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コピーコントロールCD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

エイベックスのコピーコントロールCD(CDS-200)の記録面。帯の様なものがあるのが分かる。これが、オーディオトラックとエクストラトラックの境である。
エイベックスのコピーコントロールCD(CDS-200)の記録面。帯の様なものがあるのが分かる。これが、オーディオトラックとエクストラトラックの境である。

コピーコントロールCD (CCCD, Copy Control CD, Copy-Controlled Compact Disc)は主としてパソコンでのデジタルコピーを抑止する目的で導入された技術、もしくはその技術を導入した音声記録媒体(主としてディジタルディスク)の総称である。CCCDは通称であり、規格の名称ではない。

目次

[編集] 概説

開発者らはCD再生機器との互換性があると主張しているが、独自の加工を行うことでCDの物理仕様(所謂「レッドブック」規定)から外れてしまうため、正規のCDとは異なる。このため、現時点で規格準拠を示す「Compact Disc」ロゴを付与することはできない。そのため、一部の新聞社は前述の通り規格外であるためCDとは呼ばず「コピーコントロールディスク」と呼び、CD-R関連のWebサイトでは「コピーコントロール銀盤」と呼ばれる。 また規格外であることや取り入れられている技術の性格から、規格に準拠した機器との間で影響があるとされている。また、CDの規格外であるため再販制度の対象とすることに公正取引委員会の著作物再販協議会などにおいて疑問の声が提示された。

日本で発売されているCCCDには、2002年より日本レコード協会 (RIAJ) がCCCD技術を使用したことを示すマークを付与するよう定めているが強制力はないため、東芝EMIがCDS-300方式によるセキュアCDに切りかえた際には、CDS-200及びレーベルゲートCDと比べ機器の挙動が異なることを理由に当該マークを付与していない。また、CDS-200方式の中でもビクターエンタテインメントの「エンコードK2(ENC K2)」は独自のロゴのみで当該マークは付与していない。

日本国内では2002年3月にエイベックスがCCCDを採用、SMEなどが追随した。

しかし、ネット配信による音楽データの普及や、iPodをはじめとするパソコンから音楽を取り込んで蓄積・再生できる携帯型音楽プレイヤーが普及しているなど、この種の方式を採用しつづけることが逆に売り上げの減少につながるとの考え方もあり、2004年9月現在ではCCCD化を主導してきたエイベックスが作品ごとにCCCDを採用するかどうかを決定する形へ緩和することを発表。またSMEは同年10月以降段階的に廃止し、同年11月17日以降は全廃することを発表するなど、CCCD廃止の動きが加速しつつあるが、東芝EMIなど数社は、現在も新方式の導入などCCCD推進の立場を崩していない。

[編集] 目的

主に音楽用 CD に含まれている楽曲情報(データ)を、電子計算機(以下パソコン)等へ取り込むことをできなくするために使用される。近年のパソコンの進歩により、CDの音楽データをパソコン上に移して再生して楽しむことが可能になったが、同時に音楽データをWinMXWinnyなどのインターネットを経由してコピーする著作権の侵害行為が増えた。音楽業界(特にavex)ではこのことが原因(のひとつ)としてCDの売上げが減少していると主張し、オーディオ機器では再生できるがパソコンへのコピーができないCDとして、コピーコントロールCDが開発されるきっかけとなった。しかし実際には、Windowsを除く全てのパソコンでコピーが可能であり、逆に正規のCDプレイヤー(特にカーオーディオにおいては顕著である)では正常に再生されない、あるいは機器自体を破壊するといった例が多数報告されている。

[編集] 仕組み

「コンパクトディスク」(以下CD)に記録された音楽データには、再生時のデータの読み取り誤りを訂正するためのエラー訂正符号を埋め込むことが仕様として定められている。CDでは毎秒数回の読み取り誤りが発生するので、再生時にCDプレーヤーは常にこのデータによって読み取り誤りを訂正している。

コピーコントロールCDはこのエラー訂正符号を意図的に壊すことによって、誤り訂正機能が正常に働かなくなることを狙ったものである。オーディオ用のCDプレーヤーでは誤り補正機能によって、人間の耳で聞いて不自然ではない程度にごまかして再生されるが、データそのものを読み出そうとするCD-ROMドライブでは正しく読み出すことができない。これによってパーソナルコンピュータなどに音楽データをCDから直接読み込ませることを防ぐ。

