機動戦士Ζガンダム
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機動戦士Ζガンダム | |
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ジャンル | ロボットアニメ |
テレビアニメ | |
監督 | 富野由悠季 |
アニメーション制作 | 日本サンライズ(現:サンライズ) |
製作 | 名古屋テレビ 創通エージェンシー 日本サンライズ |
放送局 | 名古屋テレビ |
放送期間 | 1985年3月2日 - 1986年2月22日 |
話数 | 全50話 |
映画: 機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者- | |
監督 | 富野由悠季 |
制作 | サンライズ |
封切日 | 2005年5月28日 |
上映時間 | 94分 |
映画: 機動戦士ΖガンダムII-恋人たち- | |
監督 | 富野由悠季 |
制作 | サンライズ |
封切日 | 2005年10月29日 |
上映時間 | 98分 |
映画: 機動戦士ΖガンダムIII-星の鼓動は愛- | |
監督 | 富野由悠季 |
制作 | サンライズ |
封切日 | 2006年3月4日 |
上映時間 | 99分 |
シリーズ作品 | |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
『機動戦士Ζガンダム』(きどうせんしゼータガンダム、Mobile Suit Ζ Gundam)はサンライズが制作した「ガンダムシリーズ」のテレビアニメで、『機動戦士ガンダム』の続編にあたり、名古屋テレビ放送をキー局としたテレビ朝日系で毎週土曜日17:30 - 18:00にて1985年(昭和60年)3月2日から1986年(昭和61年)2月22日まで全50話が放送された。
富野由悠季監督は元々ガンダムの続編を作る意志はなかった。が、『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』、『重戦機エルガイム』と制作され続けてきたサンライズ/富野監督のロボットアニメが商品としての凋落傾向を強めてきたため、打開策として『ガンダム』の続編を企画せざるをえなくなったものである。また、トランスフォーマー上陸に危機感を抱いたバンダイが、対抗策として往年の名作を復活させることで、打開しようと要請して出来たものでもある。
なお「ゼータ」に当てられる文字として読みの上で正しいのはギリシャ文字の"Ζ"であるが、入力の容易さ・形状の類似からラテン文字の"Z"が代用されることが多い。
富野作品特有の暗い作風で、ショッキングなエンディングや救いようのない戦争の中の絶望を描いた作品だが、その反面絶大な人気を得ており、20年以上経過した現在でも、「ガンダムシリーズの最高傑作」とするファンも多い。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 物語
宇宙世紀0087、一年戦争(地球連邦とジオン公国の戦争)終結から7年後の世界が舞台である。
ジオン公国に勝利した地球連邦軍は増長しコロニーに対し再び支配と圧力を強めていた。やがて、地球連邦軍内部に「ジオンの残党狩り」を名目にスペースノイドへの強権的制裁を加えるエリート部隊「ティターンズ」が創設された。ティターンズはその思想を背景に急速に勢力を拡大させていき、これに反発する一部の連邦軍人やスペースノイド達は反地球連邦政府組織「エゥーゴ」を結成する。やがてエゥーゴがティターンズの拠点、「グリプス(グリーンノア)」を襲撃しコロニーの住民カミーユ・ビダンはその戦闘に巻き込まれていく。
劇中の物語はここから始まり、エゥーゴとティターンズの戦いを主軸に、地球連邦軍、さらにザビ家残党(元ジオン軍の一派)が結成した軍事組織アクシズ(後のネオ・ジオン)の動きを絡めて描かれていく。
[編集] モビルスーツデザイン
『機動戦士ガンダム』で登場したデザインの系譜を受け継ぎ、なおかつ新しいものを生み出すという意図の許、若い世代のデザイナーが多数参加している。
当初は富野由悠季監督の指示により『重戦機エルガイム』のデザイナーである永野護がデザインを進めていたが、彼が提出したリック・ディアスやガルバルディβが、サンライズ上層部での評価が芳しくなかった為、番組放送直前で永野は降板し、急遽前作のデザイナーである大河原邦男と当時21歳の藤田一己が呼び寄せられ、永野・大河原のアイデアを藤田がまとめるという方式で作業が進められた(例えばガンダムMk-II・ハイザック・アッシマーは大河原→藤田、百式は永野→藤田という流れでまとめられている)。そして、最初に登場する数点のデザインワークが終了した後は、実質藤田一人がデザインを担当することとなった。
