機動戦士ガンダム 第08MS小隊
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機動戦士ガンダム第08MS小隊 | |
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OVA | |
監督 | 神田武幸(第1話~第6話) 飯田馬之介(第7話~) |
アニメーション制作 | サンライズ |
話数 | 全11話+1 |
映画: 機動戦士ガンダム第08MS小隊 ミラーズ・リポート |
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監督 | 加瀬充子 |
制作 | サンライズ |
封切日 | 1998年8月1日 |
上映時間 | 50分 |
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『機動戦士ガンダム第08MS小隊』(きどうせんしガンダム だいぜろはちエムエスしょうたい、Mobile Suit Gundam The 08th MS Team)は、ガンダムシリーズのOVA(オリジナルビデオアニメ)で、1996年から1999年にかけて全11話が制作されたほか、後日談という形でスペシャルエピソード『ラスト・リゾート』も制作され、1998年には劇場版『ミラーズ・リポート』も公開された。
『ガンダムエース』2007年3月号より、第7話以降の監督を務めた飯田馬之介の執筆による『機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α』のタイトルでコミカライズ化され連載されるが、細部でOVAとは異なる設定が用いられる様子である。
2007年2月13日よりTOKYO MXで、同年2月18日よりBS-iにて、無料放送テレビ局では初放送となった。3月25日にBS-i放送中に能登半島地震発生で報道特別番組が放送され、第六話の放送が延期になった。
目次 |
[編集] 物語
連邦軍パイロットのシロー・アマダ少尉は地球上のアジア戦線に配属されることになったが、そこへ向かう途中に敵と遭遇し交戦、敵パイロット共々遭難してしまい、その敵(アイナ・サハリン)と生還のため協力することで彼女との間に交流が生まれる。救助されたのち配属されたアジア戦線では、アイナと敵味方と分かれて対峙することになる。そこに至ってシローは、人間性として当然の倫理を否定する戦場においても敵とわかり合うことも可能だと叫び、それを証明すべく戦うのだった。
[編集] 作品解説
初代『機動戦士ガンダム』とほぼ同時期を描いた外伝である。 他のガンダムシリーズと比べて、戦場の生々しさやリアリティを追求した描写が特徴的である。 そこに、理想に燃える青年士官(シロー・アマダ)が主人公として登場することでより戦争の現実が強烈な印象をもって対比されている。 シローは、理不尽な戦いを目の当たりにし、軍務と倫理のギャップに激しく苦しむのである。
主軸となるのは、戦場において敵兵同士が愛し合うことは可能なのかというテーマである。言うなれば戦場版『ロミオとジュリエット』である。
結末が悲劇だったのかハッピーエンドだったのかについてはぼかされたまま終わり、それを明らかにするのがエピローグスペシャルエピソード『ラスト・リゾート』である。
サブキャラクターには奇しくも『機動戦士ガンダム』(TV・劇場版共)でザビ家の人物の声を担当していたベテラン声優が多くキャスティングされ、旧作ファンをも取り込もうとする意図がみられる。ちなみに、ノリス・パッカードの声を担当した市川治は、『機動戦士ガンダム』企画時、シャア・アズナブル役の有力候補であった。
キャラクターデザインは、ガンダムシリーズOVAとしての前作にあたる『機動戦士ガンダム0083』と同じく川元利浩が担当したが、意図的に『0083』とは画風が変えられ、全体的に漫画家江川達也の描くキャラクターを思わせるものになっている。川元が同時期にアニメ化にあたってキャラクターデザインと作画監督を手がけていた、江川原作の『GOLDEN BOY』からの影響と目される。
なお、本作は本来全12話完結の構想であり、監督は当初『銀河漂流バイファム』など手がけた神田武幸であったが、製作途中にて体調を崩し第7話から飯田馬之介にバトンタッチする。ストーリーそのものはもともと神田が考えていた筋書きにそっているが、1996年7月27日に彼が急逝したために、飯田ら残されたスタッフは生前彼が書き残していたメモやプロットを元に第11話までを完成させ、第12話ではなく特別編と言う形で「ラスト・リゾート」が製作された。本作がやや特殊な形態を取り、また第7話の発売まで1年近い間が開いているのはこういった事情による。そのため、本作は神田監督の遺作に当たっている。
また、大河内一楼による小説が出ている。なお、小説版と映像版では多少物語が違い、小説版の方が文字媒体という事もあり、表現や物語が非常に生々しい。小説版では「ラスト・リゾート」でアニメからは想像もつかない展開がある。
[編集] 兵器
一年戦争において連邦軍が勢いを伸ばし始めた頃が舞台であり、登場する兵器もモビルスーツだけに偏らず、テレビシリーズ『機動戦士ガンダム』に登場した一見奇抜な兵器をもリメイクさせて登場させている。
