グレタ・ガルボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グレタ・ガルボ(Greta Garbo、1905年9月18日-1990年4月15日)は、スウェーデン・ストックホルム生まれのハリウッド女優。本名はグレタ・ロヴィーサ・グスタフソン(Greta Lovisa Gustafsson)。初期ハリウッドの伝説的スター。「永遠の夢の王女」、「スウェーデンの美のスフィンクス」、「神聖ガルボ」と呼ばれスター街道を歩む。
目次 |
[編集] 生涯
14歳の時に父親が亡くなり、ストックホルムのデパートで働くようになる。そのデパートの広告にモデルとして出演するようになり、宣伝用の短編映画に出演していたところをコメディアンのエーリック・ペチュレルに認められ、1922年に彼の映画『Peter The Tramp』に出演。また、同年から1924年までスウェーデン王立演劇アカデミーで演技を学ぶ。在学中に映画監督のマウリッツ・スティッレルに出会い、グレタ・ガルボという芸名を与えられ、彼の映画『イェスタ・ベルリングの伝説』に出演。
1925年にマウリッツ・スティッレルがハリウッドに渡った際、彼女も付いてゆきMGMと契約。1926年に『イバニエスの激流』でハリウッド・デビュー。スティッレルはハリウッドのシステムに馴染まずすぐにスウェーデンに戻るが、ガルボは『肉体の悪魔』『アンナ・カレニナ』などに出演し、そのミステリアスな美貌で人気を博す。
1930年にはじめてのトーキー『アンナ・クリスティ』に出演、そのハスキーボイスで更に人気を集める。
「笑わない女優」と呼ばれていた時期もあったが、映画『ニノチカ』で初めて公の場で笑顔を見せたといわれている(「ガルボ笑う」というキャッチコピーが使われた)。
以前のような人気がなくなった事を認識していた彼女は、不評だったコメディ映画『奥様は顔を二つ』を最後に24本の作品を残して、36歳で引退。マスコミを徹底的に避け、マンハッタンの自宅で暮らしていた。1954年に米国アカデミー賞栄誉賞も授与されているが授賞式にも出席せず、引退後は84歳で亡くなるまで一度も公の場に姿を現さなかった。ロマンスの噂もあったが、生涯独身だった。
[編集] 主な出演映画
括弧内は製作年、製作国:
- イエスタ・ベルリングの伝説 - Gösta Berlings saga (1924、スウェーデン)
- 喜びなき街-Die Freudlose Gasse (1925、独)
- イバニエスの激流 -Torrent (1926、米)
- 明眸罪あり -The Temptress (1926、米)
- 肉体と悪魔 -Flesh and the Devil (1926、米)
- アンナ・カレニナ -Love (1927、米)
- 恋多き女 -A Woman of Affairs (1928、米)
- 女の秘密 -The Mysterious Lady (1928、米)
- 接吻 -The Kiss (1929、米)
- 船出の朝 -The Single Standard (1929、米)
- 野生の蘭 - Wild Orchids (1929、米)
- ロマンス - Romance (1930、米)
- アンナ・クリスティ -Anna Christie (1930、米)
- スザン・レノックス - Susan Lenox (Her Fall and Rise) (1931、米)
- インスピレーション -Inspiration (1931、米)
- マタ・ハリ -Mata Hari (1931、米)
- お気に召す儘 -As You Desire Me (1932、米)
- グランド・ホテル -Grand Hotel (1932、米)
- クリスチナ女王 -Queen Christina (1933、米)
- 彩られし女性 -The Painted Veil (1934、米)
- アンナ・カレニナ -Anna Karenina (1935、米)
- 椿姫 -Camille (1937、米)
- 征服 -Conquest (1937、米)
- ニノチカ -Ninotchka (1939、米)
- 奥様は顔が二つ -Two-Faced Woman (1941、米)
[編集] ギャラリー
[編集] 関連項目
- 松任谷由実 - 「呉田軽穂」というペンネームを使用する。
- 「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」(OVA)には、「グレタ・ガルボ」という架空の飛行船が登場する。
- 現代アルゼンチンの作家マヌエル・プイグは映画をこよなく愛した人物であったが、最晩年になって『グレタ・ガルボの眼』という名の短編集を発表している。また、彼の他の作品にもグレタ・ガルボは登場することがある。
- イングリッド・バーグマン
- モンブラン (万年筆メーカー) - 彼女の生誕100周年を記念した万年筆「グレタ・ガルボ」を発売した。
- 新世紀GPXサイバーフォーミュラの主題歌を歌うG・GLIPという女性バンドはガルボ・グリップ(グレタ・ガルボの抱擁シーンの美しさから)からのネーミングとの事。
[編集] 外部リンク
- First and oldest Garbo Homepage from Germany - The Berlin Garbo Archiv
- Greta Garbo
- Rilla Page Palmborg, The Private Life of Greta Garbo (Doubleday, Doran, Garden) New York, 1931