お・り・が・み
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『お・り・が・み』は、林トモアキ/著、2C=がろあ~/イラストのライトノベル。角川スニーカー文庫刊。
目次 |
[編集] 既巻一覧
タイトル | ISBN-10 | ISBN-13 | 初版発行 |
---|---|---|---|
お・り・が・み 天の門 | ISBN 404426604-2 | ISBN 978-404426604-2 | |
お・り・が・み 龍の火 | ISBN 404426605-0 | ISBN 978-404426605-9 | |
お・り・が・み 外の姫 | ISBN 404426606-9 | ISBN 978-404426606-6 | |
お・り・が・み 獄の弓 | ISBN 404426607-7 | ISBN 978-404426607-3 | |
お・り・が・み 正の闇 | ISBN 404426608-5 | ISBN 978-404426608-0 | 2006年1月1日 |
お・り・が・み 光の徒 | ISBN 404426609-3 | ISBN 978-404426609-7 | |
お・り・が・み 澱の神 | ISBN 404426610-7 | ISBN 978-404426610-3 |
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
悪の組織《伊織魔殺商会》に下っ端メイドとして働くことになった名護屋河鈴蘭。彼女は神を呼ぶ聖女であり、魔王候補だった。普通の生活を望む鈴蘭とは裏腹に、神に魔人に現代兵器に日本刀と何でも有りの日常がやってくる。澱神との奮戦を記した物語である。
[編集] 登場人物
[編集] 伊織魔殺商会
- 名護屋河 鈴蘭 (なごやかわ すずらん)
- 魔王候補にして聖女の素質を持つ女子高生。『天の門』では「吾川」姓を名乗っていた。これは孤児として育ち親戚中をたらい回しにされたためで、「吾川」の前が「深山」、その前が「木野」だった。最終的に親戚中の借金(総額20億円)を抱え込まされ、肩代わりとして〈伊織魔殺商会〉の下っ端メイドとして働くことになる。その退職金として貴瀬が実母を見つけたために、『龍の火』からは神殺しの一族、本流・名護屋河の姓を名乗っている。ちなみにお世辞にも頭は良いほうではなく、リップルラップルが明かしたことによると数学の成績は「2」。『外の姫』では魔王候補としての力をアウターのリッチ、葉月の雫、ほむら、イワトビーの指導により覚醒させはじめ、エルシオンを倒す。その一方で、鈴蘭が完全に闇に堕ちるのを防ぐためにショーペンハウアーにより正式に迎え入れられ、聖女となる。しかし、『正の闇』でクーガーに世界の真理を聞いていた鈴蘭は魔王候補も諦めず、新生ゼピルムを第十三聖騎士団とし後に備える。『澱の神』ではマリーチやアペイロンとの戦いに勝利した後、「貴瀬と関わった日から死んだ人々を甦らせて(全部)」と魔王として最初で最後かつ最大の我儘をマリアクレセルに言い、その代償として自らの内に秘める15の負位置の魔導力を全て失い普通の人間となったが、儚くも散っていった人々を甦らせた"聖女"であり、かつ人と魔の争いに終止符を打った前代未聞の"魔王"として終戦後は「聖魔王」と呼ばれる。だが、力を失わずとも聖魔王として世界を支配する期間は五年間くらいのつもりだったらしい。五年後には後継者を見つけるため聖魔杯を開催するつもりでいる。続編の『戦闘城塞マスラヲ』ではリリー・オブ・バレイと名乗る。意味は谷間に咲くユリの花。和名は鈴蘭である。
- 伊織 貴瀬 (いおり たかせ)