ただし、この仕組みではアナログ信号に復号した音楽をコンピュータに音声入力してデジタル化することまでは防止できない。また、実際には市販されているCD-ROMドライブでもオーディオ用と同様に補正して読み込めてしまう例が少なくなく、普通のCD同様にWindows Media Playerなどでオーディオデータをパソコンにコピーすることが可能であり、事実上コピー抑制の役割を果たしていないのが実情である。さらに、オーディオ用として販売されている機器であっても、部品としての CD ドライブは CD-ROM 用のものと同一であることもあり再生できないことがある。

このままではパソコンでは利用できなくなるため、パソコン向けのトラック(オーディオ機器では再生できない)にウィンドウズ専用再生ソフト(以外のパソコン用のものも用意していることは稀)を用意し、製作者の望んだ方法でしか再生できないよう処理された音楽データが記録されている事もある。

また、SCMSを利用して、MDなどへのデジタルダビングを禁止しているCCCDも存在する(特にEU盤に顕著である)。

[編集] 種類(日本で採用されていないものも含む)

  • SafeAudio - Macrovisionが開発。
  • key2audio - SONY DADC社が開発。
  • CDS (Cactus Data Shield) - Midbar Tech(2002年12月にMacrovisionに買収された)が開発。
    • CDS-100
    • CDS-200
    • CDS-300
  • レーベルゲートCD - CDS-200を基にソニー独自のインターネット認証技術(後述)を追加。
    • レーベルゲートCD1
    • レーベルゲートCD2
  • エンコードK2(ENC K2) - CDS-200を基にビクターエンタテインメントが独自の技術により音質の向上を図ったもの。[1]
  • Alpha-Audio - SETTEC社が開発。
  • MediaMax CD3 (MediaCloQ) - SunnCommが開発。
  • XCP - Fast 4 Internetが開発、ソニーBMGが採用。マルウェアに近い技術を採用し大きな問題に(後述)。

[編集] 問題点

  1. 音楽データの読み取り誤りを意図的に引き起こすので、ジッターの発生の増加によって通常のCDより音質は悪くなる。
  2. 「コンパクトディスク」にはその物理的な仕様が規格レッドブック)として定められており、CDプレイヤーなどの再生機器は、その仕様に基づいて作られたCDを再生することを前提として設計されている。CCCDは意図的に規格から(再生不能にならないと推定される範囲で)逸脱しているので、機器メーカー側では正常な再生や動作を全く保証していない(保証できない)。CCCDの技術は音楽メーカー各社の独自技術であり、その目的上技術的詳細は公表されていないため、今後も正常な再生を保障する機器が発売される可能性は低い。ちなみにMacrovision社よりライセンスを取得したCDS-200対応プレーヤーも数機種存在するが、専ら100万円を越える超高級機であり、普及価格帯のプレーヤーを製造・販売をする機器メーカーでこれに追隨しMacrovision社とライセンス契約を結ぶ動きはない。
  3. 最近のオーディオ機器(特にポータブルCDプレーヤーや車載用CDプレーヤー等)では、音飛び防止のためにCD内容をデータとしてメモリに蓄積してから再生する機能が用意されているため、この機能を持った機器では、パソコン同様、正常に再生できない事が多い。特に輸入CCCDはカーオーディオで再生できないものが多く、海外では訴訟問題に発展しているほどである。
  4. ポータブル音楽プレーヤーで、記憶媒体にハードディスクや大容量メモリを用いたもの (いわゆるデジタルオーディオプレーヤーと呼ばれるもの) の多くはパソコンに取り込んだ音楽データをプレーヤーに転送するため、パソコンに取り込めないCCCDはこの種のプレーヤーで聞くことができない。
  5. 誤り制御機能に過剰に負担がかかる(再読出し試行のための同一セクタへの連続シークなどが発生する)ので、再生機器の製品寿命の低下や動作不良を引き起こす。実際、再生機器の故障事例もある。
  6. 著作権を侵害していない正規の利用者までが上記の不利益を一律にこうむる。
  7. 著作権法上認められている正規の私的複製(第110条但し書き規定)までが禁止される。なお、この状態に関してCCCD推進企業は、「私的複製は権利として認められているのではなく取締りが困難であるから例外として認められているのであって、私的複製を禁止すること自体に違法性はない」と述べている。
  8. この技術は現時点では完全なものではなく、DVD等で採用されている暗号化方式のプロテクトとは異なり、ディスクにある細工をするだけで、非常に簡単にプロテクトの解除が可能であり、またドライブによっては機構面への負担を別にすれば何事も無かったかのように読み出せてしまう例も少なくない(この事がCCCDの実効性に疑問を生じさせる結果を招いている)。
  9. 安定性の低いオペレーティングシステムを使用したパソコンや、低スペックのパソコンでは、CCCDをドライブに挿入したとたんにパソコンがフリーズしてしまうような場合もある。
  10. コンピュータセキュリティ上の問題。CCCDは、パソコンのドライブに入れると利用者の同意なしにソフトが勝手にインストールされるケースが多く、不正ソフトウェアをインストールされる可能性がある(事例後述)。
  11. そしてこれらの問題点があるにも関わらず、レーベル各社はこのディスクに起因する如何なるトラブルに対しても責任を一切負わず返品も受け付けていない。

