ツインテール
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[編集] 概要
ツインテールとは、長い頭髪を左右の中央あるいはそれより高い位置でまとめて、両肩に掛かる長さまで垂らした女性の髪型の日本のオタクサブカルチャー間での呼称。ドール系カルチャーではツーテールと呼ばれる。
ツインテールという呼称はオタクサブカルチャー間発祥のもので、なおかつオタク間だけで広まった俗語であるため、この呼称は一般には通用しないことが多いが、最近(2005年)では少女漫画雑誌『なかよし』の連載作品『キッチンのお姫さま』(原作:小林深雪・作画:安藤なつみ)の主人公・風見七虹香は作画担当の安藤なつみに、『トモダチ』(原明日美)の登場キャラクター・来実は主人公のやまとにそれぞれ、両者の髪型をツインテールと呼ばれているところを見ると、元々はオタク用語だったものが一種の若者言葉・新語となり、かなり浸透してきたともいえるだろう。もっとも言葉は浸透しても、現実に中高生以上の年代で、この髪型をしている姿はほとんど見られない。ツインテールに比べ、ツーサイドアップに関しては20代から30代辺りの女性にも見受けられなくもないが、二つに結んでいるという点以外では殆ど共通していないため、ツインテールよりもむしろ普通のロングヘアに見える事が多い。その場合、大抵黒のヘアゴムなどで止めて、目立たないようにしている。
オタクカルチャー間ではツインテールは、二次元美少女キャラクターを形而下で分類する上での属性の一つとして認識されており、そして二次元キャラクターに萌えを感じる要素の一つとして根強い人気を持つ。この髪型は、かつてはアニメや漫画において美少女キャラクターのロリータ性を強調する「記号」という認識で使われていたが、近年ではツンデレキャラクターに適用されるケースも多くなった。また、アホ毛と共通するものとして『ネギま!?』の神楽坂明日菜のように、キャラクターの行動や感情によってツインテールが逆立ったりするものも見受けられる。ツインテールに似た髪形も好まれる傾向が強く、中には踝までの長さのツインテールのキャラクターも多く見受けられる。
[編集] ツインテールに類似する種類の髪型
ほかの名称に、おさげ、アップ、二つ結び、ピッグテール(Pigtail)などの呼称もあるが、下の位置でふたつにまとめた髪型(例:三千院ナギ(ハヤテのごとく!)等。)の場合、おたく的文脈においては単におさげ、二つ結びなどと呼ばれることが多く、一般的にツインテールはこのように呼ばれる事が多い。また、垂らした髪の毛の長さが肩まで届かない短い場合(例:赤ずきん『おとぎ銃士 赤ずきん』。)は、既にピッグテールという呼称があり、ツインテールには含まない場合もある。他に
- 縦ロール
- 結った髪の部分が全体的に渦巻状になった髪型。『ローゼンメイデン』の真紅のように、肩よりも髪が長い場合、肩までの髪の部分がストレートあるいは軽くウエーブがかかった程度で、先が軽くカールしているのみだとツインテールと呼ばれることが多い。また、縦ロールだと髪の長さがツインテールと呼ぶには足りない場合も多い。詳しくは項目を参照。
- ツーサイドアップ
- 結った髪の量が多めだったり、後ろ側に結っていたりするとロングヘアや通常のツインテールに見えることがある。また、通常のツインテールでも、ツーサイドアップに見えることがある。そのような代表例としては『D.Gray-man』のリナリー・リー(原作)が挙げられる。なお、ツインテールを指す語のひとつにあるアップに関しては、主に美容業界で上に結った髪形全般を指して使われることが多い。詳細は下記を参照。
- 前髪の鬢(びん)と呼ばれる部分を長く伸ばし、それを結った髪型。
- 後ろ髪が長い場合は『Routes』の湯浅 文月、短い場合は『ARIA』水無灯里が代表的。
- シニョンの残り髪を垂らした髪型。(お団子頭)
- 美少女戦士セーラームーンの月野うさぎは原作ではお団子頭と呼ばれている。このキャラクターの知名度のためか、このキャラクターに似た髪形のキャラクターは多い。中には『Saint October』の白藤 菜月のような、お団子部分が省略された、ツインテール寄りのキャラクターも多い。詳しくは項目を参照。
[編集] 語源・用例発祥時期
語源の由来には諸説あり、『帰ってきたウルトラマン』に登場した同名の怪獣の名に引っ掛けたギャグで使われる様になったとする説もあるが、本当のところは分かっていない。
用例の発祥時期についても、アニメや漫画のどの作品の、どの登場人物を以てファン層でこの呼び名が使われるようになったのか未だ明確な答えは出ていないが、アニメ『魔法のエンジェルスイートミント』(1990年)の同人誌のいくつかには既にツインテールという記述が見られる。いずれの同人誌も、テレビアニメシリーズ放送直後の1991年頃に制作・頒布が行われている。また、その記述が見られる同人誌の書き手には女性もいたことから、男性向け同人誌と女性向け同人誌の双方の同人コミュニティにおいて既に認知されていた言葉であったことが伺える。