- 悪の組織〈伊織魔殺商会〉の会長兼企画兼経理兼広報兼営業で、神殺しの一族、邪流・伊織家の当代(伊織は居澱の言代である)。また食欲魔人みーこの使徒でもある。愛称は「たぁくん」もしくは「いおりん」。みーこに食われたことによって記憶をなくしていたが、『龍の火』で菊人に殺されかけた衝撃から記憶を取り戻し、自分が関東機関のエージェント「E0」だったことを思い出す。またこの巻から、鈴蘭の通う私立開栄高校の美術教師「貴瀬伊織」として、鈴蘭を監視している。成金で屋敷の敷地面積は東京ディズニーランドの半分の大きさを有しており、地下には魔物がうごめいている。彼はアウターにより黒龍(ミッペルテルト)の力を埋め込まれた本物の龍撃手で、「無敵(エネミーゼロ)」とまで謳われた。しかし女性にはネコミミとメイド服を着用させるアレな人物。ミッペルテルトとは人間によって品種改良されたスライムで、全てを無限に吸収しつづける性質のため、龍の仲間入りを果たした。『澱の神』においてアペイロンに乗っ取られるが鈴蘭によりミッペルテルトを弾き出され、力を失い普通の人間となる。その後フェリオールと興した会社は負債まみれになり、さらに鈴蘭によって力づくで乗っ取られ再び悪の組織として動きだした。携帯の着メロは「巫女みこナース」。
- 白井 沙穂 (しらい さほ)
- 関東機関に造られた導化猟兵でコードEX(元E1)、階級は軍曹の少女。戦闘を好み、日本刀で敵を斬ることで悦びを覚えるアレな人だが、ゼピルムの最高幹部であったVZと互角以上にわたりあったことから戦闘力はかなりのもの。バンダナで隠した右目で隔離世の向こう側を見ることができる。貴瀬(E0)と真琴(局長)の命令しか聞かない。『光の徒』で木島連隊のチャンと戦い殺されたが、『澱の神』でドクターとリッチの改造により復活する。その際に性格がリップルラップルですら恐怖するほど異様に明るくなっており大騒ぎとなるが、導化猟兵に改造されたことにより壊れた状態だったのが本来の性格に戻っただけらしい。しかし戦闘時の性格は変わりはなく獲物を斬る事を楽しんでいる。葉月の雫の兄「剣神・水無月の時雨」に腕を断たれながらも、右目に仕込んであったレーザーで水無月をその刀ごと斬っている。終戦後はまたもドクターに改造され、ロケットパンチを搭載する。
- みーこ
- 初代魔王の側近で、「食えぬものなし」と謳われ「億千万の口」の異名を持つ〈億千万の眷属〉(インフィニティ・シリーズ)のひとり、食欲魔人。『天の門』では記憶を失い、平和主義者として伊織家の当代である貴瀬と契約していたが、『外の姫』で記憶を取り戻し残虐なカミとなる。またその時にVZを自らの小姓にしている。伊織家の地下9階ではSランクの魔物を従えており、また戦闘では「億千万の口」の異名通り大量のノヅチを操る。その力は口を開けば世界をも飲みこむと言われるフェンリルさえ操れるほど。また、神器《崩壊の鐘を打ち鳴らすもの》を持つ。『獄の弓』からは性格が一変し、1500万円の西陣織を貴瀬に買わせるなど主従関係がひっくり返っている。根の国の大神タケハラスサノオの子孫で、〈外側の人〉アウターである。
- リップルラップル
- 世界を統べる力〈ノエシス・プログラム〉の管理者で伊織家に住まう謎の魔人。外見は5・6才だが、常に無表情のませた少女。魔導力を使う時は髪と瞳の色が青く染まる。かつては初代魔王だったが初仕事でやりすぎてしまい、三日で魔王の座から降ろされた。武器は神器《ヘブンズゲート》とミズノ製の金属バットで、彼女曰くバットは「打つ、叩く、殴る」の三位一体。鈴蘭が聖魔王になるまでは、円卓の最高責任者である魔王代行を務めていた。『澱の神』では七色の龍《砂龍・怒龍・水龍・飛龍・火龍・光龍・黒龍(貴瀬の中に取り込まれているので欠番)》を立て続けに召喚し、『終末の扉』を閉めた。ちなみに彼女の防御魔法は最強レベル。決戦後は元聖四天であり、マリアクレセルの姉であることが判明する。ちなみにノエシス・プログラムとは十数ページの小冊子でできた世界管理規約で、様々言語のバージョンが存在し、かなりの版数を重ねている。
