ときめきメモリアル2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | 恋愛シミュレーションゲーム |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | コナミコンピュータエンタテインメント東京 |
発売元 | コナミ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM5枚組 |
発売日 | 1999年11月25日 |
売上本数 | 約37万本 |
『ときめきメモリアル2』(略称は「ときメモ2(ツー)」)は、1999年11月25日、コナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)からプレイステーション向けに発売された恋愛シミュレーションゲーム。ときめきメモリアルの続編である。 製作会社はコナミコンピュータエンタテインメント東京。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ゲームの特徴
基本的なゲームシステムとして、勉強や部活などにとりくみ、主人公の能力値を高め、意中の女の子キャラクターの理想の男の子になり、デートを重ねて親しくなることで卒業式の日に伝説の場所で女の子からの告白を受けるというこのシリーズのコンセプトは残っているが、前作にはなかった要素が盛り込まれている。
- 幼年期篇
- 主人公たちの小学生時代を舞台にしたRPG風のミニゲーム。箱庭のような町を走り回り、そこで出会い行動を共にするのは本編(高校3年間)に登場するヒロイン数名とサブキャラクターで、幼年期篇での行動が彼女たちとのイベント展開を左右させる。前作は幼馴染である藤崎詩織について昔を懐古するイベントが用意されていたが、主人公(プレーヤー)との共有体験をより多くのヒロインに持たせるためのシステムであった。
- EVS
世界観は前作と繋がりがあるが、主人公が通う高校や登場キャラクターがすべて一新された。主人公は架空の高校、ひびきの高校に通い高校3年間を過ごす。ゲーム世界の舞台は架空の街、ひびきの市であり、前作のきらめき市は隣町という設定である。
CD-ROM5枚組の大作ソフトとなりその分ボリュームは増したのだが、これはメリットだけではなく「プレイするたびに何回もディスク入れ替えが必要になる」という煩雑さにもつながった。また、イベントのデータがそれぞれのディスクに分散していることから、基本的にどの学年でも同一のイベントが発生する可能性があった前作と違ってそれぞれのイベントの発生時期がかなり狭くなり、前作の特徴であった「プレイするたびに全く違う展開の3年間の学生生活」という要素が薄れ、あらかじめ決められた道筋をなぞっていく色が濃くなっている。
このことはディスク交換の回数を最小限に抑える為、以下の通りデータをゲーム上の時系列順にディスクに配置していることに起因する。
- Disc1 - 名前登録、EVSデータ作成、幼年期編、卒業式~エンディング、おまけ
- Disc2 - 高校1・2年春・夏
- Disc3 - 高校1・2年秋・冬
- Disc4 - 高校3年春・夏
- Disc5 - 高校3年秋・冬
ゲーム進行時のディスク使用順序は1→2→3(→2→3)→4→5→1となる。
本作の確定売上本数は約37万本で、前作のプレイステーション版の50万本を下回り、人気面についても前作ほど高くはなかったが、それでも前作以上に人間味溢れるはつらつなキャラクター等によって、コアなファン層を中心に前作同様ヒットし、次作『ときめきメモリアル3』が発売された後も関連ゲームソフト・CD・キャラクターグッズがコナミから多数販売され続けている。前作と同様、発売から5年以上を経過した現在でも、最新プラットフォームでのリメイクを待望する声は多い。
なお、このゲームのキャラクターデザインを手がけたのは、下級生(OVA版)の作画監督を手がけた大塚あきらである。そのためか、キャラクターデザインは前作のラブコメ漫画調のデザインから一転して、アニメのキャラクター調に変化している。また、健康的なお色気がやや強めなのも、本作のキャラクターデザインの特徴でもある。
[編集] ゲーム内容
このゲームの主人公(プレイヤー)は幼い時に、ひびきの市に住んでいた男の子である。主人公は小学2年生まで、光や華澄たちとひびきの市で一緒に楽しい日々を過ごしていたが、主人公の両親の都合でひびきの市を離れ、引越してしまう事になってしまった。
