ジェガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェガン(JEGAN)は、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』及び『機動戦士ガンダムF91』に登場する架空の兵器。地球連邦軍の量産型モビルスーツ(MS)である。(型式番号RGM-89)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ジェガン
ジェガン(U.C.0093当時) | |
型式番号 | RGM-89 |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 19.0m |
全高 | 20.4m |
本体重量 | 21.3t |
全備重量 | 47.3t |
ジェネレーター出力 | 1,870kw |
スラスター総推力 | 61,400kg |
センサー有効半径 | 14,200m |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
武装 | 頭部バルカン砲 ミサイルランチャー グレネードランチャー ビームサーベル ビームライフル |
主な搭乗者 | ケーラ・スゥ チェーン・アギ ハサウェイ・ノア ユウ・カジマ 地球連邦軍一般兵 他 |
[編集] 機体解説
宇宙世紀0090年代の地球連邦軍の主力MSであり、アナハイム・エレクトロニクス社が生産を行っている。ジムシリーズの後継機種だが、機体名に「ジム」の名は冠されていない。
アナハイム社の生産した過去の主力MSの開発、生産、運用のノウハウを集約し、全くの新設計で開発されている為信頼性は高い。その証拠にジムシリーズよりも長く「ジェガンシリーズ」として運用されている。コスト重視の機体であり、装甲にガンダリウム合金は使用されていない。しかし、運動性と機動性は優秀で操縦性と整備性にも優れており、量産機としては申し分無い性能を持っている。
宇宙世紀90年代初頭より、それまで主力であったジムIIIからの転換が進められた。当初は第二次ネオ・ジオン抗争期にロンド・ベル隊を中心に配備されていたが、その後全ての部隊へ配備されている。その後大きな戦乱も無く連邦政府の軍縮の方向性もあった為に後継機への機種転換が行われず、延命措置やマイナーチェンジを施されながら運用され続けた為、過去の主力MSに比べて運用期間が極めて長かった。一説には、採用から約60年後のザンスカール戦争においても本機が使用されたらしい。
しかし『機動戦士ガンダムF91』の舞台である宇宙世紀0123年頃には、マイナーチェンジで性能の強化が図られているものの、30年以上前の旧式MSであり、クロスボーン・バンガードの最新鋭小型MSには全く歯が立たなかった。実質の後継機であるヘビーガン、ジェムズガンもクロスボーン軍のMSに比べて見劣りしており、その為更なる後継機の開発が急がれる事となる。結局、ジャベリンの登場まで抜本的な性能の向上を見る事はなかった。性能不足が顕著になってから、相当の年月が経過しても尚本機が現役で運用され続けた事実は、本機の信頼性の高さを証明している反面、新型機導入に消極的な軍上層部の意向を反映していると言えよう。
余談だが、ゲーム等の影響により本機とガンダムの性能が同等だと誤解されている節があるが、カタログスペックを考慮するとガンダムはおろか、ガンダムMk-IIやリック・ディアス、百式といったグリプス戦役で活躍したガンダムタイプと同等以上の性能を持つ。その為、近年のガンダム関連のゲームでは「連邦軍最高の量産機(宇宙世紀0093年当時)」として登場している。
[編集] 劇中での活躍
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』以降複数の作品で連邦軍の主力機として登場。『逆襲のシャア』劇中ではケーラ・スゥの初期の乗機として活躍、ネオ・ジオンと渡り合っていた。劇中終盤ではネオ・ジオンに降ったクェスを説得するためにハサウェイ・ノアが搭乗して出撃、初戦闘でギラ・ドーガを撃破、その後リ・ガズィを撃破している。ロンド・ベルに配備された機体以外にルナ2防衛隊も使用していた。
[編集] バリエーション
[編集] ジェダ
ジェダ(JEDDA)は小説版「機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー」に登場した機体。(型式番号:RGM-88X)
画稿は雑誌「B-CLUB」誌上にて掲載された。ジェガンのプロトタイプとされている。RGM-88Xと呼ばれる機体は2種類存在する。当初に設計された機体はガンダムMk-IIの純然たる量産型として計画されたが、連邦軍の軍縮政策によるMS開発予算削減の煽りを受けてコストダウンを余儀無くされ、試作機が6機製作された時点で開発が中断された。その後同一プロジェクトとして再開し、初期に製作した試作機をベースにコストに見合う様に再設計された後に本機をベースにしてRGM-89ジェガンが完成した。尚、初期に製作されたRGM-88Xの内1機はテスト飛行中に事故により大破・喪失し、残った数機はロンド・ベルへ納入され、再設計されたRGM-88Xの内何機かはRGM-90に改装された。
「ハイ・ストリーマー」劇中ではクラップ級巡洋艦「ラー・ザイム」に配備された(6番機までが確認されている)。劇中では旧式で、ジェガンよりも貧弱な機体とされている。RGM-88X発表当初はジェダが同一機体であるとの記述が無かったが、ガンダムエース誌上にてRGM-88X=ジェダと設定された。しかしこれには矛盾点があるという異論もある。
[編集] ジェガン重装型
ジェガン重装型(JEGAN HEAVY ARMED TYPE)は「CCA-MSV」にて設定されたモビルスーツ。(型式番号:RGM-90)
ジェガンの再設計機であり重装バージョン。重装型とはいうものの機体のベースはRGM-88Xである。両肩にビームランチャーを、腰部にはミサイルランチャーを装備しており、ベース機からコンセプトを変更して往年のRGC-80を髣髴とさせる支援型として完成した。尚、1/144ジェガンのプラモデルの取説にある重装型を指すと思われる解説には型式番号RGC-90との記載もある。