- 葉月
- 「葉月の雫」の異名を持つ、伊織魔殺商会のイカレドクターで、豪剣・長谷部家に剣術を伝えた「剣神・水無月の時雨」の弟。彼自身もアウターであり、現存するほぼ全ての神器の開発者である。鈴蘭の《魔王の見えざる手(タキオン)》や、クーガーの《エーテル結晶》も彼の発明。マッドサイエンティストを演じているうちに馴染んでしまい、人体改造ではドリルやロケットパンチ、果てはモテモテ回路まで付けたがる。そんな中、彼はとうとうリッチと組んで死者までを甦らせるにいたる。携帯の着メロは「トランスフォーマー・コンボイの謎」のテーマ曲。
- イワン・トビノフスキー
- かつて魔王の側近までのぼりつめた、 皇帝ペンギン程の大きさを持つ 岩飛びペンギンの魔人。南極大陸を支配しリョーシヤ帝国を築いた。愛称はイワトビーで、彼の言葉が分かるのは鈴蘭と貴瀬と、同じアウターやそれに近い存在だけ。また、言葉を伝えるのではなく相手の脳に直接意思をぶち込むようにしている。みーこに一族を滅ぼされている。酷く人間を嫌っており、人類を滅亡したいと思っている。
- ミスター・リッチ
- みーこに殺されスケルトンとなった伝説の暗黒魔道師。見た目の割には紳士で伊織家に住んでいる。転移魔法の魔法陣を一瞬で描くほどの実力を持っている。同じくアウターである神殿協会のフローレンス司教(ワルキューレ)とは旧知の仲でかつては死者の魂を奪い合った。『澱の神』でフローレンス司教との共闘の直後に騙まし討ちに遭うが、七億二千六十一万五千八百七十二もの眷属を一気に開放しフローレンス司教と共に消滅した。
- ほむら鬼
- 伊織家の地下6階で《火龍》を見張る赤い目を持った鬼神。体をバラバラにされても再生可能。破壊力はアウターの中でも最上級で、彼の一撃は山をも砕く。八柱の雷神の一人、炎雷(ほのいかづち)。睡蓮に鬼神様と認められた後、《炎獄、綿貫き》によって殺された。その後鈴蘭の我侭で生き返り、睡蓮に仕えるかたちになる。
- 伊織魔殺商会戦闘員 (いおりまっさつしょうかいせんとういん)
- その名の通り伊織魔殺商会の戦闘員。これすなわち全身黒タイツ。しかし、タイツを脱ぐと美青年になる。待遇改善を訴えストライキ中。ちなみに要求とは、戦闘服のある部分にビッグな盛り上がりを設けること。
[編集] 神殿協会
- 長谷部 翔希 (はせべ しょうき)
- 神殺しの一族、豪剣・長谷部の血を引く神殿協会の勇者。素直すぎる性格で騙されることが多いが、その素直さゆえに自分の正義を貫き通そうと、『外の姫』ではみーこをかばい神殿協会と対立した。『澱の神』ではエスティから貰った神器《黒の剣》に認められ、ほむらの腕を一太刀で斬り落としている。人間出身では最強ランクの筈なのに鈴蘭のパーティーでは実力は下の方。鈴蘭と同じ学校に通う三年生で欠席ばかりしているのに成績は上の中、にも関わらず鈴蘭には馬鹿呼ばわりされることが多い。バイク好きで20年前に発売されたCBR400Fを解体屋から貰いうけ愛車としている。
- クラリカ
- 神殿協会の異端審問会第二部のシスター。神威と称しながらも戦闘を楽しむ問題児だが、その実力は本物。鈴蘭と同じ学校に三年生の「倉梨花」として潜入しているが、実年齢21歳。愛銃モーゼルと錫杖を使った魔法《斥波》で戦う。昔、修道院時代に猛吹雪の屋外で両手にバケツを持ったまま朝まで立たされるという《伝説のお仕置き》(通称:暁に死す)を耐え抜いたことがある。
- フェリオール・アズハ・シュレズフェル
