カロン (衛星)
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カロン Charon |
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冥王星とカロン(右上) | |
仮符号・別名 | P I S/1978 P 1 |
発見 | |
発見日 | 1978年6月22日 |
発見者 | ジェームズ・クリスティー |
軌道の性質 | |
平均直径 () | 19,405 km |
離心率 (e) | 0.0 |
公転周期 (P) | 6日 9 時間 18 分 |
軌道傾斜角 (i) | 99.089 ° |
物理的性質 | |
赤道面での直径 | 1,186 km |
質量 | 1.90×1021 kg |
平均密度 | 2.24 g/cm3 |
表面重力 | 0.368 m/s2 |
自転周期 | 6日 9 時間 18 分 (Synchronous) |
アルベド(反射能) | 0.37 |
赤道傾斜角 | 不明 |
大気圧 | なし |
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カロン (Charon) は太陽系の矮惑星である冥王星の最大の衛星。なお、一部には冥王星との二重天体とする意見もあるが、今のところ公式には認められていない。
[編集] 概要
カロンは1978年6月22日にアメリカの天文学者ジェームズ・クリスティーによって発見された。その後、冥王星が冥府の王プルートの名に因むことから、この衛星はギリシャ神話の冥府の川・アケローンの渡し守カロンにちなんで「カロン」と命名された。なおクリスティーは当初から一貫して Charon の /char/ を妻 Charlene (シャーリーン) のニックネーム Char (シャー) と同じように「シャー」と発音していたため、これが英語圏では定着して「シャーロン」と呼ばれるようになった。
2005年10月31日に新たな衛星が2個(S/2005 P 1 と S/2005 P 2。P1は後にヒドラ、P2はニクスと命名)が発見されるまでは、カロンが冥王星の唯一の衛星と思われていた。
衛星にしては余りにも「惑星」に対する質量が大きく、また共通重心が冥王星とカロンの間の宇宙空間にあるため、二重惑星であるという解釈もされてきた。 これを受けて2006年8月16日、IAU総会にて2003 UB313(エリス、発見当初は第10惑星とも言われた天体)及びケレスと共に、太陽系の惑星として追加することが提案された。しかし同月24日に採択された定義では、当初の提案が認められなかったどころか母星である冥王星も惑星にはあたらないとされ、カロンは「矮惑星の衛星」と呼ばれることになった。
[編集] 特性
直径1,186km。質量は1.90×1021 kgで冥王星の7分の1である。冥王星とは互いに同期回転しているため常に同じ面を向け合っている。よって、もし冥王星からカロンを見たら空の一点から動かないように見える。赤外線スペクトル観測によってカロンの表面は氷に覆われていることがわかった。メタンに覆われている冥王星とは大きく違うらしい。
冥王星 - カロン系は、太陽系内で最大の連星系、すなわち重心が主天体の地表の外にある系の中で最大のものとして注目に値する(より小規模な例として小惑星パトロクロスがある)。このことと、カロンの直径が冥王星の半分以上もあることから、天文学者の中には冥王星 - カロン系を二重惑星と呼ぼうと考えるものもいた。この系は、自転と公転の同期状態になっている。すなわち、カロンは常に冥王星に同じ面を向け、冥王星もカロンに対して常に同じ面を向けているのである。
研究者の中には、冥王星とカロンは過去には共に海王星の衛星であり、トリトンが海王星に捕獲された際に海王星を公転する軌道からはじき出されたという仮説を立てているものもいた[要出典]。海王星の最大の衛星であるトリトンは、大気や地質学的組成が冥王星と類似しており、過去には太陽を公転するエッジワース・カイパーベルト天体だった可能性もある。しかし今日では、冥王星は海王星を公転していたことはなかったということが広く受け入れられている[要出典]。
カロンは平均密度が2.24g/cm³あり、冥王星の2.05g/cm³より大きい。これは、メタンなどの軽い物質に対する、水の氷の割合が多いためと思われる。
冥王星とカロンの、地球の月との比較 | |||||
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名称 | 直径 (km) |
質量 (kg) |
軌道半径 (km) | 軌道周期(日) | |
冥王星 | 2306 (月の65%) |
1.3×1022 (月の18%) |
2390 (月の0.6%) |
6.3872 (月の25%) |
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カロン | 1205 (月の35%) |
1.5×1021 (月の2%) |
19,570 (月の5%) |
[編集] カロンの起源
2005年に発表されたロビン・キャヌプ (Robin Canup) によるシミュレーションによると、カロンは地球の月と同様に約45億年前に大衝突によって誕生したと考えられている(ジャイアント・インパクト説を参照)。
シミュレーションによると、冥王星の場合には、直径が1,600kmから2,000kmほどある他のエッジワース・カイパーベルト天体が、1km/sほどで衝突したとされた。キャヌプは、このような衛星形成の過程は初期の太陽系では一般的だった可能性があると推測している(参照リンク)。
冥王星の衛星 |
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