ジェリー・マリガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェリー・マリガン(Gerry Mulligan、本名Gerald Joseph Mulligan、1927年4月6日 - 1996年1月20日)はアメリカのジャズ・ミュージシャン、作曲家、編曲家。バリトンサックスの名奏者として知られる。
[編集] 経歴
アメリカ・ニューヨーク市クイーンズ区生まれ、エリー鉄道に勤務していた父の仕事の都合でオハイオ州マリオンに転居する。
1940年代後半からフィラデルフィアで活動を開始、ギル・エヴァンスとの出会いをきっかけにアレンジを本格的に手がけるようになる。後にマイルス・デイヴィスのアルバム「クールの誕生 (Birth of Cool) 」に参加、バリトンサックスでの演奏の他、「ジェル (Jeru) 」「ミロのヴィーナス (Venus De Milo) 」などの作曲などを担当する。
1952年、カリフォルニアに移り、トランペットのチェット・ベイカーらとピアノレスカルテットを結成。わずか1年間の活動であったが、リズムセクションに鍵盤楽器が必須とされていたジャズの世界に於いては画期的な出来事であり、この動きがウエストコースト・ジャズの成立につながっていくことになる。マリガンはウエストコースト・ジャズの中心的人物として西海岸に拠点を置きつつ、ベン・ウェブスター、デイブ・ブルーベック、セロニアス・モンク、ズート・シムズらと交流を深めていった。
1965年にはアート・ファーマーらをメンバーに招き、リーダー作「ナイト・ライツ (Night Lights) 」を発表。これは彼の代表作となる。ちなみにタイトル曲である「ナイト・ライツ」は2バージョンが納められているが、マリガンはこの曲ではバリトンサックスではなくピアノとクラリネットを演奏している。
1980年代に入るとフュージョン色の強い音楽性を指向するようになり、「リトル・ビッグホーン (Little Big Horn) 」などのフュージョンアルバムを発表するようになる。この頃に世界ツアーも行っている。
1996年1月20日、膝の外傷が元でコネチカット州ダリエンにて死去。享年68。
カテゴリ: 1927年生 | 1996年没 | ジャズ・ミュージシャン | アメリカ合衆国のミュージシャン | サクソフォーン奏者