- 神殿協会の16人いる司教の一人で、異端審問会第二部の部長。愛称は「ふぇりっ君」。貴瀬と幼馴染で、闇に堕ちた貴瀬を助けるために神殿教会に入った。ランディル枢機卿の教え子で、彼の企みに気づき魔殺商会に協力を仰いだ反面、貴瀬が記憶を取り戻すと殺そうとした。『外の姫』からはランディルの後釜として枢機卿となっており、聖女となった鈴蘭を光の側から助ける人物である。
- ランディル・シア・エムネス
- 神殿協会の4人いる枢機卿の一人。聖騎士団時代に異端者クーガーを倒したことから、80歳近い今もなお聖騎士からは「神威の雷光」と畏敬され、闇の者からは「裁きの稲妻」と恐れられている。エスティに唆され、鈴蘭のもつ魔王の力で神になろうとしたが失敗。その後、神殿協会の地下牢獄に閉じ込められクーガーから預言者の正体を聞かされる。『獄の弓』で他界するも、『澱の神』で復活。
- マリエット
- クラリカと同じ修道院を主席で出た、十年に一人とも呼ばれる優秀なシスターで熱心な信徒。しかもかなり頑丈。魔導工学にも精通し、次世代型対魔装備『具象神威』シリーズの試験運用をこなす。本来エリートコースを辿るのだが、三型具象神威(火炎放射器の様な物)への凄まじい固執をはじめ色々と問題があり、異端審問会第二部へ配属された。
- 甲斐 律子 (かい りつこ)
- 神殿協会の4人いる枢機卿の一人。貴瀬とフェリオールの幼馴染。神器《ミドガルズオルム》の使い手。とても朗らかな性格で、枢機卿一の穏健派。主に内政面担当。しかし怒ると物凄く怖い。また、穏健派と言ってもやはり枢機卿、『外の姫』ではゼピルムの大虐殺を指示するなどそれ相応の残虐さも持つ。関西人でたこ焼きとお好み焼きが好き。ショーペンハウアー枢機卿のセミヌード写真を所持。『澱の神』の功績により終戦後は教皇になった。
- フローレンス・フリス・ラディス
- 神殿協会の16人いる司教の一人。大神殿の魔導理学部副部長で、第二聖騎士団を率いる。第二聖騎士団所有の、元アメリカ海軍エセックス級航空母艦を改装した強襲空挺艦『エンジェル・ストレージ』の設計者で司令。その正体はアウターであるワルキューレだが、その頭にはサイバーテイストたっぷりのヘルメット、腰にはキーボードという一味違う格好をしている。元々『エンジェル・ストレージ』は自身の目的であるヴァルハラへ魂を運ぶために作られた。かなりの自信家。『澱の神』でリッチと共闘の直後に騙まし討ちを敢行しリッチの集めた魂の回収を狙うが、七億二千六十一万五千八百七十二もの眷属を一気に開放されリッチと共に消滅。鈴蘭によって復活してからは枢機卿に昇進したものの、船で資材運びをやらされている。運んでいるものの一部は新教皇である律子の我侭によるタコとおたふくソースらしい。
- マリーチ
- 初代魔王の側近で、「視えぬものなし」と謳われ「億千万の目」の異名を持つ〈億千万の眷属〉のひとり、視姦魔人。元々は聖四天の一人で現在は神殿協会の頂点に立つ預言者。聖四天を離れるとき、片方の翼を折ったことからショーペンハウアー等からは「片翼の堕天使」とも呼ばれる。愛称は「マリーちゃん」。心を覗き込むこともでき、必要とあれば相手の心になんらかを投影することもできる。そのレベルは相手の五感にまで影響するほど。マリーチの持つ神器《崩壊の鐘》は、ミーコの持つ《崩壊の鐘を打ち鳴らすもの》とは元々一つのもの。過去 クルト・ゲーデルに屈辱的な敗北を喫して以来、視る精度が落ち度々誤った結果を視るようになる。『澱の神』ではその事を思い出さされて墜ちた。眷属に通称『ラプラスの悪魔』がいるが、ハイゼンベルグの不確定性原理に打ち払われている。先読みの魔女であるセリアとのコンビは最強。
- ショーペンハウアー
