エアーマネジメント
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エアーマネジメント(Aerobiz)は、光栄(現・コーエー)の航空会社経営シミュレーションゲーム。略称はエアマネ。2005年12月現在「エアーマネジメント 大空に賭ける」(日本国外版タイトル・Aerobiz)、同作のリメイク版「エアーマネジメント'96」(Aerobiz'96)、続編の「エアーマネジメントII 航空王をめざせ」(同・Aerobiz Supersonic)の3タイトルが発売されている。
家電業界を舞台にしたトップマネジメントシリーズに続く「ビジネスシミュレーションゲーム」第2弾として開発され、現在も根強いファンが多いシリーズであるが、1作目のリメイクである「'96」以降、新作はリリースされていない。
登場する飛行機はボーイング・エアバスはもとよりツポレフ・イリューシンなど東側のメーカーもフォローしている(1作目は架空の会社名。なお、北米版及びヨーロッパ版では冒頭に航空機メーカー各社のクレジットが入る)。
ゲームの基本は乗り入れを希望する都市と交渉して空港のスロットを確保し、就航先の都市に支社を設置してさらに路線を拡大する作業にある。
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[編集] エアーマネジメント 大空に賭ける
ジャンル | ビジネスシミュレーション |
対応機種 | スーパーファミコン[SFC] PC-9801 メガドライブ[MD] |
開発元 | 光栄 |
発売元 | 光栄 |
人数 | 1~4人 |
メディア | [SFC・MD] ROMカートリッジ [PC-98] 3.5インチFD |
発売日 | [SFC] 1992年4月5日 [PC-98] 1992年10月1日 [MD] 1992年11月1日 |
売上本数 | - |
1作目。当初はスーパーファミコン(SFC)用のオリジナル企画として開発が進められ、後にメガドライブ(MD)とPC-9801にも移植された。期限内に4社中最も早く全22都市を航路で結ぶのがゲームの目的。
- 初心者は本社を東京かニューヨークに置いて始めると楽にゲームを進められる。逆に、難易度が高いのはラゴス。
- シナリオ1(1963年 - 1995年)とシナリオ2(1983年 - 2015年)では登場する機種にも違いがある。当然ながら、シナリオ2の方がB747-400を始め長距離を飛べる機種が登場する。
- 「ドイツ統一」「EC統合」「ソビエト連邦民主化」「朝鮮半島統一」の歴史イベント有り。ちなみにソビエト連邦はこのゲームが発売された1992年の12月に崩壊した。リメイク版の'96ではこれらのイベントの一部が別のイベントに差し替えられている。
- 1作目の特徴に、ローカル線を運営するコミューター会社に株式投資を行うことが可能な点が挙げられる。これにより、値上がりした時点で株を売るも良し過半数の株を取得した時点で吸収合併するも良しの戦略が取れるが、ゲームクリアの為に必須と言う訳ではない。
- ホテルを建設すると、建設した都市への集客が増加する。また、完成時にランダムで5段階評価を受けるが、星の数が多い方が売却時の査定額も高くなる。
- パイロットが飛行中にUFOを発見すると、何故か会社のブランドイメージが上昇する。
[編集] エアーマネジメント'96
ジャンル | ビジネスシミュレーション |
対応機種 | プレイステーション[PS] セガサターン[SS] Windows95~XP |
開発元 | 光栄 |
発売元 | 光栄(コーエー) |
人数 | 1~4人 |
メディア | CD-ROM |
発売日 | [PS・SS] 1996年3月22日 |
売上本数 | - |
1作目のリメイク。プレイステーション(PS)・セガサターン(SS)・Windows(95以降)の3機種で発売。グラフィック面が強化されている他、一部の時代イベント(「ソビエト連邦民主化」など)が別のものに差し替えられている。
- エアーマネジメント及び'96に登場する都市
シドニーと南米三都市を結ぶと南極上空を経由して両都市を結ぶ(SFC・MD・PC-98版では直線で航路が結ばれる為、南太平洋経由となる)。現実には南極条約のため、南極上空を航路にする事は不可能で、本作ならではの航路である。また余談ではあるがアルゼンチンのフアン・ペロン元大統領は生前、日本とアルゼンチンをシドニー、南極上空経由で結ぶと言う構想を抱いていた。
[編集] エアーマネジメントII 航空王をめざせ
ジャンル | ビジネスシミュレーション |
対応機種 | スーパーファミコン[SFC] PC-9801 メガドライブ[MD] Windows98~XP |
開発元 | 光栄 |
発売元 | 光栄(コーエー) |
人数 | 1~4人 |
メディア | [SFC・MD] ROMカートリッジ [PC-98] 3.5インチFD [Win] CD-ROM |
発売日 | [SFC] 1993年4月2日 [PC-98] 1993年10月1日 [MD] 1994年2月18日 [Win] 2005年7月29日 |
売上本数 | - |
前作から1年を経て1993年4月2日にSFCで発売された。その後、MDとPC-9801に移植されたがPC-98版はSFC・MD版に若干の改良が加えられている。
現在の航空ビジネスで主流になっている「ハブ&スポーク」の概念をゲームに導入。東南アジア・中東・ヨーロッパ・アフリカ・北アメリカ・南アメリカ・オセアニアの7エリア中、本社を置くエリアを含む4エリアでトップシェアを獲得するのが目的。
1作目と異なりリメイクもされなかったが、2004年2月20日発売のWindows98~XP対応『コーエー25周年記念パックVol.7』に信長の野望・武将風雲録及び大航海時代IIと共に収録され、入手が容易になった(ゲーム自体はPC-9801版をエミュレートしたもので、新要素の追加などは行われていない)。現在は「コーエー定番シリーズ」の1作として単独で発売されている。
本作の特徴は以下の通りである。
- 国との友好度(4段階)がパラメータで設定されており、シナリオ1開始時には西側陣営(アメリカ・イギリス・日本など)と東側陣営(ソビエト連邦・東ドイツなど)は敵対関係にあるためスロットの交渉すらままならない。
- ゲーム中、各国の政府が援助を求めて来ることがあり、これに応じると友好度がアップする。援助した国によってはペレストロイカを待たなくても、東側または西側の機体が買えるようになる場合がある。
- 特定の都市またはエリアに観光ブームが発生し、その都市に乗り入れる路線の需要が激増することがある。これ以外にオリンピックや博覧会などの固定イベントでも路線の需要が増加する。
なお、PC-98版にはSFC・MD版には無い次のような要素が追加されている。
- 1955年から2020年までぶっ通しのシナリオ5「過去から未来へ」がある。
- 決められた拠点都市だけでなく、全ての都市に本社・支社を置くことが可能。
- 路線ごとにエコノミー・ビジネス・ファーストの3段階で座席を配分したり、サービスの質を変化させたりする細かい設定が求められる。逆に、採算を度外視して全席ファーストの豪華リゾート線を作ると言ったことも可能。
- エアーマネジメントIIで本社を置ける都市
[編集] 用意されているシナリオ
- シナリオ1「ジェット時代の幕開け」
- シナリオ2「大量輸送時代」
- シナリオ3「世界を覆う航路網」
- 1985年4月~2005年1月
- 1985年7月にソビエト連邦がペレストロイカを実施、東西陣営間の航空機発注が自由化される。
- 1996年のアトランタ五輪まではほぼ史実通りだが、2000年以降の五輪開催地はランダム。
- シナリオ4「新世代のネットワーク」
- シナリオ5「過去から未来へ」(PC-9801・Windows版のみ)