それから7年が経ち、主人公が高校に入学する年、主人公の家がまたひびきの市に戻ってくることになり、ひびきの高校に入学する事になった。入学式の当日、主人公はショートヘアの髪型が似合う元気で快活な少女に成長した光に偶然再会する。その後、クラスメイトになった坂城匠から、「卒業式の日に、女の子からの告白の時に校庭にそびえ立つ時計塔の頂上についている伝説の鐘の音に祝福されたカップルは永遠に幸せになる」というひびきの高校の伝説を聞く。
主人公は、光やその他ヒロインからの告白を目指して勉強やスポーツ、容姿などを日々鍛錬し己を磨いていく。
[編集] 登場キャラクター
[編集] テーマソング
- エンディングテーマ
- 『あなたに会えて』:作詞 竹広将史、作曲 メタルユーキ、編曲 米光亮、歌 野田順子
[編集] EVSについて
EVS(Emotional Voice System、エモーショナルボイスシステム)とは、ヒロインがプレイヤーの入力した主人公の名前をコンピュータの作成した合成音声で呼びかけてくれるシステムである。本作で初めて搭載され、本作以降の『ときめきメモリアル』シリーズにも引き継がれている。
主人公の名前については、あらかじめ規定の設定を与えて入力できないようにするか、入力できても名前の部分だけ飛ばす(または代名詞に置き換える)形で音声が再生されるか、どちらかの方策しか採れない作品が多かった中でこのシステムの搭載が発表されたため、本作の目玉のひとつとされていた。
しかし、本作に搭載されたEVSで作成される音声データは1通りだけだったために喜怒哀楽の感情表現には十分でなく、文脈に合わない呼びかけになってしまうこともあって、違和感を一部のプレイヤーに与えた。また、作成データだけでプレイステーションのメモリーカードが持つ15ブロックのうち11ブロックをも占め、さらにプレイデータなどが別に作成されるため、1回のプレイでEVSを適用できるヒロインは1人だけであった。さらには、本作単体でEVSデータが収録されていたのは陽ノ下光、麻生華澄の2名のみであり、他のヒロインのEVSデータについては、後日発売されたムック形式の設定資料集『別冊ひびきのウォッチャー』の付録になったアペンドディスクを待たなければならなかった(『別冊ひびきのウォッチャー』の発売は本作の解説書では予告されていない)。
アペンドディスクが付録となった『別冊ひびきのウォッチャー』は3冊発売され(同誌自体は4号まで発刊されている)、収録データの対応は以下のようになっている。なお、攻略対象ヒロインの1人である九段下舞佳には主人公を名前で呼ぶシーンが存在しないため、データもまた存在しない。
- Vol.1 - 水無月琴子、寿美幸、佐倉楓子
- Vol.2 - 赤井ほむら、一文字茜、八重花桜梨
- Vol.3 - 白雪美帆/真帆、伊集院メイ、野咲すみれ
- Vol.4 - (付属ディスクなし)
上に挙げた難点は、後の『ときめきメモリアル』シリーズでは、プレイステーション2へのプラットフォームの移行に伴って、容量に余裕のあるDVD-ROMを採用したことやメモリーカードの容量が大きくなったことである程度の改善がなされた(少なくとも別個にアペンドディスクを買い足す必要はなくなった)ため、同じようなEVSを搭載した上での本作品のリメイクが行われることを期待する声が多い。
また、どんな言葉でも発音されるわけではなく、差別用語や低俗な言葉は入力禁止対象語句として受けつけないようになっている。
[編集] 限定版パッケージ
前作のプレイステーション版で絶大な人気を博した限定版パッケージが、本作についても市場に投入された。店頭や通信販売での予約受付はあっという間に終了し、前作以上のプレミア騒動となった。発売日には、あきらめきれず限定版の当日販売を行っている店を探し求めるファンが、各地の店舗を駆けずり回る光景が見られた。
同梱物は次の通り。
- 『ときめきメモリアル2』ソフト本体(限定版専用レーベル・パッケージデザイン)
- ポケットステーション(通常販売されていないクリアレッドの本体カラー)
- 特製ストラップ(陽ノ下光のマスコット人形付き)
- 設定資料集「ひびきのウォッチャー」
またこれとは別に、秋葉原の一部の販売店では通常版の購入者に対し、店舗ごとに異なるオリジナルイラストの印刷された、限定版の外箱と同じサイズの化粧箱を初回特典として配布した。
[編集] ひびきのネット
コナミは、ゲームソフトとインターネットの融合の可能性を模索していた。そこで今作において、ひびきの市における架空のプロバイダーという位置付けで「hibikino.net」のドメイン名を取得。ときめきメモリアル2の発売と同時に専用ウェブサイト「ひびきのネット」を設立し、ゲーム画面内にURLやメールアドレスを表示するなどして連携を図った。[1]