- 神殿協会の4人いる枢機卿の一人。主に外交交渉の任に就く。神器《サンダラーズ・ホワイト》の使い手。通称、女神姫。その正体は聖四天の一人であり唯一神第一直系使徒で第二次大戦の際に降りてきた。ミーコからは「金髪」と呼ばれる。聖四天の一人だが人間出身のため人間を大切に思っているが悪役を演じているので分かりにくい。他の枢機卿に預言者の正体が記される『魔の創世』を読ませたり、マリーチを「預言者」と呼び捨てにするなど神殿協会に背く行動を取る。『光の徒』ではその正体を現し、東京国際展示場立てこもり事件の首謀者であることを明かし、事件の最後には《天》のため貴瀬をさらっていった。『澱の神』ではマリーチに騙まし討ちに遭うが、アペイロンとの戦いでは鈴蘭に味方する。本人曰く「ちょっとした日本通」。
- アンドリュー
- 神殿協会の4人いる枢機卿の一人。聖騎士団の運用を一手に引き受ける強面の武人。かなり堅い人物でショーペンハウアーに『魔の創世』を見せられた際には小一時間ほど説教したらしい。
- キリング・クーガー
- フェリオールの後任として異端審問会第二部部長となった司教。ランディルが殺害したことになっている異端者で、視姦魔人マリーチの使徒。人間と魔人との間に生まれた"雑種”で、魔人狩りの神器《エーテル結晶》を持つ。両目は無く、片目は自分でえぐりとり、もう片方はセリアの願いを叶えるためにえぐった。目の色は鈴蘭や、マリーチと同じく赤。『正の闇』において鈴蘭に世界の仕組みを伝え、人としての意地のために鈴蘭にわざと殺され他界。その時に《エーテル結晶》を鈴蘭に譲る。『澱の神』では復活し、預言者の護衛兼聖騎士長となっている。
[編集] ゼピルム
- エルシオン
- ゼピルム総長。魔王制最後の魔王であるフィエルの息子。魔王を目指し、偽りの『地獄への回廊』を開けるもみーこに殺される。終戦後は復活し、関東機関と協定を結び魔物退治を行っている。実は妹がいる。
- VZ (ヴィゼータ)
- ゼピルム最高幹部の一人にして、鈴蘭の親友である高木嘉子(ニックネーム/カギ・カッコ)。ピンクのダテ眼鏡とリボンでまとめたツインテールで変装している。常に騒がしいお調子者だが、レイピアを最高秒間1024回繰り出せるという実力の持ち主。第二次大戦後の生まれで、魔人にしては若い方。新生ゼピルムではステルス戦艦『ヘルズゲート・アタッカー』の艦長になるが、エスティ帰還後は鈴蘭と乗員の総意により戦闘隊長を命じられる。『澱の神』ではアウター同士の戦いを目の当たりにし、終戦後は魔人らしく暮らすと言い、みーこに付いていった。
- マニホルド=エスティ
- ゼピルム最高幹部の一人。蓮華王の使徒。無数の見えざる手(多管手構造)を操る。かつて鈴蘭の母であるすみれに請われ、鈴蘭が入所していた孤児院に勤め見守っていた鈴蘭にとって思い出のお兄ちゃん。ゼピルムの構成員からは絶大な信頼を寄せられている。時々無茶な命令を出し、乗員の肝を冷やしている。みーこが言うには旬の過ぎた男。
- ベルロンド
- ゼピルムの幹部で、真琴の父が作ったドラグーン計画書を元に作られた《龍撃手》唯一の完成体を持つ魔人。龍撃手の力と関東機関を利用することでクーデターを起こし日本をのっとり、ゼピルムの最高幹部になろうとしたが、アウターに作られた本物の龍撃手E0・伊織貴瀬により失敗。情けなく命乞いをしたことでゼピルムにも見限られ命からがら逃げ出すものの神殿協会の代行者のジャベリンによって浄化され、闇に還った。終戦後は復活し、ゼピルムの戦闘隊長となる。
- ラトゼリカ
- ゼピルムの飛行船バーボットのオペレーターでVZ(ヴィゼータ)の親友。以前敵対していた鈴蘭にビビッている。ガノタでもある。新生ゼピルムでも『ヘルズゲート・アタッカー』のオペレーターの任に着いている。
[編集] 関東機関
- 飛騨 真琴 (ひだ まこと)