モビルスーツがあくまで一兵器として扱われるのはガンダムシリーズ全体を通して言える特徴であるが、本作ではその傾向がことさら強い。特に、主人公の乗機は大抵強力な特別機なのが通例なところを、本作では量産機や改造機を主人公が駆っている。それ以外のメカ描写も細部まで技術考証が徹底された。
一方で、作品中にモビルスーツを登場させる必然性があったためテレビシリーズでは後半(29, 30話)に初登場するジム(連邦軍初の量産型モビルスーツ)が、10話前後に相当する時期に宇宙で配備されていたり、東南アジアに連邦軍の先行量産型モビルスーツ大隊がすでに存在していたりと、従来の設定を無視して連邦軍のモビルスーツ配備を大幅に前倒しした作品となった。「映像化されたものが公式設定」というサンライズの方針により、これ以降宇宙世紀世界では「テレビシリーズではたまたま登場しなかっただけで当時から連邦にもモビルスーツが存在した」というのが公式設定となっている。
敵の最終兵器アプサラスIIIは非常に凶悪であるが、これは外伝のストーリーに花を添える大道具としてはよくあるものと言えよう。
[編集] 主要登場人物
詳細は機動戦士ガンダム 第08MS小隊の登場人物を参照。
- シロー・アマダ(声:檜山修之)
- アイナ・サハリン(声:井上喜久子)
- カレン・ジョシュワ(声:小山茉美)
- テリー・サンダースJr(声:玄田哲章)
- エレドア・マシス(声:藤原啓治)
- ミケル・ニノリッチ(声:結城比呂)
- ジダン・ニッカード/イーサン・ライヤー(声:永井一郎)
- コジマ(声:藤本譲)
- キキ・ロジータ(声:西村ちなみ)
- ギニアス・サハリン(声:速水奨)
- ユーリ・ケラーネ(声:上恭ノ介)
- ノリス・パッカード(声:市川治)
- アリス・ミラー(声:高島雅羅)―劇場版に登場
[編集] スタッフ
- 企画:サンライズ
- 原作:矢立肇、富野由悠季
- キャラクターデザイン:川元利浩、門智昭(『ラスト・リゾート』)
- メカニカルデザイン:大河原邦男、カトキハジメ、山根公利
- 美術監督:池田繁美
- 音楽:田中公平
- 音響監督:浦上靖夫
- 監督:神田武幸(第1話~第5話)、飯田馬之介(第6話~第11話)、森邦宏/仕舞屋鉄(『ラスト・リゾート』)、加瀬充子(劇場版)
- 制作:サンライズ
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ『嵐の中で輝いて』
- エンディングテーマ『10 YEARS AFTER』
- 作詞:朝倉京子 作曲:三浦一年 歌:米倉千尋 キングレコード
- 挿入歌・第11話エンディングテーマ『未来の二人に』
- 作詞:工藤哲雄 作曲:都志見隆 歌:米倉千尋 キングレコード
- 劇場版テーマソング『永遠の扉』
- 作詞:渡辺なつみ 曲:鵜島仁文 歌:米倉千尋 キングレコード
[編集] 各話リスト
()内はVHSビデオ版発売日(1巻のみ2話収録でそれ以降は1話ずつ収録)
- 二人だけの戦争 (1996年1月25日)
- 密林のガンダム (1996年1月25日)
- 信頼への限界時間 (1996年3月25日)
- 頭上の悪魔 (1996年10月25日)
- 破られた待機命令 (1996年11月25日)
- 熱砂戦線 (1996年12月18日)
- 再会 (1997年10月25日)
- 軍務と理想 (1997年12月18日)
- 最前線 (1998年2月25日)
- 震える山(前編) (1998年7月25日)
- 震える山(後編) (1999年4月25日)
- 特別編 ラスト・リゾート (1999年7月25日)
[編集] 関連作品
[編集] 劇場版
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』(きどうせんしガンダム だいぜろはちエムエスしょうたい ミラーズ・リポート)は、1998年8月1日に全国松竹系で公開されたアニメーション映画。『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別編』の同時上映作品。
本作は、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の1話から8話を再構成し、新キャラクターである連邦情報官「アリス・ミラー」の視点からシロー・アマダの軍歴を監査するという構成となっている。
- 概要
- 作品名:『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』
- ジャンル:アニメーション映画
- 公開年:1998年
- 上映時間:53分
[編集] 漫画
『機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α』(きどうせんしガンダム だいぜろはちエムエスしょうたい うちゅうせいきだぶるおーせぶんてぃーないん ぷらすアルファ)は、原作を手がけた飯田馬之介によって執筆されるコミカライズ。流れはほぼ原作と同じだが、以前にガンダムエースで連載されていた『機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム』の続編という形でストーリーが展開する為、エピソードや登場キャラクターが多少追加される等、原作から若干変更がされている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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