[編集] スターク・ジェガン
スターク・ジェガン(STARK JEGAN)は「CCA-MSV」にて設定されたモビルスーツ。(型式番号:RGM-89S)
再設計された重装型とは異なり、ジェガン本体へ追加武装・装甲を施した機体。増加装備はジェガンにジムIIIの長距離支援の運用コンセプトを取り入れる事を目標に設計されている。その為ジムIIIで採用されたものに近い支援用のミサイルランチャーユニットの他ハイパーバズーカやメガマシンキャノンを装備している。そして核ミサイルの運用も可能である。
核ミサイルの運用の際には専用のシールドを携帯する。また増加装備は状況に応じて脱着・破棄が可能となっている。
[編集] ジェガン改
ジェガン改(JEGAN CUSTOM)は漫画「ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム」に登場したモビルスーツ(型式番号:RGM-89B)。
サラミス級巡洋艦「アラハス」所属のファクトリーチームがジェガンにMSN-00100 百式の設計を取り入れてフレームから再設計した試作機である。その為「改」とは名を打っているものの、実際にはジェガンとは別の機体となっている。装甲材にはガンダリウム合金が使用され、またジェネレータも新規設計されたものが搭載されており、出力はベース機に比べ大きく上がっている。
しかしテスト用の機体の為様々な実験装備が取り付けられており、その為コックピットにはリニアシート、全天周モニターが採用されていないといった特異な点も持つ(劇中では出撃の度にコクピット周りに手が加えられていた)。パイロットは連邦軍「アラハス」所属のカザキ中尉。
[編集] STガン
STガン(STRATEGIK TREANER JEGAN)は漫画「機動戦士ガンダムF90」に登場した架空の兵器。(型式番号:RGM-89ST2)
F90のデータ収集及び試験空域の早期警戒を目的としてサナリィがジェガンをベースに改装した機体である。頭部ゴーグルセンサーが大型化しているほか、大型のレドームや各種センサーを追加している。強襲偵察機と異なり戦闘を目的としておらず、また各種センサーへの影響を考慮して武装はマシンガンが採用されるにとどまっており、ジェガンに比べると火力は貧弱なものとなっている。一部の資料では型式番号がRGM-89Aとなっているものもある。パイロットはナヴィ。劇中では火星到着後に襲撃を受け中破、火星独立ジオンに拿捕された。
[編集] ジェガンA/B/ノーマルタイプ
型式番号:RGM-89R/M/J
アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場した性能向上発展機。マイナーチェンジ(主にジェネレータの改修等)によりベース機に比べ若干性能が上がっており、短時間の飛行も可能。A/Bタイプは特にコロニー内の運用を考慮して改装されている。Aタイプは機動力を重視した改装が施されており、主に指揮官向けに配備された。Bタイプは実弾系装備の追加によりの火力の強化が行われている。
[編集] グスタフ・カール
グスタフ・カール(GUSTAV KARL)は小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場する、架空の兵器。地球連邦軍の量産型MSである。(型式番号:FD-03)
[編集] 機体解説
グスタフ・カール | |
型式番号 | FD-03 |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | アナハイム・エレクトロニクス社 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 不明 |
全高 | 不明 |
本体重量 | 不明 |
全備重量 | 不明 |
ジェネレーター出力 | 不明 |
スラスター総推力 | 不明 |
センサー有効半径 | 不明 |
装甲材質 | チタン合金セラミック複合材 |
武装 | 頭部バルカン砲 グレネードランチャー ビームサーベル ビームライフル |
主な搭乗者 | 地球連邦軍一般兵 他 |
連邦軍の主力量産型であるジェガンの再設計した機体。従来のGM系列、ジェガンの基本設計を踏襲しており、ベース機であるジェガンに比べ全体的に性能が向上している。装備は凡庸であるがその基本スペックは高く、ガンダムタイプに通じるものがある。汎用機であるが主に地上の治安部隊を中心に配備された。ペーネロペー等と異なり自力での飛行能力は持っていない為、サブフライトシステム「ケッサリア」との連携を前提としている。優秀な性能を誇っていたが、配備は治安部隊向けに割り振られていた為生産数は多くなく、その後MSは小型化へと方向を転換していった為、直接の後継機は確認されていない。なお、資料によっては指揮官用機体を「グスタフ・カール」、一般兵向けの機体は「ドーラ・カール」としているものもある。
[編集] 劇中での活躍
マフティーに対抗する連邦軍「キンバレー部隊」や「キルケー部隊」の戦力として登場。Ξガンダムやメッサーに対抗して戦った。
[編集] 関連項目
ガンダムシリーズ (カテゴリ) | ||
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム | |
世界観: | 宇宙世紀 - 未来世紀 - アフターコロニー - アフターウォー - 正暦 - コズミック・イラ - SDガンダム | |
ガンダムシリーズの映像作品 | ||
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース | |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 - - GUNDAM EVOLVE | |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 | |
ガンダムシリーズの劇中項目 | ||
劇中項目一覧: | 人物一覧 - 機動兵器一覧 - 艦船及びその他の兵器一覧 - 用語一覧 | |
テンプレート |