さらに多くの可能性を探るため、その後も多くのデザイナーが登用され、デザインを提出している。後にΖΖガンダムをデザインすることになるイラストレーター/モデラーの小林誠を筆頭に、漫画家の近藤和久、アニメーターの大畑晃一・はばらのぶよし、デザイナーの佐山善則などが参加している。また、物語後半にはデザインそのものが不足し、一度降板した永野護に再度発注が行われている(永野はキュベレイ・ハンブラビを提出)。この結果、よく言えば多彩ではあるが、悪い言い方をすれば統一感のないデザインのモビルスーツが多々登場する結果になった事もまた否めない。
また、作品内での7年の間の技術進歩を表す要素として「変形」という機能を持った可変モビルスーツが多数登場している。 これは当時、アメリカにて人気を博していたタカラのトランスフォーマーを強く意識したものであることを富野監督がインタビューで明言している(トランスフォーマーが日本にて展開を開始したのはΖガンダムの放送開始後である)。また大河原邦男はオンエア前、月刊ニュータイプの取材において、可変モビルスーツ/モビルアーマーの名前自体を「トランスフォーマー」と呼んでいた。しかし、そこにどの程度スポンサーであるバンダイからの要請があったのかは不明である(実際、人気エピソードに登場したサイコガンダムはポピー時代の超合金の商品設計で有名なバンダイの村上克司によりデザインされた「Ζガンダム」の初期稿の一つがベースであり、なんらかのオファーがあったのは確かである)。またこれとは別に、主人公メカ「Ζガンダム」の、“人型ロボットがドラスティックに変形してすっかりジェット戦闘機の姿になる”というコンセプトは、変形ロボットの革命といわれた『超時空要塞マクロス』の「バルキリー」からの発想だろうといわれる。
現場の混乱やデザインの不統一、ほとんど活躍の機会も無く性能の説明もされないまま退場していくMSが多いなど、演出的に食い足りない面もあり、デザインワークとしてはともすれば否定的に捉えられる向きもあるが、「ガンダムの中で最も好きな機体は?」と問われて本作に登場するMSを挙げるファンも多い(特に主役機Ζガンダムの人気は非常に高い)。
[編集] BGM
日本音楽著作権協会(JASRAC)は2005年5月18日、2004年度の著作物使用料に基づく分配額のランキングを発表。このランキングの第10位に「機動戦士Ζガンダム BGM(三枝成章作曲)」が入った。『スーパーロボット大戦』などの関連ゲームのみならず、TVのニュース、ワイドショー、バラエティ番組で同サウンドラック音源が使用される機会が多い。
[編集] 登場人物
詳細は機動戦士Ζガンダムの登場人物を参照。
[編集] スタッフ
[編集] シリーズスタッフ
- 企画:日本サンライズ
- 原案:矢立肇
- 原作・総監督:富野由悠季
- キャラクターデザイン:安彦良和
- メカニカルデザイン:大河原邦男、藤田一己
- メカニカル作画監督:内田順久
- 動画チェック:江山利恵、古沢亮吉
- 色彩設定:高島清子
- 特殊効果:千葉豊
- 仕上処理:前林文恵
- 美術監督:東潤一
- 撮影監督:斉藤秋男
- 音響監督:藤野貞義
- 音響製作:千田啓子
- タイトル:牧正宏、安倉光弘
- デザインワークス:永野護
- 音楽:三枝成章
- 効果:横山正和
- 調整:依田章良
- 背景:スタジオ・イースター、アトリエラスコー
- 撮影:旭プロダクション
- 編集:布施由美子
- 現像:東京現像所
- オープニング・エンディングアニメ:梅津泰臣
- プロデューサー:森山涇、大西邦明、内田健二
- 製作デスク:高森宏治
- 設定制作:高村信明、高松信司
- 制作助手:原田奈奈
- 制作事務:篠塚久美子
- 制作:名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ
[編集] 各話スタッフ
- 脚本:大野木寛、斧谷稔、川崎知子、鈴木裕美子、丸尾みほ、平野靖士、遠藤明吾
- 絵コンテ:今川泰宏、滝沢敏文、横山広行、川瀬敏文、杉島邦久、井内秀治、知吹愛弓、網野哲郎、斧谷稔、本橋鷹王、甚目喜一、関田修、森一浩、世良邦男
- 演出:今川泰宏、関田修、横山広行、川瀬敏文、杉島邦久、本橋鷹王、平林淳、妻方仁
- 作画監督:北爪宏幸、小林利充、兵頭敬、山田きさらか、金山明博、照日四郎、大森英敏、瀬尾康博、寺東克己、恩田尚之、敷島博英
[編集] 主題歌
- 前期オープニングテーマ『Ζ・刻をこえて』(1話~23話)
- 後期オープニングテーマ『水の星へ愛をこめて』(24話~50話)
