ニコラ・サルコジ
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ニコラ・ポール・ステファヌ・サルコジ・ド・ナジ=ボクサ(Nicolas Paul Stéphane Sarközy de Nagy-Bocsa , 1955年1月28日 - )は、フランスの政治家。共和国連合出身。2002年5月、ラファラン内閣において内務・治安・地方自治相に就任、2004年11月29日、国民運動連合党首選挙で85%の得票率で党首に選出され、2005年5月31日より内務大臣(ド・ビルパン内閣)。パリ出身。父方はハンガリーの下級貴族の家系。母方はギリシア系ユダヤ人で、祖父の代にカトリックへ改宗している。保守強硬派で不法移民に対して厳しい。兄のジェローム・サルコジはフランス経団連(MEDEF)の副会長。2007年のフランス大統領選挙の有力候補。
[編集] 人物
パリ大学出身の弁護士だが、右左両翼を問わず高級官僚出身の政治家が支配的な仏政界にあっては、移民2世という出自もあいまって庶民派というイメージを強く打ち出している。演説や語りも、仏政治家にありがちな修辞表現を多用するのではなく、率直な言い回しを好み、国民に直接訴えかけるスタイルである。
平均的なフランス人に比べて身長が低い。そのため、フランスの有料チャンネルテレビ局canal+の政治風刺人形劇「les guignols de l'info」の中では、 シラク大統領(の人形)がサルコジ氏(の人形)を「スマーフ(Schtroumpf)」と呼んでいたこともあった。
シラク大統領の娘クロードと付き合っていたこともあり、シラク家とは良好な関係であったが、その後シラク大統領の対立候補を支持したため、関係は悪化した。
2度結婚しており、前妻マリーとの間に2人、現在の妻セシリアとの間に1人、合わせて3人の子供がいる。
[編集] 経歴
- 2004年1月に香港を訪問した際、「率直に言って、日本よりも中国の方が好きだ。香港は魅惑的な都市だが、東京は息が詰まる。京都御所はうらぶれている。有名な庭園も陰気だった」「ポマードをなでつけた太った男同士が戦うことがなぜそんなに魅力的なのか。(相撲は)インテリのスポーツではない」などと、日本をこき下ろす発言をしたと報道される。平林博駐フランス大使と会談した際、サルコジは「これら一連の発言はしていない」と釈明したが、関係者の証言などから、ほぼ間違いなく事実とされる。対立するシラク大統領が親日家であることから大統領に対する牽制の意味合いが強いとされている。
- 上記のように日本をこき下ろしたが、日本の国連安保理常任理事国入りには賛成との見解を公している。
- 強気な姿勢は国民からも一定の人気がある。移民が数多く暮らしている治安が安定しない地域を視察し、彼等を「社会のくず」呼ばわりした事は大きな波紋を呼んだ。こうした発言はフランス各地で起こった若者達による暴動激化の一因だとされている。しかし彼はそれでもその姿勢を崩さず、批判を浴びてもそれを物ともしないばかりか、逆にますます過激な強硬発言を増やしている。その為、暴動を起こしている若者達、また彼らを心情的に支持する層からは憎悪の対象となっているが、自らも移民2世であり、「私は移民反対のジャン=マリー・ルペン(国民戦線)党首とは違う。この国には優秀な移民が必要だ」と主張している。