ジム改
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この項では、日本のアニメ『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器のうちジム改をはじめとして、 メカニックデザイナーカトキハジメによる画稿を元に描かれた地球連邦軍のモビルスーツ・ジムのバリエーションについて述べる。
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[編集] カトキハジメ版ジム誕生の経緯
1990年、モデルグラフィック誌で連載されていた『ガンダム・センチネル』その雑誌連載の最後を飾る意味で企画された『ガンダム・センチネル0079』での登場がその発端となっている、初出はモデルグラフィックス誌1990年5月号(Vol67)。
実は最初からジムとしてデザインされた訳ではなくRX-78-2ガンダム(後のRX-78Ver. Ka)をデザインしてから逆算的にGMが描かれた経緯がある為この2機はデザイン上相互に密接な関係で結ばれている。
発端は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争に登場したガンダムNT-1(出渕裕画)とRX-78-2は同一機体なのでは?』という所から始まる。0080系MSは現在でこそ「別機体」の扱いになったが、企画当時は1年戦争のMSをリファインして描かれた物であり、『ガンダム・センチネル0079』の企画も同様に1年戦争をより掘り下げて描くという事で進められていた為に与えた影響は大きく、MS等のデザインに関してはその随所に0080系MSの意匠が取り入れられている事が判る(RX-78Ver.Kaの頭部の頬ダクトや胴体の二重ダクト・ジム改の頭部がジム寒冷地仕様に近い事・ザクF2型の脚部がほぼザクFZ型なのは上記の影響を受けデザインされた為)。
ヌーベルGMIIIのデザインを基に、安彦良和氏が描く初代TV版のプロポーション、原点回帰的な記号(関節のΦモールド等)そしてこれまでのセンチネルで培われたデザインの要素を取入れ誕生したのが『センチネル版RX-78ガンダム』&ジム後期生産型(ジムこうきせいさんがた GM LATER Type)である、カラーリング・背面パック等にジム・コマンド宇宙仕様の意匠も取り入れられており上記の経緯を経てデザインされている事が判る、また、この時にデザインされたビームスプレーガンは後にMG(マスターグレード)ジム改に付属している。
その後、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、ジム後期生産型に線を減らし若干のデザインを変更した形でRGM-79Cジム改が登場した。
また『0083』の後に製作されたビデオアニメ『機動戦士ガンダム第08MS小隊』の第1話では、ジム改の画稿を元に描かれたRGM-79E初期型ジムが登場した。しかし、『08MS小隊』は宇宙世紀0079年に地球連邦軍がモビルスーツを完成させて間もない時期の物語であり、すでに改良型と思しき外見の機体が登場した事は、(特に背景設定の緻密さを楽しみとする)視聴者に戸惑いを与えた(詳細は下記参照)。
(なお講談社の書籍『機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』では「後期生産型ジム」といえば、ジム・コマンドも含めた一連の性能向上を図られたモデル全般を指している。)
以下に挙げるモビルスーツは、作品世界内での開発時期順に並べてある。
[編集] 初期型ジム
初期型ジム | |
型式番号 | RGM-79E |
所属 | 地球連邦軍 |
建造 | ルナツー工廠 |
生産形態 | 先行試作量産機または先行量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
全高 | 18.0m |
主な搭乗者 | テリー・サンダースJr. |
武装 | ブルパップ・マシンガン 他 |
初期型ジム(しょきがたジム、GM EARLY Type)は、OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』に登場する架空の兵器。地球連邦軍が開発した量産型モビルスーツである。 第1話でテリー・サンダースJr.軍曹が搭乗していた機体とされる。 宇宙用ジム(うちゅうようジム)、宇宙用ジム ルナツー仕様(うちゅうようジム ルナツーしよう)などと表記する資料もある。 (型式番号:RGM-79E(もしくはRGM-79[E]、RGM-79(E)))
[編集] 機体概要
小惑星基地ルナツー工廠にて0079年10月に完成、衛星軌道上やルナツー周辺の施設に極秘裏に配備され、後のRGM-79Cジム改の原型となった。 宇宙世紀0079年10月の時点で、本機で6機以上のジオン公国軍モビルスーツを撃破した猛者もいたとされる。
[編集] 劇中での活躍
死神サンダースことテリー・サンダースJr.軍曹が半壊したこの機体に搭乗して、アイナ・サハリンの搭乗する宇宙用高機動試験型ザクと死闘を繰り広げる姿が描かれている。
[編集] 設定の変遷について
上記の「機体概要」は、バンダイのプラモデル「マスターグレード 1/100スケール ジム改スタンダードカラー」(2002年11月発売)の解説書による。 OVA「08小隊」が発表された当初は、この機種について特に型式番号や開発背景は設定されていなかった。