- 英題:FOR US TO DECIDE、作詞:売野雅勇、唄:森口博子
- エンディングテーマ『星空のBelieve』
- 原題:BAD AND BEAUTIFUL、原作詞:PHILIP CODY、日本語版作詞:竜真知子、歌:鮎川麻弥
いずれも作曲はニール・セダカ。『Ζ・刻をこえて』(原曲は1972年のアルバム「Solitaire」に収録)と『星空のBelieve』(原曲は1976年のアルバム「Steppin' Out」に収録)は、過去のセダカのアルバム収録曲に新たな詞がついたものだが、『水の星へ愛をこめて』は新規に提供されたものである。尚、『Ζ・刻をこえて』の原曲「BETTER DAYS ARE COMING」のニール・セダカヴァージョンには後に10ccとなるメンバーが全員参加している。また、「Solitaire」のアルバムはLP時代の作品で、オリジナルの形ではCD化されていないことに留意されたい。
『水の星へ~』はロック調のアレンジがなされた『Ζ~』と比べてポップスの王道という感じの曲だが、これは『Ζ~』のアレンジに納得の行かなかったセダカより大きくイメージを変えないようにという注文が付いた為といわれている。 また永野護がテレビ放送当時に参加したイベントの席上で発言したところによると、当初主題歌についてはヴァン・ヘイレンに未使用曲を譲って貰おうという案も出ていたらしい。
なお、バンダイチャンネルによるインターネット配信ヴァージョンにおいては、権利関係上OP・ED曲の差し替えがなされているため、本来の形で視聴できるのは再放送ないしDVDにおいて、ということになる。
また、ゲーム『機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX』には上記3曲は収録されているものの、そのコンシューマ機移植版である『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』では権利の関係上からなのか(バンダイ側からの意向とも言われている)収録されていない。
- 第20話挿入歌『銀色ドレス』
- 作詞:井荻麟、作曲・編曲:馬飼野康二、唄:森口博子
[編集] 放送リスト
- 黒いガンダム
- 旅立ち
- カプセルの中
- エマの脱走
- 父と子と…
- 地球圏へ
- サイド1の脱出
- 月の裏側
- 新しい絆
- 再会
- 大気圏突入
- ジャブローの風
- シャトル発進
- アムロ再び
- カツの出撃
- 白い闇を抜けて
- ホンコン・シティ
- とらわれたミライ
- シンデレラ・フォウ
- 灼熱の脱出
- ゼータの鼓動
- シロッコの眼
- ムーン・アタック
- 反撃
- コロニーが落ちる日
- ジオンの亡霊
- シャアの帰還
- ジュピトリス潜入
- サイド2の危機
- ジェリド特攻
- ハーフムーン・ラブ
- 謎のモビルスーツ
- アクシズからの使者
- 宇宙が呼ぶ声
- キリマンジャロの嵐
- 永遠のフォウ
- ダカールの日
- レコアの気配
- 湖畔
- グリプス始動
- 目覚め
- さよならロザミィ
- ハマーンの嘲笑
- ゼダンの門
- 天から来るもの
- シロッコ立つ
- 宇宙の渦
- ロザミアの中で
- 生命散って
- 宇宙を駆ける
[編集] 関連作品
[編集] 劇場映画
[編集] タイトル・スタッフ
- 第1部『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-』(2005年5月28日公開)
- 第2部『機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-』(2005年10月29日公開)
- 第3部『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』(2006年3月4日公開)
- 原作・総監督・脚本・絵コンテ:富野由悠季
- 製作:吉井孝幸 企画:内田健二 原案:矢立肇
- キャラクターデザイン:安彦良和
- メカニカルデザイン:大河原邦男、藤田一己
- キャラクター作画監督:恩田尚之
- メカニカル作画監督:仲盛文
- 美術監督:東潤一、甲斐政俊
- 音響監督:藤野貞義
- 音楽:三枝成彰
- 主題歌:Gackt
[編集] 概要
テレビ放映時は殺伐と悲劇しか無かった救いのなかった物語を、視点を変えることで「健やかな物語」に再構成するというテーマのもと、テレビシリーズの総監督である富野由悠季自らが全三部作に再編集を行い、2005年より全国で上映された。 ファンからは単純に「劇場版Ζガンダム」もしくはキャッチコピーである「A New Translation」の直訳である「新訳」を取り付けた「新訳Ζガンダム」といわれている。
