enchantment / Spirit)の魔法が大きな助けとなる。また、鎧などの動きの邪魔になるような防具を装備していると呪文に失敗することがある。
[編集] 外部リンク
- 公式サイト
- http://www.wyverneers.biz/index.php Wizardの管理するフォーラム(非公式)]