- 極東最強といわれる対魔組織『関東機関』の局長。鈴蘭たちの通う『開栄高校』の三年生で、彼女の祖父は学園の理事長を務めている。クーデターの際に関東機関の全権を手に入れ、伊織家を臨時の関東機関本部として間借りしている。眼鏡っ子。
- 香良洲 菊人 (からす きくひと)
- 関東機関最強の戦闘員E1。平和のために戦っている自分たちに平和が無い理不尽さを覚えクーデターに参加。関東機関の中では貴瀬と沙穂を除き最強を誇る彼でも、魔人と比べると圧倒的戦闘力の差があり、ごたごたを避けている。
- 桃条 千影 (とうじょう ちかげ)
- 関東機関のE2で『龍の火』でのクーデターに唯一参加しなかったエリミネートナンバーの少女。戦闘力は不明だが、木島連隊の奇襲の中をポイントDまで逃げ切っている。一度もイラスト化されず最終巻には名前すら出てこなかった悲劇のキャラ。
[編集] 神殺し四家
- 名護屋河 睡蓮 (なごやかわ すいれん)
- 『獄の弓』から登場した鈴蘭の妹。菊が他界後、鈴蘭に名護屋河の業を伝えるため上京したが、鈴蘭が放棄したため本流・名護屋河の当代となる。意外に天然。常に巫女服を着用している。礼儀にも煩い。しかし極度の方向音痴。弓の達人で、常識では考えられないことを平気でやってのける。鈴蘭よりも裏世界のことに詳しい。弓の腕や潜在能力も相まってその戦闘力は恐ろしいほど高く、名護屋河家最大奥義《炎獄、綿貫き》でアウターであるほむらをも殺している。終戦後は翔香のいる宮内庁神霊班に所属し、ほむらを従えている。元々頭がいいのか事務仕事はよく覚える。しかし、まだ「ぱそこん」は苦手のようだ。
- 名護屋河 すみれ (なごやかわ すみれ)
- 鈴蘭と睡蓮の母親。一時期当代にもなっている。鈴蘭を捨てた理由としては、鈴蘭に名護屋河の呪われた血を知らずに暮らしてほしかった、厳しい修行をさせたくなかった、というもの。一度は睡蓮までも捨てようとしたが、菊にバレてしまった。
- 名護屋河 菊 (なごやかわ きく)
- すみれの母で鈴蘭と睡蓮の祖母。名護屋河の先代で『獄の弓』にて亡くなっている。かつては神殺し四家の中でも飛びぬけた強さを誇っていた。終戦後は生き返って長谷部轟希のお茶友達に。
- 長谷部 翔香 (はせべ しょうか)
- 翔希の姉。表向きは郵便局員で長谷部家の道場の師範代だが、実際は宮内庁神霊班副長に所属し「鬼姫」の異名をもつ。『外の姫』で神剣《今月今夜》と長谷部家の当代を継いだ。かつて指定一号殲滅任務第〇四三〇八号作戦に貴瀬、沙穂と共に参加していた過去を持つ。並みの魔人など相手にならない実力者だが、自分からは戦いに参加しない。沙穂の剣術の師でもある。また、初戦がみーこであったため全ての魔人がアウターであると思い込んでいる。『光の徒』ではリリムの手足を普通の刀で断ち、チャンの腕も斬っている。
- 長谷部 轟希 (はせべ ごうき)
- 長谷部家の当代。『外の姫』で神剣《今月今夜》と長谷部家の当代を翔香に譲る。太平洋戦争中は軍に入隊し、刀一振りで各地を転戦した。広島訛が非常に強い。『光の徒』では家に来たテロリストを木刀で半殺しにした。
- 天白 氏鷹 (あましろ うじたか)
- かつての天白家当代。菊や轟希と同世代。戦時中は帝都の守りに就いていた。その腕前は上空1万メートルを飛行するB29の操縦士を弓矢で射ち殺すほど。
- 天白 キョウジ (あましろ きょうじ)
- 木島連隊のリーダー。天白は父、木島隆次の旧姓で現在は木島キョウジを名乗る。神器《千変万化(サウザンド・アームズ)》を持つ。ショーペンハウアーの依頼で東京国際展示場に立てこもる。貴瀬に買収されるなど裏切りをも厭わない戦争のプロ。『澱の神』では、貴瀬から受け取った金(二百億)を元手に傭兵派遣会社を設立して、儲けている。
[編集] 天
- マリアクレセル