作品の舞台となったひびきの高校や、デートスポットに使用された施設、また一部のキャラクター個人のウェブサイトがその傘下に構築され、ユーザーは自由にそれらを閲覧出来たほか、ときメモ2の商品パッケージに同梱されたIDを使用しユーザー登録することで、電子掲示板やチャットを利用し他のユーザーとコミュニケーションを取ることが出来た。そこでは、時折コナミのスタッフが陽ノ下光らキャラクター(ここでは「著名生徒」と呼ばれた)本人を演じて投稿を行い、その場を盛り上げた。また、趣旨に賛同したユーザーがひびきの高校生徒・ひびきの市民としての立場で制作した個人サイトや、ひびきの高校のクラブ・委員会・サークルの公認サイトも数多く存在し、ひびきのネット本体と連携しながらさまざまな活動を行った。
しかし、ときメモ2の動作プラットフォームであるプレイステーションにはインターネット接続機能がないため、ときメモ2のゲーム内からひびきのネットにシームレスにアクセスすることは出来なかった。またあくまでもゲーム世界の延長のバーチャルワールドであるという位置付けから、ユーザーはひびきの高校の一生徒、すなわち高校生として振舞わなくてはならず(生身のユーザー本人は「宿主」と呼ばれた)、ゲームとしてのときメモ2の話題はタブーとされたのは勿論のこと、仕事や家庭などの日常のリアルな話題なども敬遠された(但し「非ひびきのモード」を宣言することで、ある程度これらの発言は容認された)。更にその独特の趣旨から、従来からときめきメモリアル関連のファンサイトを運営していた層との折り合いがうまくつかず、彼らと一体となってひびきのネットを盛り立てることが出来なかった。
それでも有志の活動によりさまざまなイベントや試みが展開され続けたが、紆余曲折を経て2001年3月31日をもってひびきのネットはその役目を終えた。しかし現在でも、当時の活動を受け継ぐサークルや、ひびきのネット・ひびきの高校そのものを語り継いでいこうとするサイトなどが少なからず運営され続けている。
賛否両論あったとはいえ、この時の実績とノウハウがシリーズ最新作のオンラインゲーム・『ときめきメモリアルONLINE』の製作に繋がっていると言っても過言ではないだろう。
なお2005年10月現在、ドメイン名「hibikino.net」はコナミが保有し続けている。[2]
[編集] 続編であるが故の賛否両論
1994年のデビュー以来、一時代を築いた前作『ときめきメモリアル』(以下『ときメモ1』)。それだけに熱烈なファンを多く抱えることになり、その中には『ときメモ1』の世界観や登場キャラクターをそのまま引き継ぎ、例えば大学生活などを描いた純粋な続編としての『ときメモ2』を望む声、派生ゲームソフトやキャラクターグッズなど「ときメモ1」の更なる商品展開継続を望む声、さらには『ときメモ2』そのものの不要論も少なくなかった。
1999年8月に『ときメモ2』の概要が発表された際、当然ファンの間でも意見が分かれた。特に、キャラクターが総入れ替えとなったこと、登場キャラクター・伊集院メイに与えられたポジションによる『ときメモ1』との矛盾の発生、また『ときメモ1 』からガラリと変わったキャラクターデザインのことなどには反発の声が多く上がった。一部のファンの中では『ときメモ2』を『ときめきメモリアル』シリーズとは認めない、という強硬意見も持ち上がり、インターネット上で一大キャンペーンにまで発展した。
結果的には多くのユーザーに『ときメモ2』は支持され、37万本という販売実績を挙げることが出来たわけだが、アンチの存在も含めて、それだけ「あのときメモの新作」として、当時注目を集めていたということが言えるだろう。
[編集] 本作から派生したソフト
タイトルに続くカッコ内は対応機種の略を示す。
- ゲームソフト
- デスクトップアクセサリー
- ときめきメールボックスvol.1~4 (Win)
- iアプリ
- ときめきメモリアルLIVE - 配信終了
- iモード(携帯電話ウェブゲーム)
- ときめきメモリアル2
[編集] ときめきメモリアル2 Substories
- 詳細はときめきメモリアル2 Substoriesを参照
『ときめきメモリアルドラマシリーズ』と同様に3部作として展開された外伝シリーズ。
[編集] ときめきメモリアル2 対戦ぱずるだま
2001年3月15日発売。前作『ときめきメモリアル』でも好評を博した『対戦ぱずるだま』のキャラクターおよびベースストーリーを本作に沿ったものに差し替えた作品。前作と異なり、キャラクターと攻撃パターンの関係が切り離され、好きなキャラクターでプレイヤー自身の得意とする攻撃パターンを駆使しプレイすることが出来る。
