シュルツ (宇宙戦艦ヤマト)
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シュルツは、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する、架空の人物。(声:大林丈史)
ガミラスの冥王星最前線基地の司令官で、ヤマトに立ちふさがった最初のガミラス人。副官はガンツ。
ガミラスの地球移住計画を第一線で指揮し、遊星爆弾で地球を攻撃し、地表に放射能を充満させた。地球は人類滅亡まで1年を切り、存続の危機に見舞われた。しかし、イスカンダルのスターシアによって地球に波動エンジンがもたらされ、ヤマトが発進する。ヤマトの出現は、ガミラスの優勢の内に進んでいた戦争の状況を一変するものであった。
ヤマトが地球の宇宙船として初めてワープに成功し、波動砲で一撃のもとに木星浮遊大陸を粉砕する様を目の当たりにしたシュルツは、ガミラス本国のデスラー総統、ヒス副総統に早急な対策を具申するが、地球人類を未開の野蛮人として歯牙にもかけないガミラス首脳部に却下され、やむを得ず冥王星基地にヤマトをおびき寄せ、麾下の艦隊、反射衛星砲などであと一歩のところまで追い詰めた。しかし詰のところで過信が油断を生み、決死の覚悟のヤマトに逆転を許し、衛星砲はおろか冥王星基地までも失ったシュルツは、デスラー総統の「戦って死ね」の一言で完全に退路を断たれる。
基地を脱出した残存艦隊で、補修のためにアステロイドベルト(第10番小惑星帯)に潜むヤマトに対し最後の決戦を挑んだシュルツは、包囲に成功したもののアステロイドリング防御を前に進退窮まり、ついに特攻を決意する。「我らの前に勇者無し、我らの後に勇者無し。」の大演説の後、シュルツ艦隊はヤマトに体当たりを敢行するが、アステロイドリングにはばまれ、ことごとく撃沈。シュルツも自艦で特攻するが、ヤマトのロケットアンカーによって、シュルツ艦は、小惑星に叩きつけられ爆発、壮烈な戦死を遂げた。
初めは完全な悪役であった彼も、ガミラス軍人として最期に「デスラー総統万歳」と叫んで特攻をかけた姿は多くの視聴者の涙を誘った。特攻に際し部下からも「何処までも着いて行きます」とまで言わせる等信頼も厚いようで、死によってその後の活躍が見られなくなったのが誠に残念な武人であった。