ギム・ギンガナム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ギム・ギンガナム（Gym Ghingham）は、テレビアニメ作品『∀ガンダム』の登場人物（声優：子安武人）。

通称御大将（おんたいしょう）。

ジン・ジャハナム と混同されやすいが、関連性はない。

---

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

---

[編集] 人物

月面都市ゲンガナムを守る軌道艦隊総司令を務めるムーンレィス。他者を威圧するような巨躯と、尊大な振る舞いが目立つ男。戦争を求める苛烈な性格をしており、劇中懐柔しようと諭すディアナの言葉に耳を傾けるどころか、所持していた刀を突きつける始末であった。性格上、セリフも暴走したものが多い。特に戦闘時に多く見られるが、ターンXにサイコミュのような搭乗者に干渉するシステムが搭載されており、その影響という説もある。月と地球が戦争状態に陥ったことを、「我が世の春が来た」と評したことでも有名。

小説版では彼の中に侍の血が流れていることを思わせる描写があり、アニメでの風貌はカブキ者そのもの。腰に日本刀を帯び、終盤ロラン・セアックと斬りあった。月の女王であるディアナを軽く見る節があるが、ロランとの戦いの中で「労いの言葉一つかけてくれなかった」と言っていた所を見ると、元々は尊敬の念は持っていたらしい。

自らが率いるギンガナム艦隊全体が2,500年もの間に渡り演習だけを続けてきたせいか、「カマイタチの陣」という陣形を用いるなど、古くからのイメージに囚われたままであり、自身も戦略的才能にも秀でているわけではない。ターンXの絶大な戦闘力も相まって「戦闘神」と呼ばれることもあったが、やはり機体性能に依存する部分が大きかったようである。しかし、それは戦争そのものを楽しむ性格であるためロランとの最終決戦以外では本気を出していないという可能性も大きい。

またこの艦隊は、エリート意識だけは強く、一般市民出身兵や市民を見下す傾向にあったらしい。その歪んだエリート意識を嫌い、ハリー・オードはディアナ親衛隊に転向したと語っていた。

ちなみに、月面都市ゲンガナムは彼の祖父がかつてのグラナダに建設したものである。小説版の描写によると、この祖父はモビルスーツコレクターでもあり、多数の機体を保管していた。その中にはサイコガンダムと思われる「ブラックドール」などがあった。

[編集] 劇中での活躍

月の女王ディアナ・ソレルの地球移住計画に異を唱え、反ディアナ派へ参加。劇中には物語中盤から登場し、執政官アグリッパ・メンテナーの制止も無視して、再三宇宙へ進出したロランらに戦闘を仕掛けさせた。

物語後半には、月面のマウンテンサイクルより発掘されたモビルスーツ、ターンXを駆り自ら戦陣に立つ。さらに機械を使った文明開化を画策するグエン・サード・ラインフォードと手を組み、地球・ムーンレィス連合軍に戦いを挑む。しかしディアナ・ソレルの徹底抗戦に遭い、最終局面でロラン・セアック搭乗の∀ガンダムと相打ちになり、双方戦闘不能のまま地上へ落下した。その後、ロランと決着をつけようと日本刀で斬り合うが逆に刀を折られてしまう。直後に、相打ちになった両機から放出されたナノマシンの繭に取り込まれ、以後消息不明。

曽我篤士版のコミカライズでは、大気圏での戦いで、∀ガンダムを道連れにターンX共々大気圏突入し、その際の摩擦熱で燃え尽きて死亡している。福井晴敏著作の小説では、ザックトレーガーで∀ガンダムと交戦し敗北した後、ターンXの生み出したブラックホール状のものに呑み込まれた（これによってザックトレーガーは崩壊している）。

[編集] 関連項目

• ガンダムシリーズの登場人物一覧
  • ∀ガンダムの登場人物