オリジナルビデオ
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オリジナルビデオとは、劇場公開を前提としないパッケージ専用の映画をいう。略してOVまたはVシネマとも表記する。ここでは主に実写作品について述べる。アニメ作品に関してはOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)を参照。
低迷する日本映画の現状打開のため、東映が1989年に発売した東映Vシネマがその先駆けである。劇場公開にかかるコストを作品制作費に充填する事で、低予算ながら、劇場公開作品に劣らぬ品質を生み出そうとしたのである。いわゆる大作ではなくプログラムピクチャーをビデオ供給したものであり、東映のこの試みは功を奏し(今でもVシネマ=オリジナルビデオという意味合いで使用される事も多い)、次々に他社も参入、さらにはそれまで映画製作に縁のなかった人々までもが殺到し、現在に繋がるレンタルビデオ業界が形成されていく事になった。しかし、そのため、育ちかけた市場は早期に供給過多に陥り、個々の商品の売り上げを落とし、その結果、粗製濫造された商品が出回り、さらに売り上げは落ち、撮影もフィルム撮影からビデオ撮影へと変わっていった。
オリジナルビデオといえば、ヤクザ物、エロス作品、ギャンブル物の3ジャンルに代表されるようになったのは、ここ数年である。それは、粗製濫造を続けても、この3ジャンルに関しては固定客がいるため、ビジネスとして成立する、あるいは、中間業者である問屋がそう判断しているからである。
そのレンタルビデオ市場も縮小傾向にあり、現在では市場に投入してきたDVDにより、オンラインDVDレンタルやDVDセルの市場に移行しつつある。DVDの場合、1本あたりの小売価格がVHSの10分の1に近いため、制作コストもそれに応じて安くなりつつあるのが現状である。
又、アニメ作品に関してはOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)と呼ぶのが通例であり、こちらは上記のVシネマに先立つ1983年にはすでに最初の作品が発売されており、内容的にも上記のエロス作品等に該当しないものも多く存在する。
なお、「V CINEMA(ブイシネマ)」は、東映ビデオ株式会社の登録商標である(登録番号 第2361224号)。
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[編集] オリジナルビデオ作品の例
[編集] 日本製作
[編集] 外国製作
- 恐怖の訪問者
- 大脳分裂
- スピーシーズ3禁断の種(米国ではVシネマになったが、日本では珍しくVシネマを特別上映した。)
- ミミックIII(2作目はTVムービー)
- ザ・マークスマン(ウェズリー・スナイプス主演。2006年に劇場公開された。)
- インビジブル2(クリスチャン・スレーター主演。2006年に劇場公開された。)
- ラストサマー3
[編集] Vシネマを主戦場とする俳優
[編集] 関連項目
- アダルトビデオ
- スーパー戦隊Vシネマ
- 実写作品一覧
- オンラインDVDレンタル