クイックディスク
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クイックディスク (QD, Quick Disk) は磁気ディスクの一種。 ドライブをミツミ電機が、メディアを日立マクセルが開発した。
容量は片面64キロバイト、両面128キロバイト。
[編集] 特徴
同心円状に多数のトラックがあるフロッピーディスクと違い、クイックディスクには、アナログレコードの溝のように、渦巻状のトラックが1本だけ存在する。発表当時パーソナルユースでの補助記憶装置として主流だったデータレコーダのテープメディアを、そのままディスク状にしたようなものと言えるだろう。
クイックディスクでは、片面全部を順に一気に読み出しまたは書き込みするシーケンシャルアクセスのみが可能で、任意部分へのランダムアクセスは基本的に不可能である。これは、ドライブの機構がフロッピーディスクに比べて単純化されており、ヘッドは片面全域をなめる「スイープ」しか行えず、「シーク」ができないためである。しかしながら、片面すべてを読み出しまたは書き込みするのに8秒しかかからないので、64キロバイトのDRAMを併用すれば、読み出し→RAM上でのランダムアクセス→書き込みという順序を踏むことで、擬似的にランダムアクセスを実現することが出来る。
ライトプロテクトはツメを折り取ることにより行う。
[編集] 採用システム
パソコンではシャープ MZ-1500が内蔵ドライブを有し、MZ-700用、MZ-2000/2200用に外部ドライブが発売された。MSX用としてはLogitec、CASIOブランドで外部ドライブが発売された。MIDI機材ではヤマハ、ローランド、KORG、AKAIの音源、シンセサイザー、サンプラー、シーケンサ、データファイラ等がある。日本語ワードプロセッサーのデータ保存用にシャープ、カシオ計算機、キヤノンが採用した。
また特殊な採用例として、任天堂 ファミリーコンピュータディスクシステムに、違法コピーを防ぐために部分的に仕様を変更した上で「ファミリーコンピュータディスクカード」の名称で採用がある。ディスクカードはジャケットの寸法の他はクイックディスクと内部構造に違いが無かったため、当時は多くの模造品が発売された。