反射衛星砲
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反射衛星砲(はんしゃえいせいほう)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』に登場する、架空の光線兵器の名称。または宇宙戦艦ヤマト以降の作品でこれを模した兵器を呼ぶ時の一般的な名称。ここでは、宇宙戦艦ヤマトに登場するものを解説する。
惑星上の基地から、衛星軌道上にある人工衛星の反射板により自在に標的へ光線砲を命中させるガミラスの拠点防衛用ビーム兵器。反射衛星を複数併用することにより惑星全土をくまなくカバーし、惑星地表から衛星軌道に至るまで事実上死角が無くなる。『宇宙戦艦ヤマトIII』では、バーナード星の第1惑星基地にこれを改造した新反射衛星砲が設置されていた。
ガミラス帝国冥王星前線基地司令官シュルツは、射程は波動砲より短いが威力は上だと言っていたが、波動砲が一撃で艦隊やオーストラリア大陸に匹敵する規模の浮遊大陸を消滅させてしまうほどの威力があるのに対し、反射衛星砲は発射台が海底に隠されている関係で、ビームが目標に到達する前に海中、氷結海面、空気中を透過しなければならず、ビーム拡散によるエネルギー減衰が馬鹿にならないようだ。事実宇宙空間で何度となく直撃を受けたヤマトは、装甲版が多少損傷した程度であったので、シュルツの高言も額面通りには受け取れない。また着弾点が水中の場合、その威力は殆ど消失してしまう。 砲台は1基のみでエネルギーの充填に時間が必要なことから、古代進や真田志郎達特別攻撃隊がヤマトを囮で浮上させて排気塔を見つけ出し、砲台内部に侵入して破壊した。
後に真田志郎はこの反射衛星砲をヒントに空間磁力メッキを密かに開発していた。
反射衛星がほぼ固定であることが運用上のネックとなっていたが、ガルマン・ガミラス式の新反射衛星砲は反射板を航空機搭載とし、なお一層の柔軟な攻撃が可能となるばかりでなく、反射物が敵から発見されにくい・発見されてもある程度自己回避可能など、機動力の向上が著しかった。
[編集] 類似の兵器
- バベルの塔(ふしぎの海のナディア) - ルシファー・ミカエル等、計12個の「しもべの星」と呼ばれる反射板を使い、地球各地を攻撃した。
- 道原かつみの漫画版『銀河英雄伝説』では、アルテミスの首飾りに代わって登場している。
- サテライトシステム(機動新世紀ガンダムX)
- 元々はGXのサテライトキャノンにエネルギーチャージするマイクロ波の送信システムに反射衛星を使用していたが、物語の時代には破壊され、月から直に送信するしかなくなった。本来は月面上から送信されるマイクロ波のビームは攻撃兵器ではないがそれなりの破壊能力は持つとみられる。
[編集] 関連項目
- 戦略防衛構想(SDI) - 発表当時に反射衛星砲との類似が話題になった。