そして、1999年発売のゲーム『Kanon』に登場するキャラクター・沢渡真琴は当初からツインテールと呼ばれていた(ただし、正確にはツーサイドアップ)ことから、この呼び名の本格的な普及時期は両作品の年代間のどこかであると考えられる。
[編集] ツインテールの有名女性有名人
- 仲間由紀恵(ごくせん)
- 新垣結衣(マイボスマイヒーロー)
- 持田香織(Someday Someplace)
[編集] ツインテールの代表的なキャラクター
- 真紅(ローゼンメイデン)
- 赤ずきん(おとぎ銃士 赤ずきん)
- 咲耶(シスター・プリンセス)
- フェイト・テスタロッサ(魔法少女リリカルなのは、魔法少女リリカルなのはA's、魔法少女リリカルなのはStrikerS)[1]
- 七瀬留美(ONE ~輝く季節へ~)
[編集] 女性キャラクターを主人公にした作品
[編集] ツーサイドアップ
頭髪の全てを纏めず、両側の少しの髪の量だけをまとめ、あとの後ろ髪は全て垂らす髪型がある。しかし、外見的にツインテールとは全く別の髪型になってしまうため、ツインテールではなくツーサイドアップという、別の髪型として扱われる傾向もある。しかし、長い髪をふたつに分けてまとめる事は共通しているため、ツーサイドアップもツインテールと呼ばれてしまう場合が多い。ドール系カルチャーから派生した語。
一般的にはうさぎ結び(シルエットがウサギのように見えるため。)部分結いなどと呼ばれる。また、少数だが後ろ髪の少しの量だけをポニーテールのようにまとめ、ほかの後ろ髪はすべて垂らす髪型をポニーアップ、テールアップと呼ぶ場合もある。単にアップとだけ呼ぶと、上の方で纏めたシニョンや、通常のツインテールを指す事がある。
キャラクターによっては、ツインテールと併用していたり、(例:月島きらり(きらりん☆レボリューション)また初期はツインテールだったが、途中からツーサイドアップに変わったキャラクターもいる。(例:弥海砂(DEATH NOTE))
また、ツインテールのキャラクターにも多くいるように、二つにまとめた髪でキャラクターの感情を表現する場合もある。(例:塚本天満(スクールランブル)等。)
二つにまとめた髪や後ろ髪が短い場合、子供らしさや明るさを強調した雰囲気のキャラクターが多く(例:ドクロちゃん(撲殺天使ドクロちゃん))また、長かったり、二つにまとめた髪の量が多めの場合は大人っぽい、しっかりした雰囲気のキャラクターが多い。(例:遠坂凛(Fate/stay night))そのほかにも、まとめた髪を結んだ位置の高さによって印象が変わる。髪の量や長さによっても変わるが、まとめる位置が高いと子供っぽさがより強調され、また位置を後ろ側に寄せると気丈な雰囲気になる。さらに耳の辺り(中央)に結ぶとより奇抜な印象になる。
髪の色が黒・紫・白など落ち着いた色だと大人しい性格や(例:本田透(フルーツバスケット)、藤崎あかり(ヒカルの碁)。)また冷静沈着・風変わりなキャラ付けがなされている場合がある。(例:薔薇水晶と雪華綺晶(ローゼンメイデントロイメント))反対にそれ以外の明るい色だと「素直」(素直ヒート、素直シュール、詳しくはツンデレを参照。)な性格のキャラクターが多い。(例:惣流・アスカ・ラングレー(新世紀エヴァンゲリオン)※彼女の高飛車なキャラクター設定から一部ではお嬢様ヘアと呼称されることもある。
なお、なぜか職業がアイドル、もしくはアイドル的な立場のキャラクターに適用されるケースが多く、たとえばアイドルを題材にしたらぶドル ~Lovely Idol~の主要女性キャラクターのうち、三人は基本的にこの髪型である。(日渡あや、榊瑞樹、野々宮舞。なお、らぶドルにはツインテールのキャラクターもおり、アニメ作品以外のシリーズには他の髪型とツーサイドアップを併用した女性キャラクターも複数いるため、正確には三人ではなく四、五人はいると思われる。)
[編集] 代表的なキャラクター
- ドクロちゃん(撲殺天使ドクロちゃん)
- 遠坂凛(Fate/stay night)
- 月島きらり(きらりん☆レボリューション)
- 弓塚さつき(月姫)
[編集] 女性キャラクターを主人公にした作品
[編集] 脚注
- ^ バリアジャケット(魔法服装)着用時、小学校の制服着用時。それ以外の時は小学生時代はツーサイドアップ、中学生頃からは腰までのロングヘアーを一つに縛った髪型。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ツインテールキャラ大辞典(イズミのホームページ内サイト)