大まかなストーリーの流れはテレビシリーズ本編と同じだが、「健やかな物語」として再構成するために主人公のカミーユのキャラクターはテレビシリーズよりもやや素直で柔和なテイストに直された他、悲劇的なラストも回避された。また、フォウ・ムラサメのキリマンジャロでの再登場、シャア・アズナブルのダカール演説、ロザミア・バタムのアーガマ潜入といったいくつかの重要なエピソードが上映時間の関係で丸々カットされている。もともとかなり早い展開をする物語を90分前後(富野監督によれば「観客の緊張感がギリギリ保たれる時間」であるとのこと)にまとめたため、全体的にかなり駆け足気味なストーリー運びになっており、「初見では内容が捉えにくいのでは?」「原作を知っているファン向けでは?」という批判もあった。
フィルムそのものについては、旧作カットをデジタル上で繋いだ上に新作カットを加えるという特殊な編集(その為、絵コンテもTV版のコンテと新たな絵を組み合わせた上に、シナリオも改正するという過酷なものだった)が行われ、更に新旧のカットの質感をデジタル上で合わせる「エイジング」という処理が行われた。しかし両者には20年以上の隔たりがあるため、カットの切り替わり時にはどうしても違和感が出てしまい、「全て新作カットにして欲しい」という意見も出た。だが、富野監督は完全に新作にしてしまうと『Ζガンダム』ではなくなってしまうため、あえてこの形式をとったと発言している。
映画化に際しては20名以上に上る大幅なキャストの変更が行われた。この中でフォウ・ムラサメ役が島津冴子からゆかなに、サラ・ザビアロフ役が水谷優子から池脇千鶴に変更されたことに対し、島津、水谷が「映画出演のオファーがなかった」と明かしたこと、島津が公開した手記の中で富野監督が「音響監督に騙された」という意味の発言をしたこと(しかし、第3部の新聞広告では音響監督の名前が大きく扱われており、この監督の発言が何処まで真実かは不明である。結局、後に「フォウ、サラには最初から新人の起用を考えていた」「音響監督とよく検討して決めた」とこれを撤回する発言がなされた)で、インターネットを中心にファンの間で大きな波紋を呼んだ(島津の手記に於ける監督の発言が本気なのか冗談めいてのものなのか、そういったことが不明瞭だった為に混乱が起こり、且つ島津の新声優に対するフォローも全くなかった為、結果的にサイト持ちの新声優は荒し、中傷の憂き目に遭い、サイトは閉鎖された。更にこの騒動の影響か、三部では池脇が降板となり島村香織に変更された)。これは「月刊ニュータイプ」(角川書店)がΖガンダム特集で提唱したキャラクターボイス概念の否定であり、声優史の皮肉である(逆に、三作目において故井上瑤をセイラ・マスのキャラクターボイスとして登場させたことはファンに肯定的に受け入れられた)。尚、声優の鈴置洋孝と戸谷公次が逝去し、『星の鼓動は愛』がガンダムシリーズにおける最後の出演となった。なお、業界筋では『星の鼓動は愛』の公開日時を2006年2月22日(TV版の最終回放映日時)にするプランもあったという。
[編集] TV版と映画版のΖ以降の世界
映画版のラストはTV版のラストを受けてスタートする『機動戦士ガンダムΖΖ』冒頭の展開に矛盾し、そのままでは繋げることができない形であったため、その是非についてファンの間で大きな論議を呼んだ。ガンダムシリーズの原作者富野由悠季は『ΖΖ』を否定するような発言もしており(ほとんど自らの関与が薄かったと発言している)、『ΖΖ』ファンからの批判も当然ながら存在する。また映画版『Ζ』から直接『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に繋がるのではなく、その間にはアクシズに関連した何らかの戦争が発生したと考えられる(『逆襲のシャア』劇中の台詞から、『Ζ』と『逆襲のシャア』の間に戦争が無いとすると矛盾が生じるため)。これはかつてのファーストガンダムの映画版とTV版の関係と等しく、双方を肯定した場合、宇宙世紀の時間軸にはさらに2つのパラレルワールドが出来たと考えることもできる。
ちなみに、映画版の世界観に沿った外伝作品『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』では、映画版のラスト以降にカミーユやファ、シンタとクム達はアーガマを下船した事がセリフで語られている。さらにアーガマは『ΖΖ』の冒頭同様にシャングリラらしき場所に寄航した事も語られているが、その時点でジュドー達は乗船していない様子である。ただし、同作品を執筆したことぶきつかさは、このまま『ΖΖ』へと繋がる可能性を否定も肯定もしないと明言している。
