ネオプラン
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ネオプラン(NEOPLAN)は、ドイツのゴットローブ・アウベルダー社のバスのブランド名。
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[編集] 概説
[編集] 日本におけるネオプラン
ネオプランの名前を一躍有名にしたのは、1979年に初輸入された2階建てバス「スカイライナー」である。スカイライナーは国内初の本格的な2階建て観光バスであり、このスカイライナーにより2階建てバスブームが起きた。これによりドイツやベルギーのライバル会社がこぞって日本市場に参入するきっかけを作り、日本国内の各社も2階建て観光バス市場に参入した。
その後、2階部分の居住性の問題などから2階建てバス市場は急速に縮小していったが、1990年代に入り定員を多くとれることから、夜行高速バスに用いられるケースが増え、スカイライナーも再び輸入されている。 最近では、2002年に全長15mのダブルデッカー、メガライナーを登場させた。 なお、ネオプランの国内総代理店は1977年に初めて同社製のバスを導入した中央交通グループの「日本ネオプラン」である。一時期、中央観光バス(当時)も「バウルC.S.B商事」を設立して、輸入代理店となっていたことがある。
2005年3月には神奈川中央交通が連接バス「ツインライナー」(エンジンはMAN製)を2台導入した。
[編集] 特徴
同社のバスの特徴的な形態として、シャーシ、エンジン及びトランスミッションをメルセデス・ベンツやMANから購入し、ボディ及びサスペンションを自社生産していることである(国内バス車体製造会社はボディのみ製造し、エンジン、トランスミッション、サスペンションの3つが揃ったシャーシを購入して作る)。
そのため、日本国内向けに日産ディーゼル製エンジン搭載のバスが製造されたことがある。
なお現在同社はMANの傘下にあり、主に同社のエンジンを搭載したバスが製造されている。このため両社の組み合わせを「ネオマン」(NEOMAN)と称することもある。
[編集] 日本国内で導入されたネオプラン
[編集] 車種
- スカイライナー ダブルデッカー
- メガライナー 全長15mのダブルデッカー
- ジャンボクルーザー 連接ダブルデッカー(かつて姫路セントラルパークで使用)
- スペースライナー アンダーフロアコクピット
- スターライナー スーパーハイデッカー
- シティライナー スーパーハイデッカー
- トランスライナー スーパーハイデッカー
- ユーロライナー スーパーハイデッカー
- メトロライナー ハイデッカー
- ジェットライナー ハイデッカー
- セントロライナー 路線バス、連接バス(ツインライナー)
海外にはエレクトロライナーとして無軌条電車用の車種がある。
[編集] 代表的ユーザー
[編集] 現在のユーザー
- 貸切車(スカイライナー・スターライナー・スペースライナー・セントロライナー等)
- 輸入元「日本ネオプラン」の親会社
- 夜行高速バス「ドリーム号」用(スカイライナー・メガライナー)
- 1990年代にも東京駅~東京ディズニーランド間の高速バス「ファンタジア号」で運行実績あり、ファンタジア号は日本のダブルデッカー初のワンマン運行路線。
- 一般路線車・連接バス(セントロライナー)
- 青春メガドリーム号(メガライナー)
- 定期観光車「にじ」(スカイライナー)
- 一般路線車(セントロライナー)
- 貸切車(スカイライナー・トランスライナー・ユーロライナー・スターライナー)
- 無料循環バス「東京ベイシャトル」(ノンステップバス)
- スカイバス東京(スカイライナーベースのオープンバス、2006年12月にスペースライナーベースも登場)
- 2006年夏季、「スカイバス札幌」運行のためスカイバス1台を北都交通へ貸し出し
- 2006年11月、北海道日本ハムファイターズ優勝記念パレードのため、スカイバス2台をジェイ・アール北海道バスへ貸し出し
- 同社最初のトリコロールカラー色貸切車
- 1983年、2階建てバス導入
- 赤字に白の“N”の現行カラー
- 1983年、2階建てバス導入
- 高速バス・貸切バス(N116-2・3シティライナー、N117-2スペースライナー)