[編集] CDとの構造上の違い

CDはレッドブックの仕様に従ってCD-DA形式で収録されている。一方CCCDの場合は各社様々な手法を取っており、一般的にはCD EXTRAをベースにTOC改変、エラーセクタ挿入などの手法を取っている場合が多いが詳細な構造は仕様書が非公開の為不明である。

また、ドイツ・グラモフォンが以前リリースしていたCDの一部に、これと似たものがあったが問題なく再生されるので心配はない(これはユニバーサルミュージックからリリースされた国内盤のみ)。

なお、音声記録領域とPCデータ領域が共存しているものにCD EXTRAがあり、CCCDもこれと一部共通した構造を持っている。エイベックスがCCCDを導入した時期、CCCDとCD EXTRAは共存不可能のため、CD EXTRAを採用した作品はCCCDではなかった。(これを狙って、CDにあえてPVを収録し、CCCDを回避したアーティストも存在する。しかし大抵は、レコード会社側がその打診を断ってCCCDでのリリースを強行することが多かった。)しかし、SMEのレーベルゲートCD2及び東芝EMIのセキュアCDの一部には、CD EXTRAとしての要件を満たさないエンハンストCD規格により、パソコン用特典データとコピーコントロールデータを共存させている場合もある。

[編集] レーベルゲートCD

レーベルゲートCDはSMEによって発売されたCCCDで、CCCDに含まれる「PC用の部分」を、ATRAC3データに置き換えたものである。2003年1月22日よりリリースされた。

構造はファーストセッションエリアとセカンドセッションエリアに分かれ、ファーストセッションエリアはオーディオ機器では再生可能だが、PCでの読み出しやリッピングが出来ないよう「CDS-200」と呼ばれるプロテクト技術を採用している。よって通常のCCCDと同じくRed Bookに反しているため、「Compact Disc」ロゴは入っていない。セカンドセッションエリアはATRAC3 132kbpsのデータと、転送用ソフトウェアが記録されている。データは暗号化されており、そのままでは取り込みは出来ない。

データはソフトウェア「MAGIQLIP」で取り込むが、このときインターネットで認証を行い、ディスクに書き込まれた「Postscribed ID」(PID)をもとに、コピーが初回であるかどうか判断する。初回のコピーのみ無料で2回目以降は有料となる(値段は種類や企業によって若干変わる)。しかし再生するためにはHDDにダビングする必要があったため、インターネット接続環境が無ければ再生すら出来なかった。そこで、後に改良版の「レーベルゲートCD2」がリリースされた。転送ソフトも「MAGIQLIP2」となり、データの再生を直接行えるようになった。当初は初代レーベルゲートCDも含めて邦楽シングルのみであったが、2004年からは邦楽アルバムへの採用も始まった。

通常のCCCDと違い、PC用データを条件付きでコピー可能にすることで、NetMDなどのOpenMG対応機器へのチェックイン/チェックアウトが行なえる事が特徴であった。SMEは2003年以降に発売するCDをレーベルゲートCDとして発売する方針を固めたが、他のCCCDが抱えていた問題を引きずってしまったこと、他のレコード会社が採用しなかったこと、iPodなどATRACファイルを扱えないMP3プレーヤーのシェアが高まったことなどから、2004年10月より段階的に廃止され、11月17日リリース分からレーベルゲートCDは廃止となった。また、レーベルゲートCDとして発売されたタイトルは全てCD-DA形式で再リリースされ、レーベルゲートCDは廃盤となった。2006年12月1日以降は、レーベルゲートCDの複製も行えなくなっている(レーベルゲートCD2の複製はこれまで通り可能だが、将来的にはレーベルゲートCD2の複製も行えなくなると思われる。)。