いずれにしろ、もし今後『Ζ』映画版のラストに連なる新解釈の『ΖΖ』が何らかのかたちで発表される場合(新訳『Ζ』三部作がそうであったように)導入部がTV版とは多少違った展開に書き改められる事は必然であるといえよう。
[編集] 主題歌
主題歌には富野監督の友人であり、熱烈なガンダムファンとしても知られるGacktが、サウンドトラックはテレビシリーズと同じく三枝成彰が担当(映像と同じくかつてTV版で使用されていた物と新規録音の物を併用)している。間嶋里美の歌う『ハッシャバイ』のみ元々『無敵鋼人ダイターン3』のイメージソングとして録音された楽曲である。間嶋はかつてファーストガンダムでミハル・ラトキエ役を演じた声優であるが、現在はアムロ・レイ役の古谷徹の愛妻であり、アムロの初登場シーンに劇中歌として使用された。恐らく製作サイドの配慮によるものと思われ、ちょっとした楽屋オチになっている。
また、モビルスーツの動作音をはじめとするSEの音源がE&Mプランニングセンターからフィズサウンドクリエイションのものに変更されて、『機動戦士ガンダム』や『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』との統一が計られている。
- 『機動戦士Ζガンダム -星を継ぐ者-』オープニングテーマ「Metamorphoze~メタモルフォーゼ~」
- 『機動戦士Ζガンダム -星を継ぐ者-』エンディングテーマ「君が待っているから<ReMix>」
- 『機動戦士ΖガンダムII -恋人たち-』エンディングテーマ「mind forest」
- 『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』テーマソング1「Love Letter」
- 『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』テーマソング2「Dybbuk」
- 以上 唄:Gackt 作詞・作曲:Gackt.C
[編集] 本作品の影響
当初(『機動戦士Ζガンダム -星を継ぐ者-』上映時)は映画館もそんなに多くなく、日本全国でわずか57ヶ所(わずか1ヶ所しか上映されていない場所(都道府県)や上映されていない県もある)しか上映していなかったが、映画ランキングで堂々の3位にランクインした。 そのため、『機動戦士ΖガンダムII -恋人たち-』、『機動戦士ΖガンダムII -星の鼓動は愛-』は上映館が増やされ、各メディアでも『機動戦士Ζガンダム』が再評価された。
[編集] GUNDAM EVOLVE
フル3DCGによる短編映像作品『ガンダムイボルブ』でも本作をモチーフとしたものが数編作られた。
- 第2作目では、本作を元にガンダムMk-IIの戦闘訓練の模様と題した映像が制作されている。
- 第9作目では、知られざる3機のΖガンダムと謎のモビルアーマーとの戦いの映像が作られた。
- 第12作目では、リック・ディアスが登場する模擬戦の映像が制作された。
- 第13作目では、マラサイのパイロットの視点から描かれたジャブロー降下作戦の映像が作られた。
[編集] 漫画
アニメの放映当時には近藤和久の手による漫画版が、雑誌コミックボンボンにて連載された。基本的にはアニメのストーリーをなぞっているが、漫画独自のモビルスーツもいくつか登場させている。また、同じく近藤和久の手による、本作を元にしたパラレルワールド作品『サイドストーリーオブガンダムΖ』が模型雑誌B-CLUBにて掲載された。こちらは未完のまま終了している。
劇場版公開に辺り、各作品のコミカライゼーションが「ガンダムエース」に連載された(各話の第一話はガンダムエース増刊 Ζガンダムエースに掲載)。各作品の担当作家はそれぞれ異なっている。
第1部、第2部の単行本は第2部のDVD発売(及び第3部公開)に合わせて、第3部の単行本は第3部のDVD発売に合わせて、それぞれ発売された。
劇場版コミカライゼーション担当作家
- 第1部『機動戦士Ζガンダム -星を継ぐ者-』田巻久雄
- 第2部『機動戦士ΖガンダムII -恋人たち-』白石琴似
- 第3部『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』津島直人
又、ガンダムエースの増刊、Ζガンダムエースにて連載(2話以降ガンダムエース)された4コマギャグ漫画もある。
- 『クワトロ・バジーナの夢で逢いましょう』内山ラミ
- 『星の鼓動はIフィールド』(第3部)谷和也
さらにΖガンダムエースの読み切りからガンダムエース本誌の連載に発展したことぶきつかさによる『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』は、劇場版のストーリー補完の役割も担う外伝作品というポジションにある。