- 唯一神第一直系使徒の聖四天で赤い髪の天使。ミウルスの上司に当たる。前作に続いて登場。リップルラップルの妹で存在を操る能力をもつ。みーこからは「赤い髪」と呼ばれる。趣味は女子高生のコスプレ。リップルラップルが「ナマチャン」と言うと、「やりますか」と言い姉妹で殴り合いを始める。その様子は旧大神殿の壁画「青い髪の魔王と赤い髪の大天使」となっていたが、真相を知ったショーペンハウアーによって新生大神殿に描かれるのは阻止された。
- ガブリエル
- 聖四天の一人。最終決戦の日は風邪を引いて欠席。
- ミウルス
- 超インドア派の落第天使。次期聖四天予定の天使。名前だけ出てきた。前作『ばいおれんす☆まじかる』でも登場。
[編集] 円卓
- リップルラップル
- みーこ
- マリーチ
- 葉月
- イワン・トビノフスキー
- ミスター・リッチ
- ほむら鬼
- フローレンス・ヴァルキリア
- フローレンス・フリス・ラディスのこと。
- 水無月
- 「斬れぬものなし」と呼ばれ、長谷部家に業を伝えた「剣神・水無月の時雨」。葉月(ドクター)の兄でもある。『澱の神』では《今月今夜》を持つ沙穂と普通の刀で応戦し、あまつさえ沙穂の腕を切り落とすが沙穂の右目に仕込まれていたレーザーにより倒される。
- アラン・マクレガー
- 南北アメリカ大陸連合国陸軍第一特殊機械化兵団所属シリアルMAM224318。階級は少尉。時空の果てから迷い込んだ命無き異界の旅人。秒間二万発を超える打撃能力と、全身に散らばった65536個のコアのマイクロ秒単位の相互補完の再生速度による驚異的な再生能力が特徴。『澱の神』では正気を失い友人のリッチと戦うが、フローレンスとVZ、さらにメタルストームの一点集中攻撃により破壊される。総活動時間は143010036801秒。終戦後、生き返り(?)日々人間になるためにドクターとリッチに改造手術を受けている。しかし、失敗続き。その失敗に起因するトラブルは手術場所を提供している関東機関にとって恒常化しており、「2000年問題」の符丁で呼ばれている。
- カナリア
- 歌声魔人。最終決戦の日は風邪をこじらせて声が出なくなっていたために欠席。
- マーラー
- 〈億千万の眷属〉の一人。「億千万の●●●」の異名を持つ。最終決戦の日は腰を痛めていたため欠席。参戦していれば、真琴や睡蓮やカッコたち美少女組(鈴蘭は入っていない)が違う話になっていたらしい。
- シンデレラ
- 灰被り魔人。最終決戦の日は年越しパーティーの舞踏会にでるため欠席。
- トール
- 最終決戦には歳のため欠席。しかし、みーこが認めるほど強い。
[編集] その他
- 那田 蒼一郎 (なた そういちろう)
- 宮内庁神霊班主任であり、銀座の秘密クラブ『ウサギ屋』のプラチナ会員権を持つ男。いぶし銀の中年親父。『澱の神』では睡蓮に巫女服のままでウサミミを着用させた。ウサミミの効力は金運あっぷ、恋愛運あっぷ、etc...etc...で、何故か着用していなくてもクリティカル率があっぷした翔香によって木刀で半殺しにあう。
- セリアーナ
- 『正の闇』から登場したクーガーに懐いているSランクの魔人の少女で『先読みの魔女』。愛称は「セリア」。リップルラップルの友達で、正体は金毛九尾。まだ幼いため尻尾が3つしかない。金毛九尾はとっても偉いらしい。狐の耳とは別に人間の耳もちゃんとある(貴瀬に頭蓋骨に4つ穴が開いていると言われショックを受ける)。彼女に憑かれる(「お憑れさまですー」が合言葉)と無気力になり、油揚げやきつねうどんなど脂っこいものが無性に食べたくなる。クーガーに会う為に日本に来た。クーガーが鈴蘭に殺された際、自分の尻尾を1つ切って御印にし、自分も共に死んだことにした。その後は新生ゼピルムで鈴蘭と共に行動している。終戦後はやはりクーガーと共にマリーチに付き添っている。
- リリム
