シンシナティ (オハイオ州)
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シンシナティ(英語:Cincinnati)はオハイオ川が流れるアメリカ合衆国オハイオ州南西部にある都市でありハミルトン郡の郡庁所在地である。ここは "The Queen City" (また "The Queen of the West"、"The Blue Chip City"、"The City of Seven Hills" 及び "Cincy" と呼ばれる) というニックネームを持っている。
2000年現在の国勢調査では、シンシナティの総人口は317,361人でコロンバス市、クリーブランド市に次ぐオハイオ州内で3番目に大きな都市である。シンシナティ周辺のオハイオ州、ケンタッキー州及びインディアナ州の一部を含むシンシナティ及び北ケンタッキー大都市圏(Cincinnati/Northern Kentucky metropolitan area)には、200万人近くが居住している。
シンシナティにはP&G、クローガー、Federated Department Stores (メイシーズやブルーミングデールズをはじめとするデパート数社の親会社)、Chiquita Brands International、American Financial Group、及びU.Sプレイング・カード社の本社がある。また、大リーグレッズ及びNFLベンガルズの両方の本拠地である。
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[編集] 歴史と概要
シンシナティ市はジョン・クリーヴス・シムズ(John Cleves Symmes)とロバート・パターソン大佐(Colonel Robert Patterson)によって1788年に設立された。
オハイオ川中流に位置し、古くから河港の交易都市として知られ、1811年の蒸気船就航後は、石炭の積出港として発展した。畜産業における集散地となったため「豚肉の町(Porkopolis)」とも称された。また、南北戦争前は、南部から逃亡してオハイオ川を渡った黒人奴隷をさらに北へ、さらにはカナダへと逃がす、地下鉄道の重要な拠点でもあった。今日でも工業都市として知られており、機械、鉄鋼、化学、食品工業を始め、更にIT産業や出版・印刷業も発達している。本社を置く主な企業にプロクター・アンド・ギャンブル (P&G)などがある。外国籍企業の進出も多く、日系企業も多く見られる。
シンシナティの治安は決して良いほうであるとは言えない。モーガン・クイットノー社(Morgan Quitno)[1]の「全米の危険な都市」ランキングのワースト25にしばしば登場する。同社の2005年調査ではワースト20位であった。オハイオ州の他の主要都市と比較すると、クリーブランドやデイトンよりは治安が良く、コロンバスやアクロンよりは悪い。しかし、全米の他の主要都市同様、市街地の再開発が進められている。
文化施設としては、西洋美術を多く扱うシンシナティ美術館、シンシナティミュージアムセンター、タフト大統領のコレクションを公開しているタフト美術館などがある。また、市内にはシンシナティ大学を抱えている。シンシナティ小児病院はシンシナティ大学の附属病院で、その医療レベルは常に全米十指に数えられている。
市名は古代ローマの政治家で執政官と独裁官を務めたキンキナトゥス(Cincinnatus)に由来する。
[編集] 地理
シンシナティは、北緯39度8分10秒、西経84度30分11秒 (39.136160, -84.503088) にある。アメリカ合衆国統計局によると、この都市は総面積206.1 km² (79.6 mi²) である。このうち201.9 km² (78.0 mi²) が陸地で4.1 km² (1.6 mi²) が水地域である。総面積の2.01%は水地域となっている。
[編集] 人口動勢
2000年現在の国勢調査で、この都市は人口317,361人、166,012世帯、及び72,566家族が暮らしている。人口密度は1,640.5/km² (4,249.0/mi²) である。822.1/km² (2,129.2/mi²) の平均的な密度に166,012軒の住宅が経っている。この都市の人種的な構成は白人52.97%、アフリカン・アメリカン42.92%、先住民0.21%、アジア1.55%、太平洋諸島系0.04%、その他の人種0.63%、及び混血1.68%である。ここの人口の1.28%はヒスパニックまたはラテン系である。
148,095世帯のうち、25.1%が18歳未満の子供と一緒に生活しており、26.6%は夫婦で生活している。18.6%は未婚の女性が世帯主であり、51.0%は家族以外の住人と同居している。42.8%は独身の居住者が住んでおり、11.1%は65歳以上で独身である。1世帯の平均人数は2.15人であり、家庭の場合は、3.02人である。
人口の24.5%が18歳未満で、12.9%が18歳から24歳、31.6%が25歳から44歳、18.7%が45歳から64歳、12.3%が65歳以上である。平均年齢は32歳である。女性100人に対し、89.4人が男性である。18歳以上の女性100人に対し、85.6人が18歳以上の男性である。
この都市の世帯ごとの平均的な収入は29,493米ドルであり、家族ごとの平均的な収入は37,543米ドルである。男性は33,063米ドルに対して女性は26,946米ドルの平均的な収入がある。この都市の一人当たりの収入 (per capita income) は19,962米ドルである。人口の21.9%及び家族の18.2%は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の32.0%及び65歳以上の14.8%は貧困線以下の生活を送っている。
[編集] スポーツ
[編集] メジャーリーグチーム
[編集] マイナーリーグチーム
[編集] 開催地
- グレート・アメリカン・ボール・パーク -- 野球(レッズの本拠地)
- ポール・ブラウン・スタジアム -- アメリカンフットボール(ベンガルズの本拠地)、サッカー
- w:Cincinnati Gardens -- ホッケー、野球、ボクシング
- w:U.S. Bank Arena - ホッケー、野球、アメリカンフットボール、サッカー
[編集] 主要な大学
- シンシナティ大学 (University of Cincinnati)
- ゼイヴィアー大学 (Xavier University)
- Union Institute & University
- College of Mount St. Joseph
- ノーザン・ケンタッキー大学 (Northern Kentucky University, 正確には、グレーター・シンシナティ内のケンタッキー州ハイランド・ハイツ Highland Hights市内)
[編集] 姉妹都市
シンシナティは世界の8つ都市と姉妹都市関係を結んでいる。
また、シンシナティはネタニヤ(Netanya、イスラエル国)と非公式な姉妹都市提携を行っている。