- 1979年、N116-3シティライナーを貸切車として導入(現在は廃車)、その後1987年にスペースライナーを貸切車として、1988年~1991年に高速バス向けにシティライナー・スペースライナーを導入
[編集] 過去のユーザー
- 台東区の委託で上野広小路~浅草雷門間(二階01系統)と、江戸川区の委託で葛西臨海公園駅~JR小岩駅間(二階02系統)で運行。
- 前者の2代目の車両3台が日の丸自動車興業に売却され、スカイバス東京に改造された。
- 江戸川区の委託で都営バスと共同で葛西臨海公園駅~小岩駅間で運行。
- JRバス関東の「ファンタジア号」(東京駅~東京ディズニーランド間、廃止)を共同運行
- 成田国際空港内の無料循環バスとしてN912サンライナーを導入。
- 神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア'81)開催を機にスカイライナーを定期観光バス用に導入。1988年廃車。
- スカイライナーを貸切用に保有。車内にはエレクトーンが装備され、クルージング中に生演奏が行われていた。但し純粋な新車ではなく、中央観光バスで使用された後、同社に移籍した車両。
- 中鉄観光
- 貸切用に保有。
- 貸切用に保有。
- 四国初のダブルデッカーとしてスカイライナーを貸切用に保有。
- 貸切用に「VISTA COACH」の愛称名でバンホールTD824アストロメガ1台と合わせて保有。
- 全日空のツアー専用バス「ビッグスニーカー号」としてスカイライナーを保有。その後2006年夏に日の丸自動車興業からスカイバス仕様車を借り受け、札幌市内でスカイバスを運行。
- スカイライナーを貸切用に保有。愛称「スカイエース」。
- 宮城野観光バス(2002年に現遊空間エクスプレスが事業を引き継ぎ)
- スカイライナーの他、シティライナーを貸切用に保有。1994年にはガラスライナーを1台導入。愛称「ウィンドウデッカー・カイザー」。2004年に榛南タクシーに移籍するまで同社に在籍した。因みにガラスライナーは同時期に中央交通が1台導入しており、2001年に榛南タクシーに移籍するまで使用されていた。
- 日産ディーゼル製エンジンを搭載した2階建て車を導入。
- 当時の中央観光バス(大阪市)グループの傘下企業であったバウルC.S.B商事が輸入元となり1979年にN116/3シティライナーやN122/3スカイライナーが貸切サロンバス「エンパイアステートサルーン」として1982年まで26台導入され、高年式で高知駅前観光や国際観光バスへ売却された車両もあった。また、1982年後期導入の6台はモデルチェンジによりデザインが一新され、ベースカラーが白に変更された。又、初期導入車の一部も合わせて変更されている。
- スカイライナーN122/3のうち、1983年導入分の8台は濃紺に金帯を纏ったサロンバス「オリエントエクスプレス」としても導入された。観光バスの常識を打ち破るシックなカラーリングと豪華な内装を売り物としたが、同社のN122/3は総絨毯仕立ての土足禁止車だったため「エンパイア」「オリエント」用N122/3には共々トイレは装備されていなかった。
- 他にも1983年にN326J「ニューエンパイアステートサルーン」が5台、1985年にN116/2シティライナー「シルバースター40」が2台導入された。
- 1986年にはN117/2スペースライナーが「ジパング・ハーレーエクスプレス」として25台導入され、導入直後は白1色にZIPANGロゴが記されていたが、間もなく白地に裾周りを黒とグレーのジパングカラーに塗り替えられた。バウルCSB商事独自の仕様で乗降口は中央のみで、本来なら乗降口に相当する前部ドアはドライバー用ドアで、左右両側に装備されてドライバーの乗降を行っていた。1階運転席と客席とは前部に非常口として連絡口が用意されていた。こちらは1997年より引退が始まり、2004年に最後の1台が引退した。
- 因みにジパング導入時にエンパイアステートサルーンの一部がジパングカラーに塗り替えられた。
- いずれも欧州の車内レイアウトを踏襲した中央交通導入車より贅を尽くしたゴージャスな内装を売り物とし、特に「オリエント」と「ジパング」は観光バスの常識を打ち破る豪華絢爛な内装を誇った。