その後、一部のアニメーション雑誌やアニメムック等において、この「08小隊版宇宙用ジム」とはバンダイのプラモデル「ハイグレードモデル 1/144スケール RGM-79[G] ジム」(1996年6月発売)の解説書にて存在が述べられていた「宇宙用のEタイプ」と同一のものであると紹介された。
しかし一方で、上記プラモデル解説書では「08小隊版宇宙用ジム」と「宇宙用のEタイプ」は別の機種であるかのような紹介がされている。
詳細は先行試作量産型ジム 宇宙戦仕様の項も参照されたし。
[編集] ジム後期生産型
ジム後期生産型(ジムこうきせいさんがた GM LATER Type)は、雑誌企画『ガンダム・センチネル』から派生した企画『ガンダム・センチネル0079』に登場する架空の兵器。地球連邦軍が一年戦争時に開発したモビルスーツである。
[編集] 機体概要
前期生産型ジムにRX-78-2の交戦データを基に性能を向上したアップデート版で背面にジムコマンド宇宙仕様と同デザインの高機動パックがセットされている。
[編集] 劇中での活躍
宇宙要塞ソロモン攻略戦において、地球連邦軍のパイロット、トッシュ・クレイとストール・マニングスが搭乗した。
[編集] 商品展開
2005年8月にバンダイより「ガンダムフィックスフィギュレーション#0026」としてフィギュアが発売された。この商品はパーツの組み換えによってRX-78-2ガンダム(カトキハジメ版)に換装できる。
[編集] ジム改
ジム改 | |
型式番号 | RGM-79C |
所属 | 地球連邦軍 |
生産形態 | 量産機 |
頭頂高 | 18.0m |
本体重量 | 41.2t |
ジェネレーター出力 | 1,250kW |
スラスター推力 | 57,480kg |
装甲材質 | チタン・セラミック複合材 |
主な搭乗者 | サウス・バニング |
武装 | ブルパップ・マシンガン バズーカ ビームサーベル 60mmバルカン砲 |
ジム改(ジムかい、GM type C)は、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の兵器。 地球連邦軍が開発した量産型モビルスーツである。型式番号RGM-79C
[編集] 機体概要
一年戦争末期に量産試作機が完成し、数機がア・バオア・クー攻略戦に実戦投入された。その後、宇宙世紀0083年には地球連邦軍の主力モビルスーツとして運用された。主武装は、信頼性の高い実体弾式の90mmマシンガンやバズーカとビームサーベル、頭部の固定式60mmバルカン砲である。 シールドは一年戦争において用いられた縦長の六角形のタイプ(十文字の紋章は省略されている)が用いられた。
[編集] 劇中での活躍
クリーム色・青の配色の機体がオーストラリア・トリントン基地にて教官機として運用され、サウス・バニングが搭乗し実戦にも参加した。 奪還任務の際にジオンのザメルと交戦し、機体を大破させながらもこれを撃破した。 また、宇宙軍には白・赤の配色の機体が配備され大規模なモビルスーツ部隊を成していた。
[編集] 商品展開
『0083』発表当時はインジェクションプラモデルキットは発売されなかった。2002年にバンダイからマスターグレードシリーズとして 1/100スケールの成型色と武装の異なる2種が発売された。
[編集] バリエーション
[編集] パワード・ジム
パワード・ジム(POWERED GM)はOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する架空の兵器。地球連邦軍が開発した試作型モビルスーツである。型式番号RGM-79
[編集] 機体概要
本機体は、一年戦争終結後であるUC0083に次世代MS開発のGP計画の一環として開発された装備の評価用として、開発されたとされる。 評価用機体として、戦後配備された主力MSであるジム改に大型バックパック、大推力ブースター、両膝用のショック・アブソーバーユニットを装備し、30%増しの推力を発揮したとされている。 本機体は評価試験用であるので、特に武装の増強は行われておらず、トリントン基地に配備された数機はジム改の装備を使用したようだ。 形式番号も特に与えられていない。 アレン中尉が搭乗していた機体以外にもトリントン基地内でドム・トローペンに撃破されたと思われる機体の残骸が第2話に登場していることから、複数機存在したと思われる。
パワード・ジムはGP01の陸戦型バックパックの評価試験をしているが、RGM-79N-Fb ジム・カスタム高機動型はGP01-Fbの宇宙型バックパックの評価試験をした機体である。
[編集] 劇中の活躍
第1話でディック・アレンをテストパイロットとして模擬戦に参加し、機体各部の挙動データを採取する様子が描かれている。 ガンダム強奪事件の後、バズーカを装備し奪還任務に実戦投入されたがジオン残党軍のドム・トローペンの不意討ちを受け撃破された。
[編集] 商品展開
2006年8月にHGUCシリーズで発売
[編集] ジム改高機動型
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』に登場する機体。
[編集] 機体概要
RGM-79CR ジム改高機動型
本機は、デラーズ紛争終結後であるUC0084に次世代MS開発の一環として開発された。新規装備の評価およびジムⅡの採用試験用として開発された機体とされる。わずかなオプションの変更により、さまざまな形態をとることができ、ジムスナイパーIIIもバリエーションのひとつである。武装はジムⅡとほぼ同型(サブグリップ部を廃し、Eパックを装着)のビーム・ライフルとビーム・サーベル、連邦軍MS共通のシールドなどである。
[編集] 関連項目
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