エアポート (列車)
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エアポートとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が、新千歳空港駅~札幌駅・小樽駅を千歳線・函館本線を経由する快速列車。
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[編集] 運転概要
新千歳空港駅~札幌駅間を所要時間36分で結び(早朝・深夜帯は白石駅停車のため若干延びる)、新千歳空港発8~20時台、札幌発8~19時台は15分間隔で運転される。また、「uシート」と呼ばれる座席指定席を設けている。空港利用客だけでなく、全区間を通して通勤・買物にも広く利用されているため、混雑が目立つ。
なお、列車愛称における番号符番は「エアポート60号」や「エアポート121号」等のように必ず2桁ないし3桁の番号を新千歳空港もしくは札幌の発車時刻とその時間中に運転される列車の本数から運行時刻が早い順に振り分けられる(例えば、新千歳空港発12時台の3本目は125号、札幌発8時台の1本目は80号など)。札幌発は6:34の「60号」が始発、20:45の「200号」が終発である。新千歳空港発は8:34の「81号」が始発、22:50の「225号」が終発である。
(上記の時刻は、いずれも2006年3月現在のダイヤ)
新千歳空港着の最終便が遅れた場合には、札幌方面ゆき最終列車の発車を遅らせ、利用客の接続をとっている。また最終便の遅延が大きい場合、最終列車の定時発車後に札幌ゆき臨時普通列車が運転されることもある。ただしこの臨時列車では各方面の他列車接続は考慮されない。
[編集] 小樽方面直通系統
日中の半数(1時間に2本、30分間隔)が函館本線小樽駅へ直通する。札幌発着6~9時台、21~23時台の列車は札幌~小樽間が普通列車としての運転となる。また同時間帯の一部列車は手稲駅やほしみ駅発着となる(この場合も、札幌~手稲・ほしみ間は普通列車)。
普通列車として運転されている区間では、uシートも含め全車自由席である。ただし、引き続き快速区間もuシートに乗車する場合は、指定席料金が必要になる。
[編集] 旭川直通系統
日中の1時間に1本(新千歳空港発10~20時台、毎時19分発)は、「新千歳空港~札幌~旭川」の経路で運転される。この場合、札幌~旭川間はエル特急「スーパーホワイトアロー」として運転される。
[編集] 停車駅
- 札幌駅・小樽駅発着列車
- 新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 - (白石駅) - 札幌駅 - 琴似駅 - 手稲駅 - 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅
- 白石には、早朝・夜間の一部列車が停車。
- 旭川駅発着列車
- 新千歳空港駅 - (上の一覧を参照) - 札幌駅 - 岩見沢駅 - 美唄駅 - 砂川駅 - 滝川駅 - 深川駅 - 旭川駅
- 札幌駅~旭川駅間は特急「スーパーホワイトアロー」として運転。「スーパーホワイトアロー」も参照のこと。
[編集] 使用車両
- JR北海道721系電車(札幌・手稲・ほしみ・小樽発着列車)
- JR北海道785系電車(旭川発着列車:札幌~旭川間はエル特急扱い)
- 自由席車4両、指定席車(uシート)1両。
※1997年3月22日のダイヤ改正で増発された朝の一部列車に711系電車が使用されていたことがある。711系で運転される列車は全車自由席であった。これは721系の車両不足のために生じたもので、731系電車の増備によって721系が捻出されたため、短期間で解消された。
[編集] 沿革
- 1988年3月 - 札幌駅方面と千歳空港駅(現・南千歳駅)方面を結ぶ快速列車として「空港ライナー」が設定される。
- 停車駅のパターンは以下の2つがあった。
- 小樽駅まで直通しかつ全区間快速運転をする列車には、「マリンライナー」を称しているものもあった。
- 「空港ライナー」は「エアポート」と異なり、ほとんど途中で普通列車の追い抜きを行っていなかった。これはそもそも「空港ライナー」自体の本数が少なく(1日10往復強)、普通列車と互いに補い合う性格が強かったからである。
- なお当時(「エアポート」の運行開始まで)、千歳線の普通列車は千歳空港駅折り返しになるものが多く、普通列車も空港アクセスに利用されていた。但し、千歳空港駅は駅の構造が列車の折り返しに対応していないため、美々駅まで回送して折り返していた。
- 千歳空港駅は特急・急行列車も停車するため、直接空港アクセスとして利用することが可能であった。このため、当時札幌駅(および苫小牧駅)~千歳空港駅間に特別企画乗車券「エアポートシャトルきっぷ」が設定されていた。これは札幌駅(あるいは苫小牧駅)~千歳空港駅間を特急・急行列車の自由席で利用することが可能である片道の切符であった。「エアポート」新設時に札幌発着の設定はなくなったが、苫小牧発着については経路が南千歳駅乗継に変更された上で2005年まで存続していた。(現在はSきっぷに移行)
- 1992年7月 - 新千歳空港駅の開業と同時に列車名称を「エアポート」に変更。この時から15分間隔での運行を行っている。同時に「ライラック」の札幌駅~室蘭駅間を「すずらん」に分割した上で、「ライラック」の札幌駅~新千歳空港駅間を「エアポート」として延長。
- 2000年3月 - 札幌駅~小樽駅間の快速「マリンライナー」を廃止し一部を「エアポート」に編入したことにより、小樽駅直通列車がそれまでの1時間間隔から30分間隔の運転となる。また停車駅に琴似駅を追加。
- 2001年7月 - 「uシート」の連結開始。
- 2002年3月 - 最高速度を130km/hに向上。また新たに恵庭駅に停車を開始。
- これに伴い、旭川から新千歳空港駅へ直通する列車を781系電車(「ライラック」)から785系電車(「スーパーホワイトアロー」)へ変更。それとともに、785系電車にも「uシート」用新型車モハ784-500番台/785-500番台を連結、5両編成が基本となった。
- 2003年9月 - JR北海道721系電車「uシート」に設備の拡大をした新型車両の導入と増席を行う。それとともに、バリアフリー化(車イス対応トイレや車イススペースなど)を施した自由席新型車両を導入。
- 2004年3月13日 - 新千歳空港行列車の札幌駅発車ホームを、全て5・6番線に統一。また札幌駅・新千歳空港駅にて、「uシート」専用の指定券券売機を設置。
- 2006年3月18日 - 小樽駅発着ホームが4・5番線に統一。また、車内放送に次の駅までの所要時間が加わった。