しかし、キャラクター以外のグラフィックやゲームエンジン、更には細部のディテールに至るまで前作『ときめきメモリアル対戦ぱずるだま』の完全な流用で、手抜き企画ではないかという指摘もあった。その一方で、同作のために制作されたオープニングムービーの評判は高く、これを見るためだけでも購入する価値があるとの声もあった。
[編集] ときめきメモリアル2 ミュージックビデオクリップ ~サーカスで逢いましょう~
2002年4月18日発売。2006年12月現在、唯一プレイステーション2でリリースされている『ときめきメモリアル2』関連ソフト。サーカスをモチーフにした3本のミニゲーム(ベースは1984年のコナミ製ゲーム『サーカスチャーリー』)が収録されており、プレイヤーは野咲すみれを操作してそれらに挑戦し、結果によって得られるポイントをためることで、人気キャラクター5名(陽ノ下光・八重花桜梨・麻生華澄・赤井ほむら・伊集院メイ)のビデオクリップを鑑賞することが出来る。
[編集] ときめきメモリアル2
iモード(NTTドコモ)の携帯電話ウェブゲームとして2000年1月1日より公開された恋愛シミュレーションゲーム。[3]
[編集] ときめきメモリアルLIVE
NTTドコモの携帯電話用のiアプリとして提供されたミニゲーム。好きなキャラクターを1名だけ選んでプログラムをインストールする。時刻と連動してキャラクターが生活しており、ボタンを押して話しかけることでさまざまな反応が返ってきた。
しかし、陽ノ下光・赤井ほむら・白雪美帆の3名のみの提供で、他のキャラクターのファンにとっては物足りなさを感じさせた。特に、陽ノ下光と人気面で双璧をなす八重花桜梨が提供されなかったことに関しては批判の声が多かった。
[編集] ときめきメモリアル2タイピング
2003年5月22日、前作『ときめきメモリアルタイピング』に続いて、『ときめきメモリアル2 タイピング』(Windows&Macintosh版)がアクティマインドより発売された。
[編集] ときめきメールボックス
Windows用に発売されたアプリケーション集。IBMのViaVoice技術を使ったキャラクターとの擬似的会話や、EVSの技術を使って自分の名前入りのWindows用システム音声(警告音など)を作成することが出来る。そのほか、メール送受信機能やIRCクライアント機能、スケジュール管理機能なども搭載されている。収録キャラクターごとに下記の全4バージョンが存在する。
- Vol.1 - 陽ノ下光、水無月琴子
- Vol.2 - 白雪美帆、八重花桜梨、佐倉楓子
- Vol.3 - 寿美幸、一文字茜、赤井ほむら
- Vol.4 - 伊集院メイ、麻生華澄
[編集] ときめきファクトリー ときめきメモリアル2
2006年3月14日に限定版、3月23日に通常版(共にWindows&Macintosh対応)が株式会社アクティマインドより発売された。『ときめきファクトリーときめきメモリアル2』では、ときめきメモリアル2のキャラクター13人を使って、女の子の服装・表情・台詞、さらに背景・音楽などを組み合わせることにより、ユーザーのオリジナルストーリーを作成することが出来る。また作成したストーリーをファイル保存して、 ユーザー同士で交換することも出来る。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- 前作『ときめきメモリアル』PS版の中心スタッフが手がけた、別ブランドの恋愛シミュレーションゲーム。特典として本作の予告編ムービーが収録されることになっていた。実際の製品にムービーデータは収録されているが、発売時期が逆転してしまったため、ゲーム中に再生することは出来なくなっている。
[編集] 外部リンク
|
|
---|---|
本編作品 | 1 - 2 - 3 - GS - GS2nd |
シリーズ作品 | 1ドラマシリーズ - 2Substories |
ONLINE | ゲーム - アニメ |
ラジオ | もっと! - CLUB - もっと!モット! |
関連項目 | 登場人物 - 制作チーム - ゲームファンド - 実写映画 |
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | ときめきメモリアル | プレイステーション用ソフト | プレイステーション2用ソフト | 携帯電話ウェブゲーム | 携帯電話アプリゲーム | 1999年のコンピュータゲーム | 電撃G's文庫