[編集] 小説
同じく、アニメの放映当時には講談社から、後に角川書店から本作の小説版が全5巻で刊行されている。富野由悠季・著。
元々『Ζ』放映開始前の1984年頃、『逆襲のシャア』のタイトルで「ガンダム」の続編小説が企画されており、『Ζ』製作決定と共にその小説版にシフトしたという経緯がある。
講談社版のカバーイラストは永野護が担当し、アニメ版とは異なるディテールのメカやキャラクター、コスチュームが描かれていた。特にメカニックについては当初「永野版」的扱いだったのが、模型雑誌モデルグラフィックスによって設定を付加され、後に『ガンダム・センチネル』の設定上の骨子となった「アナハイム・ガンダム」の先駆ともなった。
- 具体例としては、第1巻で描かれたガンダム(永野のコメントによると、変形をしないΖガンダムとしてデザインしたものらしい)が核パルス推進機構を搭載した試験機・ε(エプシィ)ガンダムとされた等。
角川文庫版はカバーイラストを美樹本晴彦が担当。アニメに準拠したキャラクターやメカで描かれていた。一方、口絵のMSのイラストは藤田一己により、アニメに準拠したものではなく、大きくデザインが変更された。こちらは通称「藤田版」として知られており、ガンダムMk-IIやΖガンダムはガレージキット化もされている。
また、小説版でもTVアニメ版と展開が異なっている(具体例としてはレコアのティターンズへの寝返りがない、中盤の展開がシャアのダカール演説→マウアーの死→アクシズの登場となっている、一部のキャラの死に方が違う、ラストがやや異なっている等)。
他に1986年、遠藤明吾著で『機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』がアニメージュ2月号付録として発表された。 これは、フォウ・ムラサメの本編登場以前の過去を書いた物で、『機動戦士ガンダム』のあるキャラクターも主要人物として登場している。 雑誌の付録という性質上、長年幻の作品となっていたが、2001年9月に加筆再構成の上、角川スニーカー文庫で刊行された。なおカバーイラスト・口絵イラスト・キャラクター紹介イラストは北爪宏幸が1986年当時に描いた物がそのまま使用されている。
[編集] ゲーム
- 機動戦士Ζガンダム・ホットスクランブル
- 機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ
- 機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズDX
- 機動戦士ガンダム ガンダムvs.Zガンダム
- 機動戦士Ζガンダム AWAY TO THE NEWTYPE(スーパーファミコン用)3.3万本
- 機動戦士Ζガンダム前編 Ζの鼓動(セガサターン用)8万本
- サターン版「機動戦士ガンダム」を参考に別スタッフが開発。アクションとしては弱く、操作性も悪かったため、大幅に改善された後編の売り上げを大きく落とした。
- 機動戦士Ζガンダム後半 宇宙を駆ける(セガサターン用)1.6万本
- プレイステーション版が控えていた事もあり商業的には失敗したが、内容的には佳作の部類に入る。
- 機動戦士Ζガンダム(プレイステーション用)
[編集] ゲームブック
- 機動戦士Ζガンダム Vol.1 グリーン・ノアの決断
- 機動戦士Ζガンダム Vol.2 バレオロガス漂流
- 上記二冊はカミーユ・ビダンが主人公(PC=プレイヤー・キャラクター)。Vol.1はアニメ冒頭をベースとしたもので、プレイヤーの選択によってはカミーユがティターンズと共にエウーゴを撃退するという展開にもなる。Vol.2はゲームブックオリジナルストーリーで、一部の登場人物は同じくホビージャパン発行のΖΖゲームブック3部作にも重要な立場で登場する。
- 機動戦士ガンダム0087 ジェリド出撃命令
[編集] その他
岡山県にある道の駅久米の里には個人が制作した約1/3スケールのΖガンダムの模型がある。ただしデザインは俗に言う「藤田版」である(角川スニーカー文庫版「Ζガンダム」に掲載)。脚部には油圧シリンダー等を組み込んでおり、動かすことも可能(注:当初は要望により動かしていたが、現在は動かしていない。そのかわりに年に数回だが、コクピットに乗せてもらえる機会がある)。道の駅 久米の里ホームページ。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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