[編集] 現状

他のコピー防止策と同様、コピーを全く防止する事は不可能であり、実際、再生音質を向上させるため、または、自分の再生機器で再生を可能にする目的で複製が行われることがある。著作権法上、CDを私的複製することは認められているが、コピーコントロールを解除するための特別のソフトウェアをインストールするなど、コピーコントロールを回避するための特別の手段を用いて複製した場合には、著作権で禁じられている技術的保護手段の回避にあたり違法となる可能性がある(著作権法第30条第1項第2号)。一方で、著作権法上の「技術的保護手段」の要件として、「機器が特定の反応をする信号」を含むことが定められており(著作権法第2条第20項)、CCCD技術は環境によって反応が違うことからコピーコントロール技術として法的に認められないという意見もある。

これらの手段を講じないで、たまたま複製できてしまった場合には問題はない。CCCDが世の中に出回った頃から、インターネット上で様々な論議が形成され、サイトが出現した。「某パソコンメーカーの作る外付けCDドライブが全く問題なく無理なく読み込める」、「原始的な方法ではあるが、コピーガードを外すには、最後の曲が犠牲となるが、読み取り部分のオーディオトラックとエクストラトラックの間の帯状に見えるところを油性ペンで塗りつぶして完全に覆うのが良い」などの議論や情報交換が交わされた。最終的には約60%の環境では何らかの手法で音楽を抽出可能といわれている。

音質面での利用者の不安や、CCCDを再生出来ない機器も少なくない、若しくは機器への負荷が大きいとの理由で、当初からCCCDを導入していないレーベルも存在する。また、アーティスト側にもCCCDに対して批判的な者が少なくなく、CCCD非導入レーベルからCDを販売している者もいる(有名な例で言えば、クイーンの『ジュエルズ』のCCCD発売に際しあるファンがブライアン・メイにメールを送り、CCCD版の存在を知ったメイは激怒したという。これを受けてか、続作『ジュエルズII』は通常CDで発売されている)。また、2004年7月に発売された矢井田瞳のベストアルバムはCCCDで発売されたが、本人はCCCDに対して抵抗を感じていたようである。何故ならば、自身のホームページにある日記で、ベストアルバム後に発売されたシングルがCCCDではないことに喜んでいる記述があったからである。ちなみに、彼女の楽曲でCCCDなのは、このベストアルバムだけにとどまっている。

佐野元春は、所属レコード会社(EPIC Records)の姿勢に疑念を呈してその会社との契約解除を決意し、自らレーベルを立ち上げた。

山下達郎は、自身のラジオ番組にて「次作はCCCDを導入するのか?」というリスナーの問いに対し、「音質を劣化させるいかなる要素も排除したい」と回答しており、CCCDでのリリースを強く否定した(その通り、自身の所属している所属レコード会社(WMJ)が一部作品にCCCDを導入していた時期でも、彼の作品では一切導入されていない)。

陰陽座は、所属レコード会社にアルバムのCCCD化を一旦許可し、売れなかったら即CCCDを廃止させるという、購入者のCCCDに対する観点からCCCD排除を訴えた。事実アルバムはCCCDもあって売れ行きは芳しくなく、結果契約どおりCCCDを廃止させた。同レコード会社はこれ以降のアーティスト作品からはCCCDは導入していない。

ジャズ、クラシックと言った再生音質を重視するジャンルでは、EMIグループを除いてCCCDの利用は少ない。また、エイベックスではクラシック音源は原則SACD/CCCDハイブリッドでリリースし、表向きの非難をかわしている。

またCCCDは、不正なエラー訂正符号によるAV機器への悪影響・CCCDが正常に再生出来ない(認識されない・音飛び)等のリスクだけを一方的に消費者に負わせるものである。エイベックス社などほとんどのレーベルはCCCDによる損害に対して一切補償しないことを発表しており、消費者側から無責任すぎるという批判が相次いだ。

上記に挙げた問題点から、CCCDで発売されるタイトルはレンタル(CCCD自体への抗議意思もさる事ながら、一度PC等でリッピングした上で、そのデータをCD-Rに焼いた方が安全、という認識から)や違法ダウンロードで済ませれば良いという意見が続出し、CCCDを主導したエイベックスは2004年3月の時点でCCCD発売前より売り上げが20%減っているという皮肉な結果まで招いている。

