ピック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピック(pick)は、ギターなどの撥弦楽器を演奏するための道具。爪、プレクトラム(plectrum)ともいう。
または、物を引っ掛けて掘り出したりするための道具。つるはし(鶴嘴)、ピッケルなど。 金属製の楊枝のことを指すこともある。
[編集] ギターピック
多くは3cm程度の大きさで、薄い三角形をしており、主に親指と人差指で挟んで、爪の代わりに弦に当てて、弾(はじ)いて音を鳴らす。ピックを用いた奏法をピック奏法(ピック・ピッキング、ピック弾き)という。よく「ピッグ」と呼ぶ人がいるが「ピック」である。
素材はプラスティックやセルロイドなどの合成樹脂が主流だが、デルリン、ゴム、フェルト、メタル、ナイロン、鼈甲、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアセタールのものもある。特に最近出てきたデルリンは安い上に、通常つや消し加工されているので滑りづらく、摩耗しづらいなどの利点があるが、セルロイドのような美しさがないのとキズが目立ちやすいのが欠点である。
形状は正三角形型、ラウンドなおにぎり型、二等辺三角形のティアドロップ型、ホームベース型などとあり、硬さ(厚さ)はTHIN(薄い)、MIDIUM(中間)、HARD(硬い)、HEAVY(強度な)とあり、種類は豊富である。また滑り止めのために、中心部に複数の穴を開けてあったりするものもある。
エレクトリックギター、アコースティックギター、ベースギター、マンドリンなどの弦楽器で使用され、ベースでは硬めのピックが好まれたりという事はあるが、素材、形状、硬さはプレイスタイルやプレイヤー(演奏者)の完全な好みによって選ばれる。
コンサートにおいて、予備のピックがマイクスタンドに貼りつけられ、ファンサービスとして、観客に向かってばら撒くというような光景がよく見られる。 またミュージシャンやバンドのキャラクター商品としても、よく利用される。楽器ショーなどのイベント時には、宣伝やファンサービスのため、企業のロゴ入りのピックを無料でプレゼントしたりする事もある。ばら撒いたせいで自分のピックがなくなり、観客に返してもらうという珍事を起こしたアーティストもいる。