- 『光の徒』でエスティに従っていた魔人。「夜の女王」の異名を持つが、知られざる翔香の強さを見せるための雑魚キャラと化す。
- スピアー
- 『光の徒』でエスティに従っていた音速魔人。ハゲ頭だがそれすらも空気抵抗を減らすための工夫。ミッペルテルトとしての貴瀬の強さを見せるための雑魚キャラと化す。
- イフリート
- 『光の徒』でエスティに従っていた炎熱魔人。リッチを倒したと勘違いした挙句イワトビーに瞬殺された。
- キッド・ザ・トイボックス
- 『光の徒』でエスティに従っていた魔人。カッコに瞬殺される。
[編集] 組織
- 伊織魔殺商会 (いおりまっさつしょうかい)
- 伊織貴瀬を社長とする悪の組織。『澱の神』において普通の貿易会社「伊織ワールドトレーディング」となっていたが、メイド長鈴蘭により力尽くで乗っ取られ、再び悪の組織として動き出すことになる。
- 神殿協会 (しんでんきょうかい)
- 表向きは預言者を頂点とする新興宗教団体。その実態は世界各地で活動する対魔組織で、枢機卿をはじめとして高い実力を誇る。12の聖騎士団(鈴蘭が聖女となってからは13)を保有する。天との戦いの後『神殿教団』と名を変えている。
- ゼピルム
- エルシオンの率いる魔人の組織。飛行船バーボットを本拠地とする。ランディルに力を貸したり関東機関のクーデターに加担するなど、陰謀を巡らしていた。『外の姫』で神殿協会と関東機関の総攻撃によって壊滅。なお、ゼピルムとは古い言葉でゼロを指す。
- 新生ゼピルム
- 鈴蘭を頂点とするゼピルム残党による魔人の組織。飛行船バーボットを改修した空中戦艦『ヘルズゲート・アタッカー』を所有する。関東機関に間借りしていたが、鈴蘭が聖女となった後は鈴蘭直属の第十三聖騎士団となる。
- 関東機関
- 日本の対魔組織。E0である貴瀬がいた頃は極東最強といわれる。前身は旧関東軍で、人体実験など非道なことをしていた。『龍の火』でベルロンド首謀のクーデターの際、腐りきっていた首脳部から真琴が全権を奪い建て直しを行うも、『正の闇』で木島連隊の襲撃で壊滅する。『澱の神』ではゼピルムとの協力で再建された。
- 木島連隊
- 木島キョウジ(天白キョウジ)と中国人青年チャンが中心となり世界各地で活動していた傭兵集団。彼らと対峙した部隊はほぼ皆殺し、入ったら抜けることも許されないという噂が立っており、彼らに関する情報はかなり少ない。『光の徒』では推定200名いた隊員が睡蓮、クラリカ、翔希、猟科との戦闘や内部抗争によってキョウジとチャンだけになってしまった。
- 神殺し四家 (かみごろしよんけ)
- 名護屋河、長谷部、天白、伊織の四家。それぞれ本流、豪剣、豪弓、邪流と称される。四家の仲は相当悪いらしい。というか、本流である名護屋河が傍流である長谷部、天白、伊織を嫌っているだけのようだ。ちなみに名護屋河、長谷部、天白の家は代々昔から続いていたが、邪流の伊織だけはみーこの気に入った人物が当代となる。また長谷部、天白は後世に業を伝えるのみだが、本流・名護屋河に至っては当代と一緒に力も受け継ぐため、次の当代が先代を基点にまた高めることで途方もない強さを誇っている。まさに神器が意思をもっている様だ、というのはエスティやみーこの言。世界最強国家のアメリカさえ恐れさせた。
- エンジェルセイバー
- 米国の対魔組織。著名な人物に久賀義巳がいる。続編にあたる戦闘城塞マスラヲにも組織名と司令が登場している。
- クルースニク
- 北欧の対魔組織。
- 天
- 円卓
- 世界を存続させるために堕ちた古き神々<異界の徒>で構成されるノエシス・プログラム管理者。最高責任者(魔王代行)はリップルラップル。彼らは人間を何度でも滅ぼせるほどの力を持っており、ノエシス・プログラムとはそれぞれがやり過ぎないようにするための結束の証でもある。