なお、CCCD導入の先陣を切ったエイベックスは、2004年9月22日以降発売の作品は、原則としてコントロール採用を撤廃(通常のCDに戻す)し、ソニーミュージック(SME)も2004年11月17日以降に発売する新譜はすべて通常のCDで発売すると発表した。しかし、エイベックスのCCCD撤廃は販売用CDに対してのみ行われ、レンタル用・プロモーション用には未だほぼ全面的に、あるいは販売用であっても一部のアニメ関連作品およびクラシック作品にはCCCDが導入されている。またかつてCCCDでリリースされたCDについては現在もCCCDのまま販売されている。(余談だが、レンタル料金には著作権に関する費用が含まれていることから、レンタルCDの私的複製は合法であり、私的複製を制限される謂れはない)。 さらにSMEが2005年7月27日、これまでCCCDで発売したアルバム105タイトルを通常のCDとして再出荷し、CCCDとして出たものは9月いっぱいで廃盤とした。その後10月26日にもシングル190タイトルが再出荷され、SMEのCCCD商品はほぼ消滅した形となった。再発に当たって品番が変更されており、品番の古い物が廃盤という形になる。[2][3]

東芝EMIは未だCCCD撤廃を検討しておらず、セキュアCDなる新方式を採用し導入を続けている。

[編集] セキュリティ問題として起きた事件

Wikinews
ウィキニュースにコピーコントロールCDに関連するニュースがあります。

アメリカの大手レコード会社であるソニーBMG・ミュージックエンタテインメントがリリースしたCCCDにマルウェア(不正ソフトウェア)であるrootkitの技術を取り入れていることがセキュリティ会社によって判明した。この事実を受け、米国在住の男性がソニーBMGを相手取り訴訟に踏み切った。

その後、コンピュータウイルスに利用された例が2005年11月10日に報告された。ソニーBMGは7日、同プログラムを機能停止する(削除はしない)ツールを公表したが、駆除ツールにバグがあり、不正なActiveXを実行し得る仕様になっていたことから16日に公開を停止した。その後ソニーBMGは該当CCCDの回収・交換措置に踏み切った。日本のソニー・ミュージックエンタテインメントも自社が輸入した該当CCCDの回収・交換を行う。

CCCDは、パソコンのドライブに入れると利用者の同意なしに再生ソフトが勝手にインストールされるケースが多く、このような問題が常に発生しうる状況にある。これらの対策については、自動再生キャンセル操作(CD挿入時、同時にシフトキーを長押しする・自動再生を無効に設定する)の必要がある。

[編集] 正規のCD売り上げに対する影響

CCCDの出現により販売数が増加したという明確な統計結果は得られていないが、エイベックス社の売り上げ統計を見ると、CCCD導入前後で20%の減少が見られる。単純にCCCDに対する抵抗からと判断することはできないが、少なくとも本来の導入目的である「不正コピー防止」、「正規版購入の促進」を達成したと言うには程遠い結果となった。

また、2003年度・年間オリコンシングルチャート1位となったSMAPの『世界に一つだけの花』(ビクターエンタテインメント製)はCD-DAにも関わらず、250万枚以上を売上げており、必ずしもCD売上の減少が違法コピーによるものとは言い切れない事を裏付けた。なお、2003年の年間オリコンシングルチャートTOP10のうちCCCDは1枚のみであり、TOP20のうちでは4枚だけであった。

[編集] コピーコントロールCDを導入しているレコード会社(日本国内)

  1. 現在も導入
  2. 販売用のみ撤退(レンタル盤についてはCD EXTRA仕様のものや収録時間の長いものなど一部を除き全面的にCCCDを導入している)
  3. 完全撤退(かつてCCCDを導入したことがある会社。ホームページや新聞等で公式に撤退を発表をした場合)
  4. 事実上撤退(公式に撤退を発表をしないでCCCDのリリースを停止した場合や弾力的採用、正式な採用を見送った場合も含む)
    他、多数
  5. 原則として導入なし
    他、多数

これらの会社は、その実効性等に疑問を呈する見解等から当初からCCCDを導入していない。但し、ジェネオンの前身であるパイオニアLDCはCDプレス工場を有していたため、他社からの依頼に対応するためにCDS-200のライセンスを取得していた(現在CDプレス設備は閉鎖)。

また洋楽に関して、国内盤は正規のCDだが輸入盤はCCCDというケース(ビートルズLet It Be Naked等この逆も)が見られるため注意が必要である。

2005年現在

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 業界団体等

[編集] メディア系

[編集] レコードメーカー

[編集] 機器メーカー

[編集] CCCD技術開発(販売)元

[